26話 ストロベリー・パニック!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
安堂と花房もすぐにいちごのアイデアに飛びつき、すぐに試作がはじまった。
始まったはいいが、ポピュラーな素材のいちごだと味が単調になってしまったりとなかなかいいものができず、作業は夜通し続くことになった。
真っ先に力なくå台の上に伏せて眠ってしまったのは、いちごだった。もうこんな時間かと樹は時計を見てはっとした。
気がついたら樫野がいちごの背中に上着をかけてやっていた。練習は中断かなあと安堂も欠伸をしている。
深夜に食べているから太るんだよなあと思いながらも、樹は試作品のヴェリーヌをスプーンで一すくい口に入れる。
食感を変えてメリハリをつけるのはいいアイデアだとみんなが頷いたので、樹が前に試作したチョコレートのヴェリーヌの構成を元にイチゴ味で統一したのだった。
「グラススイーツはこれで仕上がってるよね」
花房が横から樹の持っているグラスにスプーンを入れた。樹は少し驚いて半歩下がる。
「準決勝までもう日がないけど、悲観的にはならずにすみそうね」
「樹ちゃん的には微妙な進度ってこと?」
「んー、どうなのかしら。夏希さん達にあそこまでプレッシャーかけられたにしてはまあまあ・・・」
「へえ、樹ちゃんでもプレッシャーとか感じるんだ」
「なによちょっとそれどういう意味よ———」
「あっ」
花房が、ヒートアップしかけた樹の唇に人差し指を当てた。
樹は思わず怯んだように黙り込み、ふと周りをうかがった。
安堂が、調理台に背を預けてしゃがみこんだまま寝ている。
樫野もいちごの様子を見ている内に限界が来たようで、その隣に伏していた。
「静かにしないと———ね?」
「・・・気安く触れていいところじゃありません」
樹は花房の腕を払いのけて、少しだけ彼に睨みをきかせると、ふいと背を向けて自分も調理台の影に隠れてうずくまってしまった。
花房は思わず隣まで追おうとしたが、樹の威嚇するような視線を思い出して踏みとどまった。
「・・・警戒されちゃったかな」
調理室に自分以外動いている者がいなくなったというところで、花房ももう寝て体力を温存するしかない。
花房は入り口に向かって電気を消してから、自分もみんながいる辺りの調理台に伏した。
(ああ駄目だ、なんか寝れないかも)
指先に樹の唇の感触がまだ残っている気がした。
「みんな、起きて!起きてってば!」
「なんだ、良い気持ちで寝てたのに・・・」
気がつけば肌寒い朝がやってきていた。
樹たちを起こしたのは一番起きのいちごの声だった。
「それどころじゃないでしょ!あのね!」
いちごの口から飛び出したアイデアに、三人は寝起きだということも忘れて瞬く間に目を輝かせた。
始まったはいいが、ポピュラーな素材のいちごだと味が単調になってしまったりとなかなかいいものができず、作業は夜通し続くことになった。
真っ先に力なくå台の上に伏せて眠ってしまったのは、いちごだった。もうこんな時間かと樹は時計を見てはっとした。
気がついたら樫野がいちごの背中に上着をかけてやっていた。練習は中断かなあと安堂も欠伸をしている。
深夜に食べているから太るんだよなあと思いながらも、樹は試作品のヴェリーヌをスプーンで一すくい口に入れる。
食感を変えてメリハリをつけるのはいいアイデアだとみんなが頷いたので、樹が前に試作したチョコレートのヴェリーヌの構成を元にイチゴ味で統一したのだった。
「グラススイーツはこれで仕上がってるよね」
花房が横から樹の持っているグラスにスプーンを入れた。樹は少し驚いて半歩下がる。
「準決勝までもう日がないけど、悲観的にはならずにすみそうね」
「樹ちゃん的には微妙な進度ってこと?」
「んー、どうなのかしら。夏希さん達にあそこまでプレッシャーかけられたにしてはまあまあ・・・」
「へえ、樹ちゃんでもプレッシャーとか感じるんだ」
「なによちょっとそれどういう意味よ———」
「あっ」
花房が、ヒートアップしかけた樹の唇に人差し指を当てた。
樹は思わず怯んだように黙り込み、ふと周りをうかがった。
安堂が、調理台に背を預けてしゃがみこんだまま寝ている。
樫野もいちごの様子を見ている内に限界が来たようで、その隣に伏していた。
「静かにしないと———ね?」
「・・・気安く触れていいところじゃありません」
樹は花房の腕を払いのけて、少しだけ彼に睨みをきかせると、ふいと背を向けて自分も調理台の影に隠れてうずくまってしまった。
花房は思わず隣まで追おうとしたが、樹の威嚇するような視線を思い出して踏みとどまった。
「・・・警戒されちゃったかな」
調理室に自分以外動いている者がいなくなったというところで、花房ももう寝て体力を温存するしかない。
花房は入り口に向かって電気を消してから、自分もみんながいる辺りの調理台に伏した。
(ああ駄目だ、なんか寝れないかも)
指先に樹の唇の感触がまだ残っている気がした。
「みんな、起きて!起きてってば!」
「なんだ、良い気持ちで寝てたのに・・・」
気がつけば肌寒い朝がやってきていた。
樹たちを起こしたのは一番起きのいちごの声だった。
「それどころじゃないでしょ!あのね!」
いちごの口から飛び出したアイデアに、三人は寝起きだということも忘れて瞬く間に目を輝かせた。