海と。
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「提督が着任しました」
執務室というには質素すぎる部屋、どちらかというと物置のような部屋だった。私は段ボールに残っていたホコリを払いコホンと咳をする。
ホコリ臭いのは苦手だし、できれば戦いたくない。両親は教師に海軍のもとで働いている人だったから白羽の矢でも立ったのだろう。
コンコンコン、と3回執務室のドアがノックされる「どうぞ、入って」
「…初めまして提督、戦艦山城です………よ よろしくお願いします」
おどおどしつつ小声で「不幸だわ」と呟いたのを私は聞き逃さなかった。
正直私には最初は駆逐艦あたりがよかった。お上が寄越したのは戦艦山城だった。西村艦隊で活躍しつつも圧倒的不利な状況下で沈んだ、と祖父から聞いている。
「こちらこそ初めまして山城、あなたの活躍に期待します」
チラリともジトリともとれる目つきで山城は私を見る
私よりほんの少し背が高く脆そうで強い主砲を抱えている、大きく見える
「…まずは鎮守府近くの海域に出て、そうですねそれからこの鎮守府の説明をします。一応ドックは空けておきます」
私より先輩の提督はバケツと称される修復材が遠征で増えたらしく、私の着任祝いに三つほどもらってしまった。出来ることならバケツは使いたくない。艦娘はそうだ確か中破するとその爆風などで服が破けたり怪我を負ったりする、そんな姿をあまり見たくないのと着任したばかりだから節約もしたい。多分私の言葉が足りないせいできっと山城には意図意味は伝わっていないだろう。
もしかしたらきっと「お前は弱い艦娘だからドックを空けておく」と思われてしまいそうだ、山城のネガティブ思考はそういう意味ではキツイ。
「扶桑型戦艦山城、出撃します…」
鎮守府近くの海域には私たち海軍が名付けた敵艦隊深海棲艦の大きさや艦載機を飛ばす艦にも識別できるようにイロハで名付けたりした。
この辺りならば大きな艦は出ないはずだが慢心すると酷い目に遭うのは私たち海軍だ。
双眼鏡で見える程度の場所、双眼鏡越しに見える山城は出撃自体初めてだからかやや苦戦している。
ドン!と遠くからでも聞こえる主砲副砲の音、何回かに一度聞こえる悲鳴、悲鳴と言ってもイラつきを孕んだ悲鳴だった。
「痛い! やっぱり不幸だわ…!」
その言葉にハッとなり双眼鏡を再度構える。
山城が小破したのだ、彼女は運が悪かったらしく普通ならかすり傷程度で済むところを深めの傷を負ってしまったようだった。
私は妖精さんたちにドックとバケツの指示を出し、山城を待つ。
「ただいま、帰りました… 早くドックに連れて行ってください、はぁ」
本人には自慢じゃないかもしれないが私にとっては立派な主砲がややズレていた。
執務室というには質素すぎる部屋、どちらかというと物置のような部屋だった。私は段ボールに残っていたホコリを払いコホンと咳をする。
ホコリ臭いのは苦手だし、できれば戦いたくない。両親は教師に海軍のもとで働いている人だったから白羽の矢でも立ったのだろう。
コンコンコン、と3回執務室のドアがノックされる「どうぞ、入って」
「…初めまして提督、戦艦山城です………よ よろしくお願いします」
おどおどしつつ小声で「不幸だわ」と呟いたのを私は聞き逃さなかった。
正直私には最初は駆逐艦あたりがよかった。お上が寄越したのは戦艦山城だった。西村艦隊で活躍しつつも圧倒的不利な状況下で沈んだ、と祖父から聞いている。
「こちらこそ初めまして山城、あなたの活躍に期待します」
チラリともジトリともとれる目つきで山城は私を見る
私よりほんの少し背が高く脆そうで強い主砲を抱えている、大きく見える
「…まずは鎮守府近くの海域に出て、そうですねそれからこの鎮守府の説明をします。一応ドックは空けておきます」
私より先輩の提督はバケツと称される修復材が遠征で増えたらしく、私の着任祝いに三つほどもらってしまった。出来ることならバケツは使いたくない。艦娘はそうだ確か中破するとその爆風などで服が破けたり怪我を負ったりする、そんな姿をあまり見たくないのと着任したばかりだから節約もしたい。多分私の言葉が足りないせいできっと山城には意図意味は伝わっていないだろう。
もしかしたらきっと「お前は弱い艦娘だからドックを空けておく」と思われてしまいそうだ、山城のネガティブ思考はそういう意味ではキツイ。
「扶桑型戦艦山城、出撃します…」
鎮守府近くの海域には私たち海軍が名付けた敵艦隊深海棲艦の大きさや艦載機を飛ばす艦にも識別できるようにイロハで名付けたりした。
この辺りならば大きな艦は出ないはずだが慢心すると酷い目に遭うのは私たち海軍だ。
双眼鏡で見える程度の場所、双眼鏡越しに見える山城は出撃自体初めてだからかやや苦戦している。
ドン!と遠くからでも聞こえる主砲副砲の音、何回かに一度聞こえる悲鳴、悲鳴と言ってもイラつきを孕んだ悲鳴だった。
「痛い! やっぱり不幸だわ…!」
その言葉にハッとなり双眼鏡を再度構える。
山城が小破したのだ、彼女は運が悪かったらしく普通ならかすり傷程度で済むところを深めの傷を負ってしまったようだった。
私は妖精さんたちにドックとバケツの指示を出し、山城を待つ。
「ただいま、帰りました… 早くドックに連れて行ってください、はぁ」
本人には自慢じゃないかもしれないが私にとっては立派な主砲がややズレていた。
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