日々

桜の下で

2023/04/02 22:11
───空蝉荘、庭先───



スウ:……………。
(桜の木の下でレジャーシートを広げ、その上に座りなから上を見上げていて)


曙:スウさ~ん!

スウ:………!あ、曙さん、アリアさん………。

アリア:お待たせしました。

スウ:…………!
(ふるふると首を横に振り)


アリア:今年も綺麗に咲きましたね。

曙:はい!皆さんも来れたら良かったんですが、昼間は忙しいみたいで……。

スウ:は、………。

アリア:………?どうしましたか、スウ。

スウ:は、創さんが………ば、……バイト終わったら、来るって………。

アリア:そうか、今日は日曜だから夕方まででしたね……。

曙:じゃあ、先に始めてましょうか。

アリア:そうですね。

曙:大したものは作れてないんですが…。
(三段の重箱を手前に出しながら蓋を開け)


アリア:相変わらず凄いですねぇ、曙さん……。

曙:僕なんて、上の兄姉きょうだいに比べたら全然ですよ。

アリア:7人きょうだいでしたね、曙さん。

曙:はい、僕は5番目なんですが……。

スウ:………!ゼリー……。

曙:前、アリアさんからスウさんはゼリーが好きだって聞いたので、作ってみました。

スウ:あ……ありがとう……。

アリア:あら、じゃあこれは要りませんでしたかね?
(何処かのケーキ屋の箱を出しつつ)


スウ:えっ!?あ、あのう……!

アリア:ふふ、ごめんなさい。スウが可愛くて意地悪しちゃいました。これは夜に一緒に食べて、今は曙さんの作ったものを頂きましょうか。

スウ:………は、はい……!

アリア:皆さんは、創さんと馴染めていますか。

曙:僕ですか?はい!良くしていただいてますよ。この間、差し入れ持ってきてくれたんです。

アリア:あぁ、それは僕の所にも来ましたよ。全員の所に配ってたみたいですね。

スウ:…………は、創さん……優しい…。

アリア:そうですね。八雲さんには突っぱねられてたみたいですが……懲りずにドアノブにかけているみたいです。

曙:この間、商店街のイベントのお手伝いしてましたよ。

アリア:あー……ナギさんが言ってたやつですね。着ぐるみの。

スウ:………しゃ、写真、……送られてきた……。

アリア:くまのやつですね。あれはこっ……いえ、可愛らしくて良かったです。

曙:なんか、見れば見るほど巡さんに重ねてちゃいますね。

アリア:本当にそっくりですよねぇ……。

創:そんなにか?

スウ:ぴゃ…………!!?
(飛び上がり思わずアリアの後ろに隠れて)


創:あ、ごめんなスウ。びっくりさせて……。

アリア:おや、バイト終わられたんですか?

創:ああ。明がアパート入り口でうろうろしてたから、もう集まってるのかと思って……。
(肩付近の火の玉を指差しながら)


曙:明ちゃん、見かけないと思ったら創さんを迎えに行ってたんだね…!
(火の玉はふよふよと移動し、曙の頭上で止まり)


創:バイト先で差し入れ貰ったから、花見の足しにしてくれ。

アリア:また大量ですね。

曙:食べきれなかったらどうしましょう……。

創:お、俺が責任持って食べる!!

スウ:…………、は、創さん……!

創:ん?

スウ:………これ……た、食べ過ぎは……駄目です……よ……?
(すっと胃薬の箱を差し出して)


創:はは、気を遣ってくれたんだな。ありがとう。無茶はしない程度に食べるけど、これは一応貰っとくな。

スウ:……………。
(小さく頷き)


創:それに、今日いない皆にもお裾分けすりゃいいし!な!

アリア:そうですね。八雲さんの所は創さん、お願いしますね?

創:うっ………、そうだな、……俺がちゃんと持っていく!

曙:ありがとうございます。

アリア:では、そろそろ頂きましょうか。

創:そうだな!

四人:いただきます!

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