短編
あなたの名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ー知らないフリー
「ダーリン!今日こそデートしてもらうっちゃ!」
「ええい!喧しい!!だぁれがお前なんぞと!」
友引高校名物の二人が喧嘩しながら出ていくと嵐が去った後の様に静かになる教室。
「諸星君も懲りないねぇ」
「まぁあたるのアレは意地になってるだけだ」
この白井コースケは諸星君と悪友で悪巧みに乗りクラスの要注意人物であり私の幼馴染みでもある。
「ラムも頑張ってるよね」
「あたるの何処がいいんだか…」
ラムと諸星君の関係は皆が十分に知っている事だが、面堂君やこの前見かけた虎縞模様の服を着たイケメン(でかい牛に化けたけど)もラムにアピールしていた。
なんだかんだ言って結局諸星君が追い返してるんだよね 。
「ダーリン捕まえたっちゃー!!!!」
バリバリバリッッ
「ぎゃぁああああああ!!!!」
ラムの電撃を食らい叫ぶ諸星君を教室から見つける私達
「あーあ。捕まった」
「お、ラムちゃんの制服破けた」
いつもより倍の電撃だったのだろう。
制服が破けいつもの虎縞ビキニ姿(本人曰く一張羅)になった 。
諸星君を引きずり校門を抜けたラムを見届けると隣で紙パックのジュースを開けたコースケ。
「ねぇ」
「んー?」
「あんたラムの事好きなの?」
「ぶっ!!な、なに言って!」
口に含んだジュースを吹き出すと慌てたようにこちらを見る。
「彼女も居てバレンタインで後輩からチョコ貰ってこれ以上何が欲しいのよ。
ラムは諸星君一筋よ?」
とハンカチを渡しながら問うと
「別にラムちゃんの事は好きっていうか…アイドルみたいな存在ってだけだぜ?それよかなんでバレンタインの事知ってんだよ」
ハンカチで口元を拭いジュースを飲み干しながら質問を返された
「…諸星君が愚痴ってたのを聞いたのよ」
「あたるのヤロー…つーか彼女とは別れたよ、バレンタインの前に」
「え…」
「あの子かなり大食いでさ貰ってる小遣いじゃデートもまともに出来やしなくてな」
いい子だったんだけどな…ある意味苦労した、と苦笑したコースケ
「そっか、ごめん」
「なんでお前が謝んの」
「無神経な質問だった…」
「別にいーよ。今こうしてバカやってる方が楽しいしな!」
にひひっと笑う彼は幼い頃のままで太陽みたいだった
私はこの笑顔が好きだと、ずっとその笑顔を彼の傍で見ていられるならと…この感情の意味に気づいた時には知らないフリをして蓋をした。
彼女ができたと一番に報告をもらった時はショックだった
でも覚悟はできていた
だから、コースケが笑っていてくれるならそれでいいと言い聞かせてきた。
作ったはいいけど結局渡せなかったバレンタインの時も諸星君から聞いたんじゃない。
見てしまったのだ
私より小さくて可愛い女の子からチョコを嬉しそうに受け取るコースケの姿を。
そんな場面見た後でどんな顔して渡せばいいか解らなかった。
「…い、おいナル」
「っえ、あ、なに?」
「何じゃねぇよ、呼んでんのに返事しねぇから」
「ごめん、考え事してた…」
いけない、コースケと居ると余計な事ばかり考えてしまう
変な癖ついちゃったな…。とまた考え込んでるとトンと額に違和感
「うっ、なに」
「眉間に皺、寄ってるぞ。なに考えてんだ」
コースケの指が差されたのだと気づく
あぁ…そういえばよく周りを見てないようで見てる奴だった、と思い出す
「何でもないよ、ごめん」
「それ、最近増えたな」
「どれ?」
「謝るの」
指摘されて気づいた
自分でも気づかない事をコースケはすぐ気づいてくれる
確かに私はコースケに何か言われると謝ることが増えたと思う
「気のせい「じゃねぇよ」…うん、だね。ごめん」
ほらまた。とデコピンを一発
俯くと頭に乗せられたコースケの掌
「何考えてるかは知らねぇし聞かねぇけどさ、溜め込む前に誰かに話せよ」
「…うん」
「面堂はダメだからな。しのぶとか…あ、サクラ先生とか」
「そこで自分の名前は出ないんだ」
くすっと笑うと
「阿呆。俺が解決出来る問題ならお前とっくに話してるだろ」
一瞬ポカンとしてしまった
確かにその通りだ
悩み事やちょっとした事でも一番に話してた
「コースケ、ありがと。でも大丈夫だよ」
「…おぅ」
私がこの感情を認めてしまえば…伝えてしまえば困るのはコースケだから
今更この関係を壊す勇気を私は持っていない。
「先に帰るね。お父さん今日早いんだ」
「親父さんによろしくな」
「うん。また明日ね」
「おぉ」
だから教室を出るときに聞こえたコースケの言葉には知らないフリをした
「お前は大丈夫じゃねぇ時に大丈夫って言うよな、
それが俺相手でも。
いい加減自分の気持ちに素直になれよ…答えてやれねぇだろーが…」
「ダーリン!今日こそデートしてもらうっちゃ!」
「ええい!喧しい!!だぁれがお前なんぞと!」
友引高校名物の二人が喧嘩しながら出ていくと嵐が去った後の様に静かになる教室。
「諸星君も懲りないねぇ」
「まぁあたるのアレは意地になってるだけだ」
この白井コースケは諸星君と悪友で悪巧みに乗りクラスの要注意人物であり私の幼馴染みでもある。
「ラムも頑張ってるよね」
「あたるの何処がいいんだか…」
ラムと諸星君の関係は皆が十分に知っている事だが、面堂君やこの前見かけた虎縞模様の服を着たイケメン(でかい牛に化けたけど)もラムにアピールしていた。
なんだかんだ言って結局諸星君が追い返してるんだよね 。
「ダーリン捕まえたっちゃー!!!!」
バリバリバリッッ
「ぎゃぁああああああ!!!!」
ラムの電撃を食らい叫ぶ諸星君を教室から見つける私達
「あーあ。捕まった」
「お、ラムちゃんの制服破けた」
いつもより倍の電撃だったのだろう。
制服が破けいつもの虎縞ビキニ姿(本人曰く一張羅)になった 。
諸星君を引きずり校門を抜けたラムを見届けると隣で紙パックのジュースを開けたコースケ。
「ねぇ」
「んー?」
「あんたラムの事好きなの?」
「ぶっ!!な、なに言って!」
口に含んだジュースを吹き出すと慌てたようにこちらを見る。
「彼女も居てバレンタインで後輩からチョコ貰ってこれ以上何が欲しいのよ。
ラムは諸星君一筋よ?」
とハンカチを渡しながら問うと
「別にラムちゃんの事は好きっていうか…アイドルみたいな存在ってだけだぜ?それよかなんでバレンタインの事知ってんだよ」
ハンカチで口元を拭いジュースを飲み干しながら質問を返された
「…諸星君が愚痴ってたのを聞いたのよ」
「あたるのヤロー…つーか彼女とは別れたよ、バレンタインの前に」
「え…」
「あの子かなり大食いでさ貰ってる小遣いじゃデートもまともに出来やしなくてな」
いい子だったんだけどな…ある意味苦労した、と苦笑したコースケ
「そっか、ごめん」
「なんでお前が謝んの」
「無神経な質問だった…」
「別にいーよ。今こうしてバカやってる方が楽しいしな!」
にひひっと笑う彼は幼い頃のままで太陽みたいだった
私はこの笑顔が好きだと、ずっとその笑顔を彼の傍で見ていられるならと…この感情の意味に気づいた時には知らないフリをして蓋をした。
彼女ができたと一番に報告をもらった時はショックだった
でも覚悟はできていた
だから、コースケが笑っていてくれるならそれでいいと言い聞かせてきた。
作ったはいいけど結局渡せなかったバレンタインの時も諸星君から聞いたんじゃない。
見てしまったのだ
私より小さくて可愛い女の子からチョコを嬉しそうに受け取るコースケの姿を。
そんな場面見た後でどんな顔して渡せばいいか解らなかった。
「…い、おいナル」
「っえ、あ、なに?」
「何じゃねぇよ、呼んでんのに返事しねぇから」
「ごめん、考え事してた…」
いけない、コースケと居ると余計な事ばかり考えてしまう
変な癖ついちゃったな…。とまた考え込んでるとトンと額に違和感
「うっ、なに」
「眉間に皺、寄ってるぞ。なに考えてんだ」
コースケの指が差されたのだと気づく
あぁ…そういえばよく周りを見てないようで見てる奴だった、と思い出す
「何でもないよ、ごめん」
「それ、最近増えたな」
「どれ?」
「謝るの」
指摘されて気づいた
自分でも気づかない事をコースケはすぐ気づいてくれる
確かに私はコースケに何か言われると謝ることが増えたと思う
「気のせい「じゃねぇよ」…うん、だね。ごめん」
ほらまた。とデコピンを一発
俯くと頭に乗せられたコースケの掌
「何考えてるかは知らねぇし聞かねぇけどさ、溜め込む前に誰かに話せよ」
「…うん」
「面堂はダメだからな。しのぶとか…あ、サクラ先生とか」
「そこで自分の名前は出ないんだ」
くすっと笑うと
「阿呆。俺が解決出来る問題ならお前とっくに話してるだろ」
一瞬ポカンとしてしまった
確かにその通りだ
悩み事やちょっとした事でも一番に話してた
「コースケ、ありがと。でも大丈夫だよ」
「…おぅ」
私がこの感情を認めてしまえば…伝えてしまえば困るのはコースケだから
今更この関係を壊す勇気を私は持っていない。
「先に帰るね。お父さん今日早いんだ」
「親父さんによろしくな」
「うん。また明日ね」
「おぉ」
だから教室を出るときに聞こえたコースケの言葉には知らないフリをした
「お前は大丈夫じゃねぇ時に大丈夫って言うよな、
それが俺相手でも。
いい加減自分の気持ちに素直になれよ…答えてやれねぇだろーが…」
1/2ページ