営業日誌

食事処「黄昏」

2025/07/07 22:38
「夢の中でだけ行ける食事処がある」────そんな噂を聞いた事があるだろうか。


眠りに落ちた暗い空間に、突如ぱっと明るい黄昏色の暖簾がかかり、格子戸と共に現れるのだ。


どんな店が気になる?では、少し中を覗いてみよう。





***



タマ:さ、さ、の、は、さらさら~♪
(店の入り口に立ててある笹に短冊を吊るしつつ)


ミケ:………ちょっと、タマ!

タマ:どうしたの?ミケくん……。

ミケ:ちゃんと仕事してくれよ……もうすぐ開店だぞ?歌ってないで早く台拭いて!
(厨房からカウンターにふきんを置き)


タマ:今日は稲成さまがねぇ、すぺしゃる定食を出してくれるの~。それが楽しみで楽しみで……えへへ……。
(言われた通りふきんを手に取って台を拭き。機嫌が良いのか尻尾が揺れていて)


ミケ:………初耳なんだけど…?

稲成:さっき決めたからねぇ~。
(厨房から緩く返事をして)


ミケ:はい!?

タマ:今日は七夕だから、今日限定なの~。ね?素敵でしょ?

ミケ:ま、また急に決めて……!そういう大事なことは先に言ってよ稲成さま!宣伝とかどうするんだよ……!!

稲成:だって、お客来ないかもだろ?

ミケ:だからって……むぐ!?
(ぷりぷりと怒りつつ厨房の料理人に文句を言おうとするも、口に何かを突っ込まれ)


稲成:まぁまぁ、はい、リコピンあげる。
(ミケの口に入れたのはミニトマトのようで)


ミケ:むぐ……これ……。

タマ:私とミケとで育ててた家庭菜園から今日、収穫してきたの~!おいしい?

ミケ:美味しい、けど……。

稲成:限定メニューにはちゃんと、おあげも入れてあるよー。

ミケ:!

タマ:おあげ!私、おあげ大好き!

稲成:僕もー。

ミケ:………………ぐっ…。

稲成:ミーケ。二人のはちょっとおあげ盛ったげるから、機嫌直して?

ミケ:し、………仕方無いなぁ………。次からはせめて!一日前に言ってくださいよ?うちには常連さんだっているし、その人達が知らなくて限定メニューが食べられなかったらしょんぼりするかもしれないんだからな!

稲成:はいはーい。じゃあ、僕は仕込みに戻るからあとは宜しくねー。

タマ:おあげ♪おあげ♪
(尻尾を振りつつテーブルを拭いていて)


ミケ:あと、タマはつまみ食いしないこと!まかないの時間まで我慢だからな。

タマ:えぇ~~!!



本日のメニュー:【七夕限定・天の川風そうめん定食】

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