宮玲まとめ
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~暖かな腕に包まれて~
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「うぅ…」
「玲さん…流石に辛そうですね…寒くはないですか?」
昨日の雨で冷えた体をそのままにしたせいか風邪をひいてしまった私。
朝、九条家に来ませんかという豪さんからのお誘いのメールに素直に「風邪をひいてしまいいけません」と送ってしまったから家にまで来てくれた豪さん。
心配そうな目をしている。
「スポーツドリンク等色々と用意してきたので欲しいものがあれば言ってくださいね。」
「本当にすいません…出来るならこんな姿見せたくはないんですけど…」
少しシワになったパジャマ姿にボサボサの髪の毛。
しかもメイクも何もしてない。
女子力の欠けらも無い姿を私は豪さんに晒してしまっている。
でも豪さんは優しくて「辛いのにそんなこと気にするなんて…何もしなくてもあなたは可愛いんですから」と笑ってくれる。
豪さんには申し訳ない気持ちでいっぱいだけど…
「あ、そうでした、リンゴを持ってきたんです。切ってきますね。」
豪さんはリンゴを1つ手に取り私の家のキッチンに向かった。
シンとした寝室。
豪さんが居ないだけで少し寂しく感じてしまう。
火照る体は予想以上に重くせめてベッドに座ろうと思っても辛くて仕方がない。
こんなことになるならコンビニとかでビニール傘買えばよかったと後悔をする。
無理矢理にでもベッドに座る。
重くて…怠くて仕方がなかった。
「玲さん。リンゴを向いてきましたよ…ってだいぶ熱があるんですからベッドに横になってないとダメですよ。」
ベッドの横にある机に丁寧に切られているリンゴのお皿を置いて私に言う。
「私は大丈夫ですから…豪さんにも申し訳ないですし…」
フラフラする頭を無理矢理起こして言うけど豪さんは心配そうな目で見てる。
「そんなことを言われても大丈夫には見えませんよ。」
そう言って私をそっとベッドに横にさせる。
「それに風邪ひいている時は彼氏の僕にくらい甘えたっていいんじゃないですか?」
笑顔で言う豪さん。
私は頬が更に熱くなるのを感じて布団で顔を隠してしまう。
「こんなこと言ったら引かれるかもしれませんが…弱っているあなたも可愛らしいですよ。」
そう言って布団の上から撫でてくれる。
引くわけがない。
むしろ嬉しいと思うくらいだ。
こんな私でも可愛いと言ってくれる人がいるなんて。
私は布団から顔を出す。
「あ、出てきてくれましたね。」
そう言ってさっきよりも優しく頭を撫でてくれた。
しっかりとした男性らしい手のひら。
豪さんの手は冷たくて少し気持ちよかった。
すると豪さんは思い出したかのように机に置いてあったリンゴのお皿をとる。
「リンゴ食べますか?」
私は縦に頷いて布団から起き上がって座る。
豪さんはリンゴのお皿を渡してはくれずにフォークでリンゴを1つ刺して口元へ運んでくれる。
「はい。あーん。」
「いや…あの…自分で食べれますから…」
それこそ普通の女子ならありがとうとか言いながら食べるところなんだろう。
可愛げのない言い方をしたなとすごく思う。
でも豪さんはやめてはくれない。
結局リンゴを1口頬張る。
風邪をひいていても味覚はあまりズレてはいない。
甘酸っぱい味が口の中に広がった。
「美味しいですか?」
微笑みながら言う豪さん。
「美味しい…です。」
そう言うと豪さんはよかったといってもうひとつを口元まで運んでくれる。
どれだけ優しいのだろうか。
私はそのあとも口元に運ばれたリンゴを一つ一つゆっくりと頬張った。
食べ終わったあと、食器を片付けに行った豪さん。
さっきも同じことを感じたけど少し寂しい。
隣の部屋にいると分かっていても。
水の音と食器がぶつかってなるカシャンという音が部屋まで聞こえる。
早く豪さんが来てくれないかなとそんなワガママが心の中で出てきた。
ベッドの中で小さく丸まる。
寂しくないと言い聞かせても風邪で弱った脳はやっぱり甘えてしまう。
するとドアが空いて豪さんが入ってきた。
それだけで私は嬉しいと思ってしまう。
「起きていたんですね。寝ててもよかったのに…」
ベッドの横に椅子を置いて座る豪さん。
大丈夫ですか?と聞きながら頭を撫でてくれる。
私はつい「大丈夫じゃないです…」とちょっと弱ったアピールみたいなものをしてしまう。
甘え方にしてはすごく下手だ。
「大丈夫ではないですよね…あ、じゃあ」
そう言って豪さんは席を立って何故か私のベッドに潜り込んでくる。
「豪さん…!風邪うつっちゃいますよ…!」
「僕にうつって玲さんが治るなら全然気にしません。」
豪さんは私を強く抱きしめて優しく背中をポン…ポン…と叩いてくれる。
「風邪の時って少し人肌恋しくなるじゃないですか。少しでも安心できるように…と。」
バレていた。
寂しいと思っていたことが。
私は豪さんに甘えるように豪さんの服を握る。
熱とは違う豪さんの温もりのせいで少しずつ瞼が重くなった。
「寝てもいいんですよ。僕はずっと隣にいますからね。」
背中を優しく叩いていた手は頭の後ろへ行ってもう一度強く抱きしめてくれる。
私はそのまま重い瞼を閉じて彼の温もりに包まれながら眠りについた……