25話 南国の風
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サロン・ド・マリーを出た後に、ルミとかなこに頼んでいちご達はフルーツを集めてきてもらった。手伝いを任されて張り切った二人はなかなかの量を段ボールに詰め込んでその夜にすっかり一同の根城になっている調理室へ持って来てくれた。
「二人とも、お疲れさま。ありがとう」
「すごいでしょ?」
「大変やったでー!」
「助かるなあ!」
女子二人を相手に花房がここぞというばかりに前に出て、全てを自分が受け止めるかのようなポーズをとり、キラキラとしたオーラを纏った。
「どうもありがとう・・・」
二人はそれを華麗にスルーして、両脇に立っているいちごと安堂に「どうぞ」と渡した。キラキラオーラを持て余したまま直立している花房の姿に、樹と樫野は吹き出した。
二人が帰り、樹たちは段ボールの中身を全て台の上にひっくり返してみた。女子が軽々と持って来た割に量がある。
「さて、どうするかな、プチ王子くん?」
「うるせえ、眼鏡王子」
「とりあえず各自で作ってみたらどうかな?」
五人はとりあえず手を動かしはじめた。
花房はリンゴのタルトとシャーベット、シャンパンワインのグラススイーツだ。樫野はぶどうとチョコケーキ、ワインシャーベットのグラススイーツ。安堂が柿と栗の地味な色合いの組み合わせでタルトやマカロン、モンブランなどを手がけた。樹がアイス添えブラックチェリーのタルトに、食感が様々なチョコレートのヴェリーヌと続いた。
「天野は?」
「あっ、うん!マンゴースイーツにオレンジのサバランを浮かべて、パインのアイスを添えてみたの!太陽のイメージで!」
「ダメでしょ!チーム夏希相手にトロピカルじゃ!」
スピリッツ達が一斉につっこみを入れる。いちごも「だよね」と力なく応えた。
「まあまあ、とにかく食べてみようよ」
カトラリーを用意した五人は手当り次第に試食をはじめた。
「花房のは、見かけはきれいだけど味にインパクトがない」
「樫野こそ、インパクト狙ったのかもしれないけどくどいよ。調和してない」
「なんだと!」
二人が口げんかをはじめる中、いちごはマイペースだ。
「樹ちゃんのタルトも安堂君の柿マカロンもおいしい!」
「あのねえ、美味しいのは当たり前なのよ」
「まあまあ、天野さんの太陽も食べてみようよ」
何となく後回しになっていたいちごの作品に手をつけて、四人は思わずはっとした。荒削りだが味にパンチがあり、オレンジの酸味とマンゴーソースがマッチして刺激的で爽やかだ。「太陽」のイメージが素直に伝わって来る。
いけるんじゃないかと安堂が楽しそうに言った。
「・・・チーム夏希の作品、見られないかな・・・」
「学園の作品データにあるかも」
五人がパソコンを調達して調べてみると、画面いっぱいに迫力満点のフルーツ達が映し出された。見るからにいちごの作品とは比べ物にならない。
「リボン乳業デザートコンテスト金賞『サンシャインシャワー』、見た目の美しさ、トロピカルフルーツの味を最大限に活かす力量が高く評価された」
やはり、トロピカルフルーツで対決するのは不利だった。
対抗できるようなフルーツを探すのにも難儀しそうだったが、迷走しないように樫野の提案で先ほどのいちごのように「テーマ」を決めようということになった。味のイメージもしやすくなるはずだ。
「期待してるぜ、リーダー。チームいちごの名前はだてじゃないんだろ?」
樫野はいちごに向かって言う。
この試合は今までにも増して熾烈な争いになる予感がしていた。
「二人とも、お疲れさま。ありがとう」
「すごいでしょ?」
「大変やったでー!」
「助かるなあ!」
女子二人を相手に花房がここぞというばかりに前に出て、全てを自分が受け止めるかのようなポーズをとり、キラキラとしたオーラを纏った。
「どうもありがとう・・・」
二人はそれを華麗にスルーして、両脇に立っているいちごと安堂に「どうぞ」と渡した。キラキラオーラを持て余したまま直立している花房の姿に、樹と樫野は吹き出した。
二人が帰り、樹たちは段ボールの中身を全て台の上にひっくり返してみた。女子が軽々と持って来た割に量がある。
「さて、どうするかな、プチ王子くん?」
「うるせえ、眼鏡王子」
「とりあえず各自で作ってみたらどうかな?」
五人はとりあえず手を動かしはじめた。
花房はリンゴのタルトとシャーベット、シャンパンワインのグラススイーツだ。樫野はぶどうとチョコケーキ、ワインシャーベットのグラススイーツ。安堂が柿と栗の地味な色合いの組み合わせでタルトやマカロン、モンブランなどを手がけた。樹がアイス添えブラックチェリーのタルトに、食感が様々なチョコレートのヴェリーヌと続いた。
「天野は?」
「あっ、うん!マンゴースイーツにオレンジのサバランを浮かべて、パインのアイスを添えてみたの!太陽のイメージで!」
「ダメでしょ!チーム夏希相手にトロピカルじゃ!」
スピリッツ達が一斉につっこみを入れる。いちごも「だよね」と力なく応えた。
「まあまあ、とにかく食べてみようよ」
カトラリーを用意した五人は手当り次第に試食をはじめた。
「花房のは、見かけはきれいだけど味にインパクトがない」
「樫野こそ、インパクト狙ったのかもしれないけどくどいよ。調和してない」
「なんだと!」
二人が口げんかをはじめる中、いちごはマイペースだ。
「樹ちゃんのタルトも安堂君の柿マカロンもおいしい!」
「あのねえ、美味しいのは当たり前なのよ」
「まあまあ、天野さんの太陽も食べてみようよ」
何となく後回しになっていたいちごの作品に手をつけて、四人は思わずはっとした。荒削りだが味にパンチがあり、オレンジの酸味とマンゴーソースがマッチして刺激的で爽やかだ。「太陽」のイメージが素直に伝わって来る。
いけるんじゃないかと安堂が楽しそうに言った。
「・・・チーム夏希の作品、見られないかな・・・」
「学園の作品データにあるかも」
五人がパソコンを調達して調べてみると、画面いっぱいに迫力満点のフルーツ達が映し出された。見るからにいちごの作品とは比べ物にならない。
「リボン乳業デザートコンテスト金賞『サンシャインシャワー』、見た目の美しさ、トロピカルフルーツの味を最大限に活かす力量が高く評価された」
やはり、トロピカルフルーツで対決するのは不利だった。
対抗できるようなフルーツを探すのにも難儀しそうだったが、迷走しないように樫野の提案で先ほどのいちごのように「テーマ」を決めようということになった。味のイメージもしやすくなるはずだ。
「期待してるぜ、リーダー。チームいちごの名前はだてじゃないんだろ?」
樫野はいちごに向かって言う。
この試合は今までにも増して熾烈な争いになる予感がしていた。