日々
覗き窓から見た景色
2024/03/19 19:37八雲:おい。
創:ん?
八雲:いつまで握ってんだ……。
創:おわっ!?わ、悪い……!強すぎたか!?
(指摘されて慌てて手を放しつつ)
八雲:手汗凄いぞお前……。
創:えっ!?あー……気持ち悪かったよな……!いやー、暑くて……。
八雲:今日、15度いってねぇけど。
創:えーっとぉ……。
八雲:………「はーちゃん」。
創:っ……、それやめて………。
(渾名にギクリと肩を震わせつつ)
八雲:……………お前とあいつが知り合いだろうがなんだろうが俺には関係ねぇ。
創:…………八雲ならそう言うと思った。
八雲:はぁ……………帰る。
創:えっ!?の、乃々はどうするんだ!俺家、知らないぞ!?
八雲:クソナギにでも投げとけよ。
創:あー……。
***
ラオ:それデ、ハジメは逃げちゃッたのカー。
フィン:ハジメ……ヘタレ。
創:ちがっ……違う違う!
ラオ:そもそモ、なンであのキラキラアイドルとハジメが知リ合いなンだ?
創:一応、……幼馴染みなんだけど……。
フィン:含ミがあるネ……。
ラオ:何々、訳あリ?
創:うーん………でも、仕事中ですよ?
ラオ:今休憩中だシ、問題ないヨ。
フィン:はイ、まかナい。
(カウンターに丼を置きつつ、自分もテーブル席に丼を持って移動し)
創:ありがとな、フィン……今日はなんだ?
フィン:もりもり漬けサーモン丼……。
創:…………うまそう。
ラオ:サぁ、食べながラでいいからどうゾー?
創:えっと……三歳くらいの頃、夏の間ふた月だけかな……。母さんの方のじーちゃんの家に居たことがあって、星はその時に出会ったんだ。
フィン:母方の方はココから遠いノ?
創:どっちかっつーと都会寄りだけど、山の方にあったから長閑なところで……あいつ、凄い目立つ容姿だろ?それで近所のガキ大将からいじめられてたから、庇って助けたんだ。
ラオ:またお人好ししてルねー。
創:それから、星はずっと俺のあとをついてくるようになった。俺も友達って呼べる子が出来て嬉しかったから、毎日日が暮れるまで遊んでた。
フィン:ココまでは普通ヨ。
ラオ:よくあル話だナー。
創:俺が元の家に戻る三日くらい前かな……俺が気に入らなかったガキ大将と取り巻き達が作った落とし穴に落とされて……そのまま山に置き去りにされたんだ。辺りは木だらけ。子供の力では自力で出れないし、助けも呼べない。だんだんと暗くなって、もう駄目かと思った……その時に、星の声が聞こえてきた。
創:『助けに来たよ、はーちゃん』って。手に持ってたランタンと髪の毛の色も相まって、凄く星が輝いて見えた。その後無事に助け出されてこっぴどく叱られたよ。
ラオ:ガキ大将達はどウなったヨ?
創:俺も気になってて、助けてもらった時に大人達に聞いたんだ。そしたら……主犯のガキ大将も、取り巻き達も……急に事故に遭ったり、体調を崩したりしていた。『全員同時に』だ。
フィン:……………それデ?
創:星に聞いた。あいつ等はどうなったのかって………そしたら、言うんだよ。『はーちゃんはしんぱいしなくてもだいじょうぶだよ、あいつらはぼくが“だんざい”したから』って………。
創:断罪、って………三歳の子供が使う言葉じゃないよな……俺はその時は意味が分からなかったけど、これだけは覚えてる。その時の星の顔は、笑顔なのにあまりにも怖くて………俺はその日以降星とは顔を合わせる事なく元の家に帰ったんだ。
ラオ:途中からなンかホラーになっタなー。
フィン:ハジメ、そウいうのに好かレやすイ………気をつケた方が良いヨ。
創:いやいや……かたや人気のアイドル、かたや一般大学生だから!………もう会う事もないですよ。
創:ん?
八雲:いつまで握ってんだ……。
創:おわっ!?わ、悪い……!強すぎたか!?
(指摘されて慌てて手を放しつつ)
八雲:手汗凄いぞお前……。
創:えっ!?あー……気持ち悪かったよな……!いやー、暑くて……。
八雲:今日、15度いってねぇけど。
創:えーっとぉ……。
八雲:………「はーちゃん」。
創:っ……、それやめて………。
(渾名にギクリと肩を震わせつつ)
八雲:……………お前とあいつが知り合いだろうがなんだろうが俺には関係ねぇ。
創:…………八雲ならそう言うと思った。
八雲:はぁ……………帰る。
創:えっ!?の、乃々はどうするんだ!俺家、知らないぞ!?
八雲:クソナギにでも投げとけよ。
創:あー……。
***
ラオ:それデ、ハジメは逃げちゃッたのカー。
フィン:ハジメ……ヘタレ。
創:ちがっ……違う違う!
ラオ:そもそモ、なンであのキラキラアイドルとハジメが知リ合いなンだ?
創:一応、……幼馴染みなんだけど……。
フィン:含ミがあるネ……。
ラオ:何々、訳あリ?
創:うーん………でも、仕事中ですよ?
ラオ:今休憩中だシ、問題ないヨ。
フィン:はイ、まかナい。
(カウンターに丼を置きつつ、自分もテーブル席に丼を持って移動し)
創:ありがとな、フィン……今日はなんだ?
フィン:もりもり漬けサーモン丼……。
創:…………うまそう。
ラオ:サぁ、食べながラでいいからどうゾー?
創:えっと……三歳くらいの頃、夏の間ふた月だけかな……。母さんの方のじーちゃんの家に居たことがあって、星はその時に出会ったんだ。
フィン:母方の方はココから遠いノ?
創:どっちかっつーと都会寄りだけど、山の方にあったから長閑なところで……あいつ、凄い目立つ容姿だろ?それで近所のガキ大将からいじめられてたから、庇って助けたんだ。
ラオ:またお人好ししてルねー。
創:それから、星はずっと俺のあとをついてくるようになった。俺も友達って呼べる子が出来て嬉しかったから、毎日日が暮れるまで遊んでた。
フィン:ココまでは普通ヨ。
ラオ:よくあル話だナー。
創:俺が元の家に戻る三日くらい前かな……俺が気に入らなかったガキ大将と取り巻き達が作った落とし穴に落とされて……そのまま山に置き去りにされたんだ。辺りは木だらけ。子供の力では自力で出れないし、助けも呼べない。だんだんと暗くなって、もう駄目かと思った……その時に、星の声が聞こえてきた。
創:『助けに来たよ、はーちゃん』って。手に持ってたランタンと髪の毛の色も相まって、凄く星が輝いて見えた。その後無事に助け出されてこっぴどく叱られたよ。
ラオ:ガキ大将達はどウなったヨ?
創:俺も気になってて、助けてもらった時に大人達に聞いたんだ。そしたら……主犯のガキ大将も、取り巻き達も……急に事故に遭ったり、体調を崩したりしていた。『全員同時に』だ。
フィン:……………それデ?
創:星に聞いた。あいつ等はどうなったのかって………そしたら、言うんだよ。『はーちゃんはしんぱいしなくてもだいじょうぶだよ、あいつらはぼくが“だんざい”したから』って………。
創:断罪、って………三歳の子供が使う言葉じゃないよな……俺はその時は意味が分からなかったけど、これだけは覚えてる。その時の星の顔は、笑顔なのにあまりにも怖くて………俺はその日以降星とは顔を合わせる事なく元の家に帰ったんだ。
ラオ:途中からなンかホラーになっタなー。
フィン:ハジメ、そウいうのに好かレやすイ………気をつケた方が良いヨ。
創:いやいや……かたや人気のアイドル、かたや一般大学生だから!………もう会う事もないですよ。
追記
***
星:はーちゃん、みぃつけた……もう会えないと思ってたけど、あんなとこに居てくれてラッキーだったなぁ………。
(何処かの木の上に一つの人影。背中からは白い翼、頭上には光輪が浮かんでいる。その人物が持つ双眼鏡は目元にあり、覗くレンズの先には小さな弁当屋が。そこにいる当人を見つけて笑みを浮かべて)
星:住んでるとこも魔物ばっかりだ……僕が連れ出してあげなきゃ……はーちゃんに悪い事するものは、ぜーんぶ僕が『断罪』してあげるね?はーちゃん。
星:はーちゃん、みぃつけた……もう会えないと思ってたけど、あんなとこに居てくれてラッキーだったなぁ………。
(何処かの木の上に一つの人影。背中からは白い翼、頭上には光輪が浮かんでいる。その人物が持つ双眼鏡は目元にあり、覗くレンズの先には小さな弁当屋が。そこにいる当人を見つけて笑みを浮かべて)
星:住んでるとこも魔物ばっかりだ……僕が連れ出してあげなきゃ……はーちゃんに悪い事するものは、ぜーんぶ僕が『断罪』してあげるね?はーちゃん。