頑固な主人公
白い鳥(短編)
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零夜はその日夢を見た。暖かい巣の中で、他の兄弟たちがいた。
一羽だけ白い色の雛がいて、彼女はいつも隣で空への憧れを話してくれた。
みんなが巣立っていく、それを見送る零夜の隣で一緒に大空を見上げる白い鳥は言った。
「いこうよ」
「いやだよ、こわい」
「あんなふうにそらをとべたらきっととってもたのしいよ」
一緒に行こう、と彼女は楽しそうに言った。
「おちたらしんじゃうんだよ」
「だいじょうぶだよ、いっしょにいこう」
白い鳥は他の鳥たちより一回り小さな翼を不器用に羽ばたかせる。
「だめだよ、きみは。ぼくたちよりずっとちいさいんだから、
しろいいろはたべられやすいっておかあさんが」
「わたしはとびたかったからいいんだよ」
一瞬白い鳥が何を言っているのか分からなかった。
「じゃあ、そらでまってるね」
瞬間舞い上がった白い鳥は明るい光を受けながら、空へ舞い上がる。
白い翼が世界のいろんな色を反射してこの世のものとは思えないほど美しかった。
眩しくてそれを見上げたすぐそのあと、
何か黒いカゲが白い鳥を連れ去ったように見え、思わず手を伸ばした。
「まって、そのこをつれていかないで……!」