21話 王子様御一行
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「みんな、顔も良いしスイーツでも勉強でもトップクラス!こんなレベル高い人たちと同じグループに入れられちゃって、何度やめようって思ったことか・・・」
いちごの話はまだ続いている。
「そういえば、一回家に帰って来たことあったもんね・・・」
「そうそう!特に、ドSでデビルの樫野にはしょっちゅう怒られてさ!」
いちごは転校初日に樫野に「うちに帰れ」と怒鳴られた内容を語った。
「そんなひどいこと言うの!?」
「ほんっと、デビルでしょ!?」
「そうだね、ほんと怖そう・・・」
「怖いなんてもんじゃないよ!」
好き勝手にいういちごに腹を立てた樫野が出て行こうとして二人に抑えられる。バニラがその小さな騒ぎに気づいたが、にっこり笑って趣旨を理解してくれた。
「でも、バニラっていう大親友に出会えて、頑張ろうって思えるようになったんだ」
「バニラ・・・?外国人の生徒もいるんだ!」
「えっ?・・・あ、そうそう!」
バニラはいちごのごまかす姿に嬉しそうに笑った。いちごは楽しそうにバニラのおかげでスイーツ作りが楽しくなって、一緒に練習することで上手にできるようになっていったのだと語る。なつめもその様子に嬉しくなったようだった。
「なつめさ、諦めたらその時点でおしまいだよ。たしかにピアノは才能も大事だと思うけど、ほんとは続けることが一番の才能だと思うんだよね」
「お姉ちゃん・・・」
「その通りだ、天野!」
話に一区切りついたところで、満を持して樫野が声をあげた。四人がぞろぞろと出て来たのを見て、いちごは仰天して後ずさった。
「なんでここに!?」
いちごは高台の端まで後ずさり、柵に引っかかったもののバランスを崩してパニックになる。
「いちごちゃん!」
「大丈夫!?」
「大丈夫だと思います!お姉ちゃん、ああいうの慣れてるから」
なつめは少々興奮した様子で四人の前に立った。
「それより、スイーツ王子さん達ですか!?」
「そうだよ、なつめちゃん」
花房はなつめに美しい微笑みを見せると、バラの花の飴細工を挨拶代わりに一輪差し出した。常に持っているらしい。
「私に・・・?ありがとう!」
なつめがときめき気味に声を上擦らせている中、やっといちごが無事に帰って来た。死ぬところだったらしいが誰も心配していない。
なつめは目を輝かせて喚いた。
「お姉ちゃん!超イケメンに超美人じゃない!」
「そ・・・そうだけど・・・」
「こんな美形とスイーツ作ってたら、誰だって頑張れるよ!」
「顔とスイーツは関係ねえ!」
「わあっ!」
年下の女の子にも容赦しない樫野がいつもよりドスをきかせると、なつめは怖がっていちごにしがみついた。
「お姉ちゃん、怖い!デビルだ、デビルだ!」
「デビルで悪かったな!」
「ちょっと樫野!あたしのかわいい妹をいじめないでよね!」
「みっともないわね、樫野。大人げないのはその身長だけにしときなさいよ」
「こいつ・・・!また言いやがったな!」
「まあまあ・・・」
樹の毒舌に、なつめは「女王だ・・・」と呟く。その言葉を耳に入れた花房が吹き出した。
「天野さん、驚かせてごめん」
「どうしてここにいるの?」
「四人とも別行動だったんだけど、樫野から電話があってね・・・」
どうやらあと二人も同じ電話を受けていたらしい。そのことと、集合していちごの母に居場所をきいたことを話すと、いちごはばつが悪そうに尋ねた。
「じゃあ・・・あたしたちの話・・・・」
「ごめん、聞いちゃった」
「なかなか良いお姉ちゃんっぷりだったよ」
「いるならいるって言ってよね!」
いちごは顔を真っ赤にして喚いた。
なつめの相談に答えていたこともそうだけれど、四人のことを好きに言っていたことを聞かれていたと思うと顔から火が出るほど恥ずかしい。
「それより、少し四人で話していたんだけど、私たちもなつめちゃんたちのためにとっておきのスイーツを作ろうと思って」
樹は何食わぬ顔で言った。いちごとなつめは、思わずきょとんとした。
いちごの話はまだ続いている。
「そういえば、一回家に帰って来たことあったもんね・・・」
「そうそう!特に、ドSでデビルの樫野にはしょっちゅう怒られてさ!」
いちごは転校初日に樫野に「うちに帰れ」と怒鳴られた内容を語った。
「そんなひどいこと言うの!?」
「ほんっと、デビルでしょ!?」
「そうだね、ほんと怖そう・・・」
「怖いなんてもんじゃないよ!」
好き勝手にいういちごに腹を立てた樫野が出て行こうとして二人に抑えられる。バニラがその小さな騒ぎに気づいたが、にっこり笑って趣旨を理解してくれた。
「でも、バニラっていう大親友に出会えて、頑張ろうって思えるようになったんだ」
「バニラ・・・?外国人の生徒もいるんだ!」
「えっ?・・・あ、そうそう!」
バニラはいちごのごまかす姿に嬉しそうに笑った。いちごは楽しそうにバニラのおかげでスイーツ作りが楽しくなって、一緒に練習することで上手にできるようになっていったのだと語る。なつめもその様子に嬉しくなったようだった。
「なつめさ、諦めたらその時点でおしまいだよ。たしかにピアノは才能も大事だと思うけど、ほんとは続けることが一番の才能だと思うんだよね」
「お姉ちゃん・・・」
「その通りだ、天野!」
話に一区切りついたところで、満を持して樫野が声をあげた。四人がぞろぞろと出て来たのを見て、いちごは仰天して後ずさった。
「なんでここに!?」
いちごは高台の端まで後ずさり、柵に引っかかったもののバランスを崩してパニックになる。
「いちごちゃん!」
「大丈夫!?」
「大丈夫だと思います!お姉ちゃん、ああいうの慣れてるから」
なつめは少々興奮した様子で四人の前に立った。
「それより、スイーツ王子さん達ですか!?」
「そうだよ、なつめちゃん」
花房はなつめに美しい微笑みを見せると、バラの花の飴細工を挨拶代わりに一輪差し出した。常に持っているらしい。
「私に・・・?ありがとう!」
なつめがときめき気味に声を上擦らせている中、やっといちごが無事に帰って来た。死ぬところだったらしいが誰も心配していない。
なつめは目を輝かせて喚いた。
「お姉ちゃん!超イケメンに超美人じゃない!」
「そ・・・そうだけど・・・」
「こんな美形とスイーツ作ってたら、誰だって頑張れるよ!」
「顔とスイーツは関係ねえ!」
「わあっ!」
年下の女の子にも容赦しない樫野がいつもよりドスをきかせると、なつめは怖がっていちごにしがみついた。
「お姉ちゃん、怖い!デビルだ、デビルだ!」
「デビルで悪かったな!」
「ちょっと樫野!あたしのかわいい妹をいじめないでよね!」
「みっともないわね、樫野。大人げないのはその身長だけにしときなさいよ」
「こいつ・・・!また言いやがったな!」
「まあまあ・・・」
樹の毒舌に、なつめは「女王だ・・・」と呟く。その言葉を耳に入れた花房が吹き出した。
「天野さん、驚かせてごめん」
「どうしてここにいるの?」
「四人とも別行動だったんだけど、樫野から電話があってね・・・」
どうやらあと二人も同じ電話を受けていたらしい。そのことと、集合していちごの母に居場所をきいたことを話すと、いちごはばつが悪そうに尋ねた。
「じゃあ・・・あたしたちの話・・・・」
「ごめん、聞いちゃった」
「なかなか良いお姉ちゃんっぷりだったよ」
「いるならいるって言ってよね!」
いちごは顔を真っ赤にして喚いた。
なつめの相談に答えていたこともそうだけれど、四人のことを好きに言っていたことを聞かれていたと思うと顔から火が出るほど恥ずかしい。
「それより、少し四人で話していたんだけど、私たちもなつめちゃんたちのためにとっておきのスイーツを作ろうと思って」
樹は何食わぬ顔で言った。いちごとなつめは、思わずきょとんとした。