その優しさに(前編、後編)
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「貴様、ここでなにをしている」
「おいおい、顔見た瞬間殺気ばっちばちにぶつけてくんなよ、騎士団長。
俺は相棒の調子が悪いって聞いて見に来ただけだって」
13が両手を挙げながら言った。
「その言葉、誰が信じるんだ?」
「プレイヤーくらいかなぁ」
きっ、と13をにらみつけると「勘弁してくれ」と彼は呆れたように言った。
「プレイヤー殿に近づくな」
「お前が駄目でもプレイヤーがOKって言ったら?」
「今は近づけるわけにはいかない」
「わーってるよ、どうせ寝てんだろアイツ。
それに今のプレイヤーの調子じゃ死ぬまではいかねぇからな。残念だ」
「貴様……」
「冗談だよ、冗談。全く気が短いなお前は。……で、良かったのかよ? お前じゃなくて」
「……」
13は多分プレイヤーのそばに残るのが、アダムでなくてもよかったのか、と聞いているのだろう。
「……俺では、プレイヤー殿に気を遣わせてしまう。アタリさんが適任だろう」
「辛いねぇ。氷の騎士様は、ろくにプレイヤーに触れることもできやしねぇ」
にやにや13が笑いながら言った。
(……)
「用事がないならここから離れるか、ここで俺に殺されるか、どちらか選べ」
「おおこえー、こえー」
13は頭の後ろで手を組むと、その場を去ったのだった。
(触れる、事も……)
分かった上でサヴァイヴァーニィを手に取ったのだ。今更、後悔はないはずだった。
アダムは自分の氷のように冷たい手を握ったのだった。