25話 南国の風
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三人は割と好き勝手に買い物を楽しんだが、いちごと樫野が抜けたら何となく店を出るタイミングや歩調が、誰が声をかけずとも統一されている感覚がした。
厳選したローズティーの缶が入った紙袋を満足そうに見つめていた花房はその感覚に違和感を感じたらしい。
「・・・樹ちゃんって、一人だと割と空気読める方?」
「なによ、出し抜けに失礼な。普段私が空気読めてないっていいたいの?」
暑いからチョコレートはパスだなとショーウインドウから目をそらした樹は彼の言葉に噛み付いた。
「そうじゃないけど。樫野はたまに空気読めないんだよね。鈍感だったり。そこはちょっといちごちゃんに似てるかも」
花房の言葉に樹は首をひねる。
樫野といちごに似ている部分などあっただろうか。
「そういえばあいつ、まっすぐ突進型って感じだよね。そこも天野さんっぽいかも」
「なんとなくフォロー役っぽいことしてるものね、あなた達」
「僕ってリーダー向きじゃないのかもな。チームいちごも、天野さんがリーダーで樫野が副リーダーって感じだし」
「そうだよね、そこは僕も思ってる」
「東堂さんはどう?リーダー型かフォロー型だったら」
「そうねえ・・・」
樹は考える。
もともとワンマン主義よりの考えを持っていた自分は、他人を指揮してついてこさせる方が性にあっている気がしていた。
けれど、ここに来てみんなと会ってからは、一歩引いたり口添えをしたりすることも少なくない。
そういう部分はこの二人からも影響を受けていたのかもしれない。
「私、このチームいいと思うわ」
樹は言った。
きっと、私たちは型にはまってなんかいない。
「みんながみんなのフォローをできるし、アイデアのある人は誰でもリーダーになれる。もともとの性格なんて関係なくて、その時々の仲間との関係性で役割は変わって行くわ。そんな自然なチームの中でリーダー型とかフォロー型とか気にしなくていいんじゃないかしら」
花房と安堂は、樹の言葉に思わず顔を見合わせた。
その物言いは影からフォローしているようでいて、自信に満ちあふれた態度がやけに眩しい。
「そうだね、僕もこのチームが好きだな」
「僕もそう思うよ」
樹は少し満足げに小さく笑みを浮かべた。
眩しいな、と花房は秘かに呟いた。
厳選したローズティーの缶が入った紙袋を満足そうに見つめていた花房はその感覚に違和感を感じたらしい。
「・・・樹ちゃんって、一人だと割と空気読める方?」
「なによ、出し抜けに失礼な。普段私が空気読めてないっていいたいの?」
暑いからチョコレートはパスだなとショーウインドウから目をそらした樹は彼の言葉に噛み付いた。
「そうじゃないけど。樫野はたまに空気読めないんだよね。鈍感だったり。そこはちょっといちごちゃんに似てるかも」
花房の言葉に樹は首をひねる。
樫野といちごに似ている部分などあっただろうか。
「そういえばあいつ、まっすぐ突進型って感じだよね。そこも天野さんっぽいかも」
「なんとなくフォロー役っぽいことしてるものね、あなた達」
「僕ってリーダー向きじゃないのかもな。チームいちごも、天野さんがリーダーで樫野が副リーダーって感じだし」
「そうだよね、そこは僕も思ってる」
「東堂さんはどう?リーダー型かフォロー型だったら」
「そうねえ・・・」
樹は考える。
もともとワンマン主義よりの考えを持っていた自分は、他人を指揮してついてこさせる方が性にあっている気がしていた。
けれど、ここに来てみんなと会ってからは、一歩引いたり口添えをしたりすることも少なくない。
そういう部分はこの二人からも影響を受けていたのかもしれない。
「私、このチームいいと思うわ」
樹は言った。
きっと、私たちは型にはまってなんかいない。
「みんながみんなのフォローをできるし、アイデアのある人は誰でもリーダーになれる。もともとの性格なんて関係なくて、その時々の仲間との関係性で役割は変わって行くわ。そんな自然なチームの中でリーダー型とかフォロー型とか気にしなくていいんじゃないかしら」
花房と安堂は、樹の言葉に思わず顔を見合わせた。
その物言いは影からフォローしているようでいて、自信に満ちあふれた態度がやけに眩しい。
「そうだね、僕もこのチームが好きだな」
「僕もそう思うよ」
樹は少し満足げに小さく笑みを浮かべた。
眩しいな、と花房は秘かに呟いた。