※診断メーカーネタです


パチリと目が覚めた。知らない天井だった。私は？ここは？
ベッドに寝ころんだまま私…名前もわからない私は考えた。
私は誰でここはどこなんだろうか。真っ白に近い天井に真っ白な壁と床。
ふと目を横に逸らすと美少女が微笑んでいた。美しく儚い、守らなければ消えてしまいそうな弱々しい存在のようで芯がある…そんな存在な気がした。
「あら、マスター遅いお目覚めね？ふふふ、ねえ今日は何をするのあなたは」
美少女はそう私に問うた、でも私はこの美少女を知らない。
それにマスターではない。きっと何かの間違い…ドッキリにしてはたちが悪い。本気で私はわからないのだ、本気でわからないんだ。
「…あの、誰ですか」
私がそう聞くと美少女は目を大きく開き、私の前まで歩き出した。
「ねえマスターあなた本気でそんなことを言ってるのかしら」
訳がわからない。だから目を伏せた。
はあ、と小さなため息が聞こえた。私は目を伏せた状態なのでこの美少女の顔が見えない。
私の手…少し指先が荒れている。そんな手を彼女は強く握りしめている。
ぽた、と涙が落ちた。私のではなかった。
「私はねマスター、あなたに初めて呼ばれたサーヴァントよ。サーヴァントアサシン、ステンノ。ステンノよ。あなた初めから私にべったりしてて最初はあなたのことそこまで好きではなかったのよ」
「でもねずっとずっとあなたがマスターがそばにいてくれたのに私を忘れてしまうなんてね…こんなに悲しいことなのね」
か弱そうな手が更にぎゅうっと私の手を握り締める。
「…ああ、ごめん泣かないで」
私は彼女を思い出せない。