日々
懇願のしるし
2023/06/15 23:38アリア:あら、創さん。今帰りですか?
創:アリア!いや、一旦荷物置いてからバイトだよ。
アリア:大変ですねぇ……お疲れ様です。
創:ありがとな。そうだ……アパートまでで良いから、ちょっと聞きたいこと聞いてもいいか?
アリア:スウ以外の事でしたらいいですよ。
創:何もしないぞ!?
アリア:分かっていますが念のため、です。
創:いや、アリアはどうしてその……女装なんだ?
アリア:可愛いからですかね。
創:へー……。
アリア:おや……腑に落ちない顔ですねぇ。
創:何となくだけど……本当の理由は別にあるよな……?
アリア:!
創:あーっと………違ったか?
アリア:まぁ、創さんなら………いいですよ。ちゃんと教えて差し上げても……。
創:いいのか?
アリア:減るものではないですしね。僕が女装を始めたのは、スウの為ですよ。
創:スウが?してくれって言われたのか?
アリア:スウがそんなこと言うはずないでしょう……あれはですね、確か……。
~~一年半前~~
アリア:ただいま帰りました。
リズ:おかえりアリア君!今日は早いのねぇ。
アリア:今、定期考査中なんです。
リズ:そうなのねぇ………そうそう、丁度良かったわ!巡さんが新しい子を連れてきたのよぉ。アリア君にも紹介するわねぇ。
アリア:珍しいですね、この時期に…。
リズ:スウちゃーん?おかしいわね……さっきまでそこにいたのだけれど……。
アリア:………もしかして、足元の方では?
リズ:えっ?………あっ!いたわ!
(ふと指摘された足元を見れば、バスケットボール大のゼリー状のものが震えており、抱えあげて)
アリア:モンスター……ですかね……?
スウ:…………!!!
(リズの腕に収まっていたゼリー状のものは段々と涙目になっており)
アリア:!!?
リズ:あ~~違うのよぉスウちゃん、泣かないでぇ……?ね?
アリア:す、すみません……初対面で失礼なことを言いました……。
(頭を下げて)
リズ:大丈夫だからアリア君も頭上げて……!えっと、この子はスウちゃん。何処かの世界から飛ばされて来たみたいなのだけれど、ちょっとお喋りは苦手みたい。
アリア:そうなんですね。
リズ:そうそう、アリア君の部屋のお隣さんだから仲良くしてあげてねぇ?
アリア:えっ?こ、この姿で住まれるんですか?
リズ:違うのよぉ。スウちゃん、戻れる?一旦降ろすわねぇ。
(抱えていたゼリー状のものを地面に置いて。すると爆発音と共に人影が揺れて)
アリア:!
スウ:……………………ふぇ……。
(煙が晴れた先に、髪がゼリーのような光沢を纏ったワンピース姿の少女が涙目で佇んでおり)
アリア:………………………。
リズ:アリア君?どうかしたのぉ?
アリア:あっ………いえ……。えっと、スウさん………?
スウ:!!
アリア:僕はアリア・コールマン……貴女の部屋の隣人です。宜しくお願いしますね?
(握手をしようと手を伸ばして)
スウ:ぴぇ…………!
(伸ばされた手にもびくつき怯えていて)
アリア:!
スウ:あっ、………ご、……ごめんなしゃぃいいい!!!
(ふるふると首を振りながらスライム姿に戻ればその場から脱走し)
アリア:ちょ……スウさん…!!?
リズ:スウちゃん、前居たところでちょっと色々あったみたいでねぇ………男の子が苦手みたいなのよぉ……。巡さんは平気みたいだけど……。
アリア:………そうですか…。
リズ:きっとその内慣れてくれるはずよぉ。だから、あまり気にしないでねぇ?
アリア:………分かりました。
~~翌日~~
コンコン
リズ:はぁ~~い……あら、スウちゃん!いらっしゃい。どうしたのぉ?
スウ:………あっ、あの……昨日は………。
(もにょもにょと口ごもりつつ)
リズ:そうそう!………昨日の今日なのだけれど、紹介したい人がいるのよぉ。
スウ:ふぇっ?
リズ:アリア君~~?
スウ:!!?
アリア:ちょっとリズさん、まだ準備が………あ。
(呼ばれた当人は昨日の姿とガラリと変わり、髪は下ろしスカートを穿いており)
スウ:あ…………あの………?えっ…………?
(突然のことにアリアとリズを交互に見ながら)
リズ:びっくりしたかしら?昨日も見た通り、彼は男の子よぉ。女装癖、って訳でもないわね。
スウ:ど、どうして…………。
アリア:…………スウさん。
(戸惑うスウの前に膝をついて手を取って)
スウ:ぴゃ………!!?
アリア:その………、男は苦手だとお聞きしたので…………変ですか……?
スウ:い、いや……!?そんな、こと……!!
アリア:邪な気持ちはありません。ただ、その………。
スウ:………?
アリア:貴女を見た時に、僕は一瞬で心を奪われたんです………。
スウ:ふぇ………!!?!
(予想だにしなかった言葉に耳まで真っ赤になり)
アリア:初めてなんです。貴女のような女性にお会いしたのは………男が苦手なら、貴女が慣れるまで僕は女性として振る舞います。だから、………恋人を前提に、友人になって下さいませんか……?
(そのまま手を引き寄せれば、手のひらに口付けをし)
スウ:……………!!?!
(目の前で起こったことに脳内がショートし、気を失って)
アリア:えっ!?す、スウさん……!?
***
アリア:と、言うわけで僕は女装を始めたんです。今でも続けているのはこの姿の方が都合がいい事が多いので……。
創:お前………凄いな……。
アリア:何がですか?
創:いや、普通会って一日で告白までいかない……。
アリア:そうですか?僕は一目惚れした相手を絶対に他の誰にも渡す気が無かったものですから、……鉄は熱い内に打っておかないと。
創:まぁ、でも人見知りはあるけど、今はスウも大分男に慣れてるよな。
アリア:それは………。
創:ん?
アリア:いえ…………なんでもありません。秘密、と言うことで。
(口元に人指し指を当てつつにっこりと笑みを浮かべ)
創:(あ、これ聞かない方がいいな……。)
創:アリア!いや、一旦荷物置いてからバイトだよ。
アリア:大変ですねぇ……お疲れ様です。
創:ありがとな。そうだ……アパートまでで良いから、ちょっと聞きたいこと聞いてもいいか?
アリア:スウ以外の事でしたらいいですよ。
創:何もしないぞ!?
アリア:分かっていますが念のため、です。
創:いや、アリアはどうしてその……女装なんだ?
アリア:可愛いからですかね。
創:へー……。
アリア:おや……腑に落ちない顔ですねぇ。
創:何となくだけど……本当の理由は別にあるよな……?
アリア:!
創:あーっと………違ったか?
アリア:まぁ、創さんなら………いいですよ。ちゃんと教えて差し上げても……。
創:いいのか?
アリア:減るものではないですしね。僕が女装を始めたのは、スウの為ですよ。
創:スウが?してくれって言われたのか?
アリア:スウがそんなこと言うはずないでしょう……あれはですね、確か……。
~~一年半前~~
アリア:ただいま帰りました。
リズ:おかえりアリア君!今日は早いのねぇ。
アリア:今、定期考査中なんです。
リズ:そうなのねぇ………そうそう、丁度良かったわ!巡さんが新しい子を連れてきたのよぉ。アリア君にも紹介するわねぇ。
アリア:珍しいですね、この時期に…。
リズ:スウちゃーん?おかしいわね……さっきまでそこにいたのだけれど……。
アリア:………もしかして、足元の方では?
リズ:えっ?………あっ!いたわ!
(ふと指摘された足元を見れば、バスケットボール大のゼリー状のものが震えており、抱えあげて)
アリア:モンスター……ですかね……?
スウ:…………!!!
(リズの腕に収まっていたゼリー状のものは段々と涙目になっており)
アリア:!!?
リズ:あ~~違うのよぉスウちゃん、泣かないでぇ……?ね?
アリア:す、すみません……初対面で失礼なことを言いました……。
(頭を下げて)
リズ:大丈夫だからアリア君も頭上げて……!えっと、この子はスウちゃん。何処かの世界から飛ばされて来たみたいなのだけれど、ちょっとお喋りは苦手みたい。
アリア:そうなんですね。
リズ:そうそう、アリア君の部屋のお隣さんだから仲良くしてあげてねぇ?
アリア:えっ?こ、この姿で住まれるんですか?
リズ:違うのよぉ。スウちゃん、戻れる?一旦降ろすわねぇ。
(抱えていたゼリー状のものを地面に置いて。すると爆発音と共に人影が揺れて)
アリア:!
スウ:……………………ふぇ……。
(煙が晴れた先に、髪がゼリーのような光沢を纏ったワンピース姿の少女が涙目で佇んでおり)
アリア:………………………。
リズ:アリア君?どうかしたのぉ?
アリア:あっ………いえ……。えっと、スウさん………?
スウ:!!
アリア:僕はアリア・コールマン……貴女の部屋の隣人です。宜しくお願いしますね?
(握手をしようと手を伸ばして)
スウ:ぴぇ…………!
(伸ばされた手にもびくつき怯えていて)
アリア:!
スウ:あっ、………ご、……ごめんなしゃぃいいい!!!
(ふるふると首を振りながらスライム姿に戻ればその場から脱走し)
アリア:ちょ……スウさん…!!?
リズ:スウちゃん、前居たところでちょっと色々あったみたいでねぇ………男の子が苦手みたいなのよぉ……。巡さんは平気みたいだけど……。
アリア:………そうですか…。
リズ:きっとその内慣れてくれるはずよぉ。だから、あまり気にしないでねぇ?
アリア:………分かりました。
~~翌日~~
コンコン
リズ:はぁ~~い……あら、スウちゃん!いらっしゃい。どうしたのぉ?
スウ:………あっ、あの……昨日は………。
(もにょもにょと口ごもりつつ)
リズ:そうそう!………昨日の今日なのだけれど、紹介したい人がいるのよぉ。
スウ:ふぇっ?
リズ:アリア君~~?
スウ:!!?
アリア:ちょっとリズさん、まだ準備が………あ。
(呼ばれた当人は昨日の姿とガラリと変わり、髪は下ろしスカートを穿いており)
スウ:あ…………あの………?えっ…………?
(突然のことにアリアとリズを交互に見ながら)
リズ:びっくりしたかしら?昨日も見た通り、彼は男の子よぉ。女装癖、って訳でもないわね。
スウ:ど、どうして…………。
アリア:…………スウさん。
(戸惑うスウの前に膝をついて手を取って)
スウ:ぴゃ………!!?
アリア:その………、男は苦手だとお聞きしたので…………変ですか……?
スウ:い、いや……!?そんな、こと……!!
アリア:邪な気持ちはありません。ただ、その………。
スウ:………?
アリア:貴女を見た時に、僕は一瞬で心を奪われたんです………。
スウ:ふぇ………!!?!
(予想だにしなかった言葉に耳まで真っ赤になり)
アリア:初めてなんです。貴女のような女性にお会いしたのは………男が苦手なら、貴女が慣れるまで僕は女性として振る舞います。だから、………恋人を前提に、友人になって下さいませんか……?
(そのまま手を引き寄せれば、手のひらに口付けをし)
スウ:……………!!?!
(目の前で起こったことに脳内がショートし、気を失って)
アリア:えっ!?す、スウさん……!?
***
アリア:と、言うわけで僕は女装を始めたんです。今でも続けているのはこの姿の方が都合がいい事が多いので……。
創:お前………凄いな……。
アリア:何がですか?
創:いや、普通会って一日で告白までいかない……。
アリア:そうですか?僕は一目惚れした相手を絶対に他の誰にも渡す気が無かったものですから、……鉄は熱い内に打っておかないと。
創:まぁ、でも人見知りはあるけど、今はスウも大分男に慣れてるよな。
アリア:それは………。
創:ん?
アリア:いえ…………なんでもありません。秘密、と言うことで。
(口元に人指し指を当てつつにっこりと笑みを浮かべ)
創:(あ、これ聞かない方がいいな……。)