21話 王子様御一行
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完成したケーキは、グランドピアノを象った白が基調の美しいケーキだった。飴細工やチョコレート細工に包まれた豪華な一品は、ご家庭のキッチンから運ばれて来たとは思えない出来栄えである。
「すごーい!」
「グランドピアノのケーキだったんだ!」
「プロ並みじゃないか!」
「食べるのがもったいないわね!」
天野家の四人は口々に感想を漏らしてケーキを見つめた。なつめは、ピアノの前に座っている自分のマジパン人形に気づいて目を瞬かせる。
「なつめちゃんの為に、心を込めて作ったんだよ」
「ありがとう!」
「よかったね、なつめ!」
「うん!」
四人は遠慮がちにフォークを入れたが、思わず舌を巻く。鍵盤は安堂の担当で求肥とこしあんが使われている。メインのホワイトチョコレートケーキはもちろん樫野だ。樹が焼いた焦げ目の微妙に異なるガレットがピアノと花房のバラ園を囲んでいる。花房は、今回得意の飴細工とマジパン人形を担当していた。
「人形は食べずにとっとく!」
なつめは、ひとしきり感心してから、それを大事そうに手のひらにのせて言った。花房が嬉しそうに微笑む。
「スイーツ王子さん達、ありがとう!」
「どういたしまして」
「喜んでもらえて嬉しいよ」
なつめはお礼を言った後、いちごの方を向いた。
「お姉ちゃん、こんなおいしいケーキを作れるスイーツ王子さん達に混じって頑張ってるなんて、尊敬しちゃうよ!」
「尊敬なんて・・・」
「ううん、すごいよ!私、努力してピアノ続ける!」
「なつめ・・・」
その言葉に両親は嬉しそうに息を吐く。いちごは、瞳を潤ませて再び立ち上がってくれたなつめを抱き寄せた。
「なつめなら、大丈夫だよ・・・絶対上手くなれるよ!」
「・・・お姉ちゃん」
その言葉になつめも涙をにじませる。抱き合う姉妹を、四人はしばらくの間見守っていた。
「すごーい!」
「グランドピアノのケーキだったんだ!」
「プロ並みじゃないか!」
「食べるのがもったいないわね!」
天野家の四人は口々に感想を漏らしてケーキを見つめた。なつめは、ピアノの前に座っている自分のマジパン人形に気づいて目を瞬かせる。
「なつめちゃんの為に、心を込めて作ったんだよ」
「ありがとう!」
「よかったね、なつめ!」
「うん!」
四人は遠慮がちにフォークを入れたが、思わず舌を巻く。鍵盤は安堂の担当で求肥とこしあんが使われている。メインのホワイトチョコレートケーキはもちろん樫野だ。樹が焼いた焦げ目の微妙に異なるガレットがピアノと花房のバラ園を囲んでいる。花房は、今回得意の飴細工とマジパン人形を担当していた。
「人形は食べずにとっとく!」
なつめは、ひとしきり感心してから、それを大事そうに手のひらにのせて言った。花房が嬉しそうに微笑む。
「スイーツ王子さん達、ありがとう!」
「どういたしまして」
「喜んでもらえて嬉しいよ」
なつめはお礼を言った後、いちごの方を向いた。
「お姉ちゃん、こんなおいしいケーキを作れるスイーツ王子さん達に混じって頑張ってるなんて、尊敬しちゃうよ!」
「尊敬なんて・・・」
「ううん、すごいよ!私、努力してピアノ続ける!」
「なつめ・・・」
その言葉に両親は嬉しそうに息を吐く。いちごは、瞳を潤ませて再び立ち上がってくれたなつめを抱き寄せた。
「なつめなら、大丈夫だよ・・・絶対上手くなれるよ!」
「・・・お姉ちゃん」
その言葉になつめも涙をにじませる。抱き合う姉妹を、四人はしばらくの間見守っていた。