22話 世界を繋ぐ絆
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「あなたたち、何やってるの!」
「わっ、本物!」
みんなが寸劇によって晒された自分のかつての苦手を練習していると、入り口から飴屋先生が入って来た。思わず不躾な声をあげたいちごにけげんな表情をしている。
いちごは慌てて謝った。
「あの、すみません!先生のアドバイス、無視しちゃって・・・!」
「いいのよ、みんな思い出してくれたみたいだから」
「と、当然ですよ!」
みんなの練習内容を見て穏やかな笑みを浮かべた先生に、花房がさらりと言ってのける。きまりが悪いのが微妙に拭いきれておらず、樹は少し可笑しくなった。
「じゃあ、東堂さんも苦手の練習を?」
「私は特には」
先生の目が自分に向き、樹は飴細工で作ったバラをのぞかせながらすました声で言った。
その様子に、四人は短く笑う。
「よく言うぜ」
「ほんと、樹ちゃんってプライド高いよね?」
「何よ、ここに編入するまでちゃんと下積みして来たんだから文句言わないでよね!」
樹の言っていることは怒っているようだが、悪戯っぽく口角が上がっている。
安堂が先生に尋ねた。
「・・・ところで、なんで僕たちが失敗した時と同じ授業を?」
「グランプリのことは忘れなさいって、先生言ったわよね?」
「・・・はい」
「実は先生も昔、グランプリに出たことがあるの」
先生はそう告白した。そういえば天王寺が言っていたと樹は思い出す。
「高等部一年の時にね、初出場でなんとか準決勝を突破したんだけど・・・。ものすごいプレッシャーで、授業をきいてる余裕なんて無かったわ」
同じだ、と五人は気づく。
「だけど、決勝でその時の授業で習ったはずのテンパリングができなくて・・・。きちんと授業を聞いていれば、練習していれば、あの失敗はしなかったかもしれないって後悔したわ」
飴屋先生にはそんな悔しい思い出が今でも心に染み付いていたのだ。
「だから、気づいてほしかったの。グランプリに優勝して、パリに行くことが全てじゃない。一番大切なのは、授業で学んだことをしっかり身につけて、苦手な分野を克服して、自分を磨いていくこと。そうすれば、どんな場面でも、グランプリの決勝でも、きっと平常心でクリアできるわ」
「飴屋先生・・・!」
「そこまで考えてくれたんですか・・・」
「まあ、その割には天野さんはあまり進歩がないようですけど」
飴屋先生は、バニラが魔法で出した焦げたクレープを見てそういった。慌てていちごはわざとですと弁明する。
しばらくスピリッツ達の方を眺めて、それから樹を見たいちごは、はっと大声を出した。
「そっか・・・こういうのが絆かも!分かったよ、みんな!テーマ『絆』で何を作ればいいのか!」
「わっ、本物!」
みんなが寸劇によって晒された自分のかつての苦手を練習していると、入り口から飴屋先生が入って来た。思わず不躾な声をあげたいちごにけげんな表情をしている。
いちごは慌てて謝った。
「あの、すみません!先生のアドバイス、無視しちゃって・・・!」
「いいのよ、みんな思い出してくれたみたいだから」
「と、当然ですよ!」
みんなの練習内容を見て穏やかな笑みを浮かべた先生に、花房がさらりと言ってのける。きまりが悪いのが微妙に拭いきれておらず、樹は少し可笑しくなった。
「じゃあ、東堂さんも苦手の練習を?」
「私は特には」
先生の目が自分に向き、樹は飴細工で作ったバラをのぞかせながらすました声で言った。
その様子に、四人は短く笑う。
「よく言うぜ」
「ほんと、樹ちゃんってプライド高いよね?」
「何よ、ここに編入するまでちゃんと下積みして来たんだから文句言わないでよね!」
樹の言っていることは怒っているようだが、悪戯っぽく口角が上がっている。
安堂が先生に尋ねた。
「・・・ところで、なんで僕たちが失敗した時と同じ授業を?」
「グランプリのことは忘れなさいって、先生言ったわよね?」
「・・・はい」
「実は先生も昔、グランプリに出たことがあるの」
先生はそう告白した。そういえば天王寺が言っていたと樹は思い出す。
「高等部一年の時にね、初出場でなんとか準決勝を突破したんだけど・・・。ものすごいプレッシャーで、授業をきいてる余裕なんて無かったわ」
同じだ、と五人は気づく。
「だけど、決勝でその時の授業で習ったはずのテンパリングができなくて・・・。きちんと授業を聞いていれば、練習していれば、あの失敗はしなかったかもしれないって後悔したわ」
飴屋先生にはそんな悔しい思い出が今でも心に染み付いていたのだ。
「だから、気づいてほしかったの。グランプリに優勝して、パリに行くことが全てじゃない。一番大切なのは、授業で学んだことをしっかり身につけて、苦手な分野を克服して、自分を磨いていくこと。そうすれば、どんな場面でも、グランプリの決勝でも、きっと平常心でクリアできるわ」
「飴屋先生・・・!」
「そこまで考えてくれたんですか・・・」
「まあ、その割には天野さんはあまり進歩がないようですけど」
飴屋先生は、バニラが魔法で出した焦げたクレープを見てそういった。慌てていちごはわざとですと弁明する。
しばらくスピリッツ達の方を眺めて、それから樹を見たいちごは、はっと大声を出した。
「そっか・・・こういうのが絆かも!分かったよ、みんな!テーマ『絆』で何を作ればいいのか!」