君からのプレゼント(6ヒーロー短編集)
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君からのプレゼント
「キャンディ一粒」
「よぉ、大将」
「え、何」
低い声で答えると、彼は呆れたように腰に手を当てて言った。
「ひでぇなぁ、せっかくお前にいいもんやろうと思ったのに」
「いらん」
「おい、嘘だろ……!?」
代わりに~しろとか言われたらたまったものではない。
でも大体、13は冷たくあしらっても同じように来てくれる。
一方のプレイヤーはその時の気分によって13を相手にするかしないかを決める、
それでも態度を変えないでくれる13に少なからず甘えている部分があるんだろうな、と思う。
「せっかくお前の事を思って持ってきたんだがなぁ……」
(いや、その言葉誰が信じるよ……)
13が人の事を思って、と言うのは考えにくい。多分からかいに来たんだろうが。
「残念でしたね」
「おいおいおい、ちょっと待ち。それでガチで去ろうとすんな。俺の扱いヒドすぎないか?
アタリくんやらソーンに見せるあの面倒見の良さはどこ行った」
「アタリくんとソーン限定です」
「で、その冷たさは俺限定かよ。性格悪ぃ」
「……」
13に性格悪いと言われたところで痛くもかゆくも無いのだが。
(何考えてるか分かりにくいな、この人……)
構ってもらいたいのか、そうでないのかプレイヤーには分からない。
もっと分かりやすくしてくれれば、対応できるのだが、
彼が言葉にしたとしてそれが本心かそうでないのか伝わらない。
例えば、今みたいに。それはそれで辛いだろうなとは思う。
「……じゃあ、その気持ちだけ貰っておくよ」
「性格悪いってやつ?」
「なんでだよwわたしの事を思って、何かを持ってきてくれたその気持ちだけ」
「……」
13がきょとんとした顔でこちらを見た。
「……んだよ、気持ち悪ぃ」
「言ったな、もう知らん」
せっかく“気持ちだけ”は受け取ってやったのに。
「おら」
とん、と拳で胸を突かれ、よろける。
「いってぇ、やめろよ」
13は拳を目の前まで持ってくると、その拳の中からみかん味の飴を出した。
次はプレイヤーがちょっと驚いて止まる番だった。
「なんだよ、毒とか入ってねぇからな」
たしかにその飴はスーパーで税抜き198円とかで袋に入っているもので、
毒は入っていなさそうだ。それを見てプレイヤーは笑った。
「分かってるよ、ありがと」
end.
「キャンディ一粒」
「よぉ、大将」
「え、何」
低い声で答えると、彼は呆れたように腰に手を当てて言った。
「ひでぇなぁ、せっかくお前にいいもんやろうと思ったのに」
「いらん」
「おい、嘘だろ……!?」
代わりに~しろとか言われたらたまったものではない。
でも大体、13は冷たくあしらっても同じように来てくれる。
一方のプレイヤーはその時の気分によって13を相手にするかしないかを決める、
それでも態度を変えないでくれる13に少なからず甘えている部分があるんだろうな、と思う。
「せっかくお前の事を思って持ってきたんだがなぁ……」
(いや、その言葉誰が信じるよ……)
13が人の事を思って、と言うのは考えにくい。多分からかいに来たんだろうが。
「残念でしたね」
「おいおいおい、ちょっと待ち。それでガチで去ろうとすんな。俺の扱いヒドすぎないか?
アタリくんやらソーンに見せるあの面倒見の良さはどこ行った」
「アタリくんとソーン限定です」
「で、その冷たさは俺限定かよ。性格悪ぃ」
「……」
13に性格悪いと言われたところで痛くもかゆくも無いのだが。
(何考えてるか分かりにくいな、この人……)
構ってもらいたいのか、そうでないのかプレイヤーには分からない。
もっと分かりやすくしてくれれば、対応できるのだが、
彼が言葉にしたとしてそれが本心かそうでないのか伝わらない。
例えば、今みたいに。それはそれで辛いだろうなとは思う。
「……じゃあ、その気持ちだけ貰っておくよ」
「性格悪いってやつ?」
「なんでだよwわたしの事を思って、何かを持ってきてくれたその気持ちだけ」
「……」
13がきょとんとした顔でこちらを見た。
「……んだよ、気持ち悪ぃ」
「言ったな、もう知らん」
せっかく“気持ちだけ”は受け取ってやったのに。
「おら」
とん、と拳で胸を突かれ、よろける。
「いってぇ、やめろよ」
13は拳を目の前まで持ってくると、その拳の中からみかん味の飴を出した。
次はプレイヤーがちょっと驚いて止まる番だった。
「なんだよ、毒とか入ってねぇからな」
たしかにその飴はスーパーで税抜き198円とかで袋に入っているもので、
毒は入っていなさそうだ。それを見てプレイヤーは笑った。
「分かってるよ、ありがと」
end.