プレイヤーin犬の頭の沸いた話(短編)
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プレイヤーin犬の頭が湧いた小話。
「なにが……どうなってるの……?」
マルコスはリリカの新作フィギアを購入して帰宅し、この理解不能な展開に困惑していた。
「わ、分かりません……マルコスさんなら、何か分かると思ったのですが」
ソーンも困惑した様子で言った。
「いやあのね、人間同士が入れ替わるとか、性転換とか……そういう話はたまに聞くけど。
人間に犬が入るとか流石の僕でも見たことも聞いた事も……」
ソファに座った零夜の隣に同じように座ってぴったりくっつき、
頭を撫でられているプレイヤーの違和感が凄い。
「この世界の犬は可愛いね、このまま僕の世界線に連れて行こうかな」
「いや犬じゃないから! 中身は犬みたいだけど……。っていうかプレイヤーさんから離れてよ。
マトモそうなアタリ君やアダムはどこなの?」
突っ込みどころが多すぎで突っ込みきれない。助けを求められそうなアダムやアタリはいないし。
「アタリさんは、ゲームを売りに行くと言っていましたのでまだ時間がかかるかと……。
兄様は女王陛下へ定期報告に向かいましたので戻るのは明日以降になります」
「僕には犬に見えるんだけどな」
「うそつけ!」
多分零夜に常識の話をしても無駄なのだ。
零夜の顔をじーっと見ているプレイヤー(IN犬)を見ていられない。
「取あえずプレイヤーさん放してよ」
「この子は犬だよ?」
「馬鹿なの。そのままだとゴハンとか困るでしょ、というか本気で犬に見えてるの……?」
フリをしている可能性もワンチャンある……いや、無いか。
「プレイヤーさん、こっちに来てください」
ソーンが呼ぶと、プレイヤーは顔をソーンの方へ向け軽く走って行く。流石に四足歩行はしないようだ。
そのままソーンがためしに撫でてみるが、確かに嬉しそうな顔をする。完全に犬だ。
(どうしよ……)
けど大体こういう時は、次の日に戻っていたとかが殆どだ。
おそらくアタリは帰って来てすぐにゲームを売ってもらったお金で買ったゲームをするだろうし、
零夜にこのまま任せるのは心配だし。
「取あえず今日一日だけ様子見ようよ、明日には戻るかもしれないし」
「そうですね……、どうしましょうこの子、誰かが預かった方がいいでしょうか?」
「うん、一人にはできないね……ソーンが部屋に連れて行く?」
「あの、僕。グラナート以外の動物を飼ったことがなくって……
お散歩とかシャンプーとかしてあげたらいいんですか?」
「ああ、うん。今晩は僕が預かるよ……」
「僕の部屋に置いてもいいよ?」
「零夜君はやめてもらっていいかな、と言うか動物飼ったことあるの?」
「あるよ、コンピュータウイルス」
こいつは駄目だ。うん。時計を見ると、いつもなら部屋に戻るくらいの時間だ。
「プレイヤーさん。部屋戻ろう?」
マルコスが呼ぶと真っ直ぐプレイヤー(in犬)は歩いて寄ってくると、
「どこ行くの?」とばかりに彼女は真っ直ぐこちらを見つめてくる。
「お願いだから今日は大人しくしてね」
プレイヤーは言葉を理解しているのかいないのか、首をかしげるのだった。
部屋に戻るとマルコスはすぐにテレビを付ける、取り溜めしておいたアニメをゆっくり見るのだ。
どれくらい見ていたのか、プレイヤーは床で丸くなって眠り込んでいるようだ、
丸くなっているせいでいつもよりさらに小さく見える。
(明日には戻ってくれるといいけど……)
ぼぉぉ、と部屋の外で風の音。帰って来た時もそれなりに強い風が吹いていたが、
日が暮れてからさらに風が強くなりお茶に巻き上がった砂がぶつかる音がする。
(風強いな……)
注意報ぐらいは出そうな強風だった。
そんな事を頭の端で考えながらアニメに集中する。
その時、ふと、腕に暖かいものが振れて何かと思うとプレイヤー(in犬)だった。
「わ、何」
驚いていると、彼女はさらにぐい、とマルコスの肘を押し
腋の下に入ってきて、ぴったりと体をくっつけた。
「ちょっと……」
本当にただの犬だったらいいのだが。
「プレイヤーさん……」
あり得ない距離感でくっついてくるプレイヤーに酷く困惑する。
「えぇ……」
(いや、この子は人間の姿をした犬なんだ)
そう自分に暗示をかける。あまりにぴったりくっついてくるために、
通常の犬でさえもこんなにくっついてくるものなのかと疑ってしまう。
アニメに集中しようと思って、テレビを凝視する。
(あれ……?)
くっついているプレイヤーに違和感があった。体に必要以上の力が入っている。
(震えてる……?)
風の音がする度に震えている様だった。
「風の音怖いの?」
プレイヤーは当然答えずにじっとそのままだ。風の音がすると不安そうに周りを見回すので、
どうやら正解らしかった。離れろと言うのはあまりにかわいそうだし、暖かくて悪くない感覚だし、
どうせ中身はプレイヤーではないのでそのまま放って置いた。
どれくらいアニメを見ていたか、時計が深夜2時を指し、そろそろ寝ようかと立ち上がる。
(風の音止まないな……)
と言うか問題なのは。
(この子……どこに寝かそう……)
一応ソファーはあるが、これはどっちがどっちで寝るのが正解なのだろう。
そうやって悩んでいると、マルコスはふと、笑ってしまった。
ここに来てからはマルコスでも分からない事が沢山起こる。
プレイヤーの思考が理解不能だったり、人間の中に犬が入ったり。退屈しない。
「なんで笑ったの?」
目の前でプレイヤーが笑みを浮かべて首をかしげていた。
「何を考えてるの?」
プレイヤーはまた逆の方向に首をかしげる。何も考えていなさそうな顔に、マルコスも少し笑う。
(……じゃ、なくて……)
何処に寝かせるか、だ。無意味と思いながらプレイヤーに問うてみる。
「僕はもう寝るけど、君はどこで寝る?」
同じようにプレイヤーは首を傾げた。
「……」
「なにが……どうなってるの……?」
マルコスはリリカの新作フィギアを購入して帰宅し、この理解不能な展開に困惑していた。
「わ、分かりません……マルコスさんなら、何か分かると思ったのですが」
ソーンも困惑した様子で言った。
「いやあのね、人間同士が入れ替わるとか、性転換とか……そういう話はたまに聞くけど。
人間に犬が入るとか流石の僕でも見たことも聞いた事も……」
ソファに座った零夜の隣に同じように座ってぴったりくっつき、
頭を撫でられているプレイヤーの違和感が凄い。
「この世界の犬は可愛いね、このまま僕の世界線に連れて行こうかな」
「いや犬じゃないから! 中身は犬みたいだけど……。っていうかプレイヤーさんから離れてよ。
マトモそうなアタリ君やアダムはどこなの?」
突っ込みどころが多すぎで突っ込みきれない。助けを求められそうなアダムやアタリはいないし。
「アタリさんは、ゲームを売りに行くと言っていましたのでまだ時間がかかるかと……。
兄様は女王陛下へ定期報告に向かいましたので戻るのは明日以降になります」
「僕には犬に見えるんだけどな」
「うそつけ!」
多分零夜に常識の話をしても無駄なのだ。
零夜の顔をじーっと見ているプレイヤー(IN犬)を見ていられない。
「取あえずプレイヤーさん放してよ」
「この子は犬だよ?」
「馬鹿なの。そのままだとゴハンとか困るでしょ、というか本気で犬に見えてるの……?」
フリをしている可能性もワンチャンある……いや、無いか。
「プレイヤーさん、こっちに来てください」
ソーンが呼ぶと、プレイヤーは顔をソーンの方へ向け軽く走って行く。流石に四足歩行はしないようだ。
そのままソーンがためしに撫でてみるが、確かに嬉しそうな顔をする。完全に犬だ。
(どうしよ……)
けど大体こういう時は、次の日に戻っていたとかが殆どだ。
おそらくアタリは帰って来てすぐにゲームを売ってもらったお金で買ったゲームをするだろうし、
零夜にこのまま任せるのは心配だし。
「取あえず今日一日だけ様子見ようよ、明日には戻るかもしれないし」
「そうですね……、どうしましょうこの子、誰かが預かった方がいいでしょうか?」
「うん、一人にはできないね……ソーンが部屋に連れて行く?」
「あの、僕。グラナート以外の動物を飼ったことがなくって……
お散歩とかシャンプーとかしてあげたらいいんですか?」
「ああ、うん。今晩は僕が預かるよ……」
「僕の部屋に置いてもいいよ?」
「零夜君はやめてもらっていいかな、と言うか動物飼ったことあるの?」
「あるよ、コンピュータウイルス」
こいつは駄目だ。うん。時計を見ると、いつもなら部屋に戻るくらいの時間だ。
「プレイヤーさん。部屋戻ろう?」
マルコスが呼ぶと真っ直ぐプレイヤー(in犬)は歩いて寄ってくると、
「どこ行くの?」とばかりに彼女は真っ直ぐこちらを見つめてくる。
「お願いだから今日は大人しくしてね」
プレイヤーは言葉を理解しているのかいないのか、首をかしげるのだった。
部屋に戻るとマルコスはすぐにテレビを付ける、取り溜めしておいたアニメをゆっくり見るのだ。
どれくらい見ていたのか、プレイヤーは床で丸くなって眠り込んでいるようだ、
丸くなっているせいでいつもよりさらに小さく見える。
(明日には戻ってくれるといいけど……)
ぼぉぉ、と部屋の外で風の音。帰って来た時もそれなりに強い風が吹いていたが、
日が暮れてからさらに風が強くなりお茶に巻き上がった砂がぶつかる音がする。
(風強いな……)
注意報ぐらいは出そうな強風だった。
そんな事を頭の端で考えながらアニメに集中する。
その時、ふと、腕に暖かいものが振れて何かと思うとプレイヤー(in犬)だった。
「わ、何」
驚いていると、彼女はさらにぐい、とマルコスの肘を押し
腋の下に入ってきて、ぴったりと体をくっつけた。
「ちょっと……」
本当にただの犬だったらいいのだが。
「プレイヤーさん……」
あり得ない距離感でくっついてくるプレイヤーに酷く困惑する。
「えぇ……」
(いや、この子は人間の姿をした犬なんだ)
そう自分に暗示をかける。あまりにぴったりくっついてくるために、
通常の犬でさえもこんなにくっついてくるものなのかと疑ってしまう。
アニメに集中しようと思って、テレビを凝視する。
(あれ……?)
くっついているプレイヤーに違和感があった。体に必要以上の力が入っている。
(震えてる……?)
風の音がする度に震えている様だった。
「風の音怖いの?」
プレイヤーは当然答えずにじっとそのままだ。風の音がすると不安そうに周りを見回すので、
どうやら正解らしかった。離れろと言うのはあまりにかわいそうだし、暖かくて悪くない感覚だし、
どうせ中身はプレイヤーではないのでそのまま放って置いた。
どれくらいアニメを見ていたか、時計が深夜2時を指し、そろそろ寝ようかと立ち上がる。
(風の音止まないな……)
と言うか問題なのは。
(この子……どこに寝かそう……)
一応ソファーはあるが、これはどっちがどっちで寝るのが正解なのだろう。
そうやって悩んでいると、マルコスはふと、笑ってしまった。
ここに来てからはマルコスでも分からない事が沢山起こる。
プレイヤーの思考が理解不能だったり、人間の中に犬が入ったり。退屈しない。
「なんで笑ったの?」
目の前でプレイヤーが笑みを浮かべて首をかしげていた。
「何を考えてるの?」
プレイヤーはまた逆の方向に首をかしげる。何も考えていなさそうな顔に、マルコスも少し笑う。
(……じゃ、なくて……)
何処に寝かせるか、だ。無意味と思いながらプレイヤーに問うてみる。
「僕はもう寝るけど、君はどこで寝る?」
同じようにプレイヤーは首を傾げた。
「……」
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