22話 世界を繋ぐ絆
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樫野達は、ホワイトボードを囲んでアイデア出しをしようとしているところだった。
「ほら、樹、行って!」
「本当に行くの?なんで私がこんなコントしなきゃいけないのよ」
「だって人数が足りないですー!」
「チームのためだと思って!」
樹は嘆息して、ずかずかと調理室に入った。
「こら、Aグループ!こんなところで何をしてるの!」
四人はその姿に口をぱくぱくさせた。教師用の青いタイのパティシエ服に後ろ髪をお団子にまとめて、眼鏡をかけているのだ。ご丁寧にクリップボードまで小脇に抱えて、樹は妙に威厳のある険しい表情をしていた。
「先生のアドバイスを無視するとは、良い度胸ね!」
「・・・東堂?何やってんだお前、そんなコスプレして・・・」
「私は東堂樹じゃないわ。飴屋先生よ」
樹は言い切ってから、自分で何をしているんだろうと思った。
「忘れっぽい皆さんに、今からいいものを見せてあげますわ!」
揃いのパティシエ服を着込んだスピリッツ達は、スプーンを振って調理台の上にスピリッツサイズの同じものをこしらえた。バニラがそこに立ち、クレープパンに生地を流し込む。
「できないよー!ミルクレープなんて作ったこと無いのにー!」
バニラがもう一度スプーンを振ると、皿の上に焦げたミルクレープが乗った。
「天野さん、あなたふざけてるの?Aグループ、マイナス10点」
「う・・・っ!」
いちごの転校初日を再現した寸劇に、樫野達は吹き出す。
「ははは、何してるの?」
「本物より怖いぞ・・・」
「お次はカフェ!」
役が交代され、カフェがチョコプレートに流暢な横文字を書いた。
「Happy Birthday, baby・・・っと!」
「花房くん、今日はひらがなの練習ですよ」
「おかまいなく。僕はこちらの方が好みなので」
「そういう問題じゃありません。子どもには読めないでしょう」
「・・・っ!」
花房はその光景に思い当たる節があるらしい。顔を引きつらせた。
「よし、これでデザインは完璧だ・・・!」
続いて、ショコラはスケッチブックに細密なデッサンを描いて腕組みする。
「樫野くん!チョコ細工じゃありませんよ!そんな細かい模様はマジパンで作れません!」
樫野も同様に青ざめていく。最後はキャラメルだ。
「このクリーム・・・あんこみたいにあたためてみたらどうかな・・・?」
生クリームのボウルを湯煎にかけようとするキャラメルを、樹が鋭く指で射抜いた。
「何してるの、安堂君!クリームが分離しちゃいます!」
「ぎゃーっ!」
ひととおり黒歴史を演じた後、樹は眼鏡を外した。
「・・・心当たりがあるんじゃない?」
「心当たりも何も・・・」
「今の、僕たちが飴屋先生に叱られた時のだよね・・・」
「キャラメル達はみんな見てたです!」
スピリッツ達はパートナーににっこり笑いかける。樫野はきまりが悪く、樹に目を向けた。
「何でお前は高みの見物なんだよ。恥ずかしい失敗の一つや二つお前も吐けよ」
「嫌よ、私はちゃんと気づいたもの。先生の前で、技術面での失敗をさらしたことはありません」
樹は得意げに胸を張る。
「おばあちゃんの修行の賜物ね」
「樹ちゃんのおばあちゃんが教えてくれたらいいんだけどなあ・・・恥ずかしい失敗」
「まあいいだろ。こいつは最初実習外で色々問題になってたんだから。先生の手、煩わせまくり」
「うるさい」
樫野の言葉に、樹はぎろりとそちらを睨んだ。
「ほら、樹、行って!」
「本当に行くの?なんで私がこんなコントしなきゃいけないのよ」
「だって人数が足りないですー!」
「チームのためだと思って!」
樹は嘆息して、ずかずかと調理室に入った。
「こら、Aグループ!こんなところで何をしてるの!」
四人はその姿に口をぱくぱくさせた。教師用の青いタイのパティシエ服に後ろ髪をお団子にまとめて、眼鏡をかけているのだ。ご丁寧にクリップボードまで小脇に抱えて、樹は妙に威厳のある険しい表情をしていた。
「先生のアドバイスを無視するとは、良い度胸ね!」
「・・・東堂?何やってんだお前、そんなコスプレして・・・」
「私は東堂樹じゃないわ。飴屋先生よ」
樹は言い切ってから、自分で何をしているんだろうと思った。
「忘れっぽい皆さんに、今からいいものを見せてあげますわ!」
揃いのパティシエ服を着込んだスピリッツ達は、スプーンを振って調理台の上にスピリッツサイズの同じものをこしらえた。バニラがそこに立ち、クレープパンに生地を流し込む。
「できないよー!ミルクレープなんて作ったこと無いのにー!」
バニラがもう一度スプーンを振ると、皿の上に焦げたミルクレープが乗った。
「天野さん、あなたふざけてるの?Aグループ、マイナス10点」
「う・・・っ!」
いちごの転校初日を再現した寸劇に、樫野達は吹き出す。
「ははは、何してるの?」
「本物より怖いぞ・・・」
「お次はカフェ!」
役が交代され、カフェがチョコプレートに流暢な横文字を書いた。
「Happy Birthday, baby・・・っと!」
「花房くん、今日はひらがなの練習ですよ」
「おかまいなく。僕はこちらの方が好みなので」
「そういう問題じゃありません。子どもには読めないでしょう」
「・・・っ!」
花房はその光景に思い当たる節があるらしい。顔を引きつらせた。
「よし、これでデザインは完璧だ・・・!」
続いて、ショコラはスケッチブックに細密なデッサンを描いて腕組みする。
「樫野くん!チョコ細工じゃありませんよ!そんな細かい模様はマジパンで作れません!」
樫野も同様に青ざめていく。最後はキャラメルだ。
「このクリーム・・・あんこみたいにあたためてみたらどうかな・・・?」
生クリームのボウルを湯煎にかけようとするキャラメルを、樹が鋭く指で射抜いた。
「何してるの、安堂君!クリームが分離しちゃいます!」
「ぎゃーっ!」
ひととおり黒歴史を演じた後、樹は眼鏡を外した。
「・・・心当たりがあるんじゃない?」
「心当たりも何も・・・」
「今の、僕たちが飴屋先生に叱られた時のだよね・・・」
「キャラメル達はみんな見てたです!」
スピリッツ達はパートナーににっこり笑いかける。樫野はきまりが悪く、樹に目を向けた。
「何でお前は高みの見物なんだよ。恥ずかしい失敗の一つや二つお前も吐けよ」
「嫌よ、私はちゃんと気づいたもの。先生の前で、技術面での失敗をさらしたことはありません」
樹は得意げに胸を張る。
「おばあちゃんの修行の賜物ね」
「樹ちゃんのおばあちゃんが教えてくれたらいいんだけどなあ・・・恥ずかしい失敗」
「まあいいだろ。こいつは最初実習外で色々問題になってたんだから。先生の手、煩わせまくり」
「うるさい」
樫野の言葉に、樹はぎろりとそちらを睨んだ。