21話 王子様御一行
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近所で手早く材料を調達して、四人は天野家のキッチンを占領した。
「なんだか、この四人でスイーツを作るのって久しぶりだね!」
「そうそう、転校して来てすぐのバースデーケーキ以来かも」
「あの時はなんていうかお通夜みたいだったけどな。主にこいつのせいで」
「言ったわね。私も悪いけどみんなも悪いのよ。責任は四分の一ずつよ」
樫野と樹は相変わらず互いに手厳しい言葉が飛び交っているが、本気で相手を弾圧しようとしているかのような気迫は感じられなくなっていた。
端的に言って、仲良さそうだ。花房と安堂は思わず顔を見合わせて笑みを漏らした。
一方、家族全員が一堂に会した天野家のリビングではにぎやかなことになっている。
「俺だって、学校ではメタボ王子って呼ばれてるんだぞ!」
「もう、パパ!」
「やめてよね、そのくだらない親父ギャグ!」
「ほんと、天野家の恥!」
どうやら父親は弱い立場にあるらしい。
天野家のヒエラルキーを思い浮かべながらも四人は作業を進める。しかし、何を皮切りとしたのか母と父が立ち上がって火花を散らしはじめたので気になってそちらに視線をやった。
「二人ともやめてよね!スイーツ王子さん達に笑われちゃうでしょ!」
夫婦の目が四人と合うと、二人は「失礼しました」と頭を下げる。愉快な家族だと思っていると、いちごとバニラが気になったらしくキッチンをのぞきに来た。
ショコラが敏感に察知して大声で知らせると、四人はそちらを睨んだ。
「な、なによ!ちょっとぐらい見せてくれてもいいじゃない・・・」
「駄目ー!」
四人は一斉に声を張り上げた。
「出来上がる前に知ったら、サプライズじゃなくなってつまんないだろ!」
「悪いけど、それまで大人しく待っててね」
「スポンジケーキがそろそろ焼き上がるわ」
「僕が見よう」
「ついでに形も整えてくれ」
「了解!」
四人はせっせと作業に戻ってしまう。いよいよ蚊帳の外のいちごがふてくされて戻ると、母親が興味津々に三人の中のお気に入りを尋ねはじめた。えらくオープンな母だ。
「ママはあの三人なら誰と結婚してもOKだから!」
「結婚!?パパは絶対反対だぞ!」
「いいじゃない!あんなにかっこいい息子ができるのよ!」
「ママ!何言って・・・」
「もう!二人ともやめてよ!」
いちごは恥ずかしくて大声を上げた。
「三人はチームメイトで!ケーキグランプリを一緒に戦ってる・・・そう、戦友よ!」
「・・・じゃあ、あの樹ちゃんは誰かしら・・・あの子、しっかりしてそうだから誰と結婚してもうまく扱ってそうじゃない?」
樹は初対面でなんだと思われているのだろうとげんなりする。三人は思わず吹き出した。
「いい加減にして!樹ちゃんだって同じだもん!五人で戦友なの!」
「戦友・・・ね。まあ、いいんじゃねえの」
「天野さんらしいね」
四人はいちごの言葉に笑みを漏らす。
「私も同じにされちゃった」
「当然でしょ。五人で戦友、間違いじゃない」
花房はにっこりと笑った。
「なんだか、この四人でスイーツを作るのって久しぶりだね!」
「そうそう、転校して来てすぐのバースデーケーキ以来かも」
「あの時はなんていうかお通夜みたいだったけどな。主にこいつのせいで」
「言ったわね。私も悪いけどみんなも悪いのよ。責任は四分の一ずつよ」
樫野と樹は相変わらず互いに手厳しい言葉が飛び交っているが、本気で相手を弾圧しようとしているかのような気迫は感じられなくなっていた。
端的に言って、仲良さそうだ。花房と安堂は思わず顔を見合わせて笑みを漏らした。
一方、家族全員が一堂に会した天野家のリビングではにぎやかなことになっている。
「俺だって、学校ではメタボ王子って呼ばれてるんだぞ!」
「もう、パパ!」
「やめてよね、そのくだらない親父ギャグ!」
「ほんと、天野家の恥!」
どうやら父親は弱い立場にあるらしい。
天野家のヒエラルキーを思い浮かべながらも四人は作業を進める。しかし、何を皮切りとしたのか母と父が立ち上がって火花を散らしはじめたので気になってそちらに視線をやった。
「二人ともやめてよね!スイーツ王子さん達に笑われちゃうでしょ!」
夫婦の目が四人と合うと、二人は「失礼しました」と頭を下げる。愉快な家族だと思っていると、いちごとバニラが気になったらしくキッチンをのぞきに来た。
ショコラが敏感に察知して大声で知らせると、四人はそちらを睨んだ。
「な、なによ!ちょっとぐらい見せてくれてもいいじゃない・・・」
「駄目ー!」
四人は一斉に声を張り上げた。
「出来上がる前に知ったら、サプライズじゃなくなってつまんないだろ!」
「悪いけど、それまで大人しく待っててね」
「スポンジケーキがそろそろ焼き上がるわ」
「僕が見よう」
「ついでに形も整えてくれ」
「了解!」
四人はせっせと作業に戻ってしまう。いよいよ蚊帳の外のいちごがふてくされて戻ると、母親が興味津々に三人の中のお気に入りを尋ねはじめた。えらくオープンな母だ。
「ママはあの三人なら誰と結婚してもOKだから!」
「結婚!?パパは絶対反対だぞ!」
「いいじゃない!あんなにかっこいい息子ができるのよ!」
「ママ!何言って・・・」
「もう!二人ともやめてよ!」
いちごは恥ずかしくて大声を上げた。
「三人はチームメイトで!ケーキグランプリを一緒に戦ってる・・・そう、戦友よ!」
「・・・じゃあ、あの樹ちゃんは誰かしら・・・あの子、しっかりしてそうだから誰と結婚してもうまく扱ってそうじゃない?」
樹は初対面でなんだと思われているのだろうとげんなりする。三人は思わず吹き出した。
「いい加減にして!樹ちゃんだって同じだもん!五人で戦友なの!」
「戦友・・・ね。まあ、いいんじゃねえの」
「天野さんらしいね」
四人はいちごの言葉に笑みを漏らす。
「私も同じにされちゃった」
「当然でしょ。五人で戦友、間違いじゃない」
花房はにっこりと笑った。