その優しさに(前編、後編)
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(おっと……)
マルコスはプレイヤーの体調の事を聞いて、彼女の部屋に様子を見に来ていたのだが。
二人で布団にもぐっているプレイヤーとアタリを見て、足を止めた。
一瞬謎に慌てたが、二人とも気持ちよさそうに寝ているのでため息をつく。
(アタリくんには敵わないなぁ……)
もし、ここにいるのがアタリでなく、マルコスだったなら、
プレイヤーはこんなに安心して眠ったりしないだろう。体調の程度にもよるかもしれないが。
相変わらずアタリのその場所はマルコスにとってうらやましいものだった、
もし一番最初がアタリではなく自分だったなら。もっと違う距離になっていただろうか。
「……」
まあ、この領域の特性上、それはあり得ないし。たとえそうだったとしても、
きっとアタリの場所に自分が入ることはできないんだろうな、と思う。
マルコスは二人を起こさないようにそうっと近づくと、
袖口から指をだしてプレイヤーの頬に少しだけ触れ、部屋を後にしたのだった。
「っかー……あれでもセーフなんだなぁ。子供って怖ぇ……」
「ハイ、オ二人ノ場合全ク問題アリマセン」
「その……盗撮まがいの事、どうにかなりませんか……」
「プレイヤーヲ守ルタメニ必要ナ監視デス」
ボイドールは組まれているプログラム通りに答える。
「プレイヤーノバイタルハ、アタリサント、
アトアダムサント一緒ノ時ガ一番安定シテイマス。興味深イデスネ」
「興味、深いか……?」
「ねー、僕は?」
「一番荒レマス」
マルコスの問いにボイドールが答えると13が吹いた。
「一番荒れるってよww」
「13は?」
「前ハ確カニ不安定ニナッテイマシタガ。一緒ニ試合ニ出ルヨウニナッテ随分落チ着イテキマシタ」
「どうなの?」
「どうなのって……言われてもよ。俺は全く同じようにしかやってないぜ?」
にやにやにやにやしながら13が言うが、マルコスは別に嫌そうな様子を見せる事も無い。
むしろマルコスはやや挑発的に笑った。
「僕相手の時だけ余裕をなくすって事は。僕の方にアドがあるってことだよ、残念だね」
「おっ。お前ガキのくせに言うな、俺の大人の色気にガキが勝てる訳ねぇだろ?」
「……ト言ウ事ナノデ、アダムサン。ヨロシクオネガイシマス」
「……分かりました」
アダムはやや呆れて返事をしたのだった。
end.
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