23話 校外活動!
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五人が訪れた「ニコニコ牧場」は、海に面した爽やかで心地の良い場所だった。当然聖マリーがある山奥からはかなりの距離があるので、五人は五時起きだ。
「・・・随分人がいるな」
「ここは、観光客向けの施設がある牧場だからね」
「いまどきこんなに需要があるなんて・・・」
広大な敷地の芝の上には数多の牛や馬が放たれており、家族連れなどが彼らを見たり触れたりしている。一方、いちごは俯いて、沸き上がる何かに耐えていた。
「・・・どうした、天野?」
「きゃーっ!絞りたてソフトクリーム!できたてジェラート!新鮮ヨーグルト!どうしよう!どれから食べよう!」
「こら、天野!食べ歩きに来たんじゃねえぞ!」
一気に喜びを爆発させたいちごは売店の前で騒ぎ立てる。
「あはは、天野さんらしいね」
「あの子、昨日嬉々としてお小遣いを集めていたもの」
そのとき、華麗な笑い声と共に、一頭の白馬が三人の横に並んだ。樹は反射的に後ろに跳んで距離を置いた。
「僕って・・・バラも似合うけど、乗馬もすごく似合うよね?」
どこから調達したのか、バラ色の乗馬服に身を包んだ花房が、白馬の上でドヤ顔を決めた。三人は呆然とする。
花房はバラのオーラをまき散らして駆けていく。白馬の王子だ、と若い女性が集まってはやし立てている。花房が彼女らに投げキッスを送ると、いっそう黄色い声があがった。
「・・・どいつもこいつも、ここに来た目的忘れてんじゃねえか?」
「ほんと、しかも勉強が必要な子と言い出しっぺがって・・・」
樫野と樹が不満げに漏らしていると、笑顔を浮かべた飼育員のお姉さんが、樫野の前に羊のエサを差し出した。
「はい、ボクもどうぞ!」
「・・・誰がボクが!俺は中二だ!」
「あら、ごめんなさい・・・」
「チビだからってなあ・・・」
飼育員に一言物申そうとした樫野に、後ろから羊が体当たりして来た。樫野は、試しにもらったエサを与えてみる。もこもことした羊はむしゃむしゃと牧草ブロックを頬張りだした。これには樫野の頬も緩む。
「か、かわいいじゃねえか・・・」
その途端、一斉にわらわらと羊が寄って来て、樫野が「順番に」と叫ぶ声も虚しく、樫野を突き飛ばしてエサにありついた。
「あはは、羊にもモテモテじゃないか!・・・あれ、東堂さん?」
樹は気がついたら猛スピードで草原を駆け抜けて遠くへ行ってしまっていた。
「元気だなあ・・・僕はゆっくり散歩でもしようかな」
安堂は笑うと、のんびりと歩き出したのだった。
「・・・随分人がいるな」
「ここは、観光客向けの施設がある牧場だからね」
「いまどきこんなに需要があるなんて・・・」
広大な敷地の芝の上には数多の牛や馬が放たれており、家族連れなどが彼らを見たり触れたりしている。一方、いちごは俯いて、沸き上がる何かに耐えていた。
「・・・どうした、天野?」
「きゃーっ!絞りたてソフトクリーム!できたてジェラート!新鮮ヨーグルト!どうしよう!どれから食べよう!」
「こら、天野!食べ歩きに来たんじゃねえぞ!」
一気に喜びを爆発させたいちごは売店の前で騒ぎ立てる。
「あはは、天野さんらしいね」
「あの子、昨日嬉々としてお小遣いを集めていたもの」
そのとき、華麗な笑い声と共に、一頭の白馬が三人の横に並んだ。樹は反射的に後ろに跳んで距離を置いた。
「僕って・・・バラも似合うけど、乗馬もすごく似合うよね?」
どこから調達したのか、バラ色の乗馬服に身を包んだ花房が、白馬の上でドヤ顔を決めた。三人は呆然とする。
花房はバラのオーラをまき散らして駆けていく。白馬の王子だ、と若い女性が集まってはやし立てている。花房が彼女らに投げキッスを送ると、いっそう黄色い声があがった。
「・・・どいつもこいつも、ここに来た目的忘れてんじゃねえか?」
「ほんと、しかも勉強が必要な子と言い出しっぺがって・・・」
樫野と樹が不満げに漏らしていると、笑顔を浮かべた飼育員のお姉さんが、樫野の前に羊のエサを差し出した。
「はい、ボクもどうぞ!」
「・・・誰がボクが!俺は中二だ!」
「あら、ごめんなさい・・・」
「チビだからってなあ・・・」
飼育員に一言物申そうとした樫野に、後ろから羊が体当たりして来た。樫野は、試しにもらったエサを与えてみる。もこもことした羊はむしゃむしゃと牧草ブロックを頬張りだした。これには樫野の頬も緩む。
「か、かわいいじゃねえか・・・」
その途端、一斉にわらわらと羊が寄って来て、樫野が「順番に」と叫ぶ声も虚しく、樫野を突き飛ばしてエサにありついた。
「あはは、羊にもモテモテじゃないか!・・・あれ、東堂さん?」
樹は気がついたら猛スピードで草原を駆け抜けて遠くへ行ってしまっていた。
「元気だなあ・・・僕はゆっくり散歩でもしようかな」
安堂は笑うと、のんびりと歩き出したのだった。