Everyday
正義の名のもとに
2023/03/12 22:08───天界・天界警察本部───
天界警察職員:お早うございます!リヒト上官!今日はこちらで仕事ですか?
リヒト:おー、ちょい所用。
天界警察職員:リヒト上官!今度捕縛の稽古つけていただけませんか?
リヒト:次、こっち来たときにねー。
天界警察職員:はい!
フェリシア:………………。
(ジト目で見上げながら)
リヒト:何よ、フェリ。何か言いたげじゃん。
フェリシア:いや………つくづく、あんた本当に偉い人なんだな………って思っただけよ。
リヒト:ひどっ!!じゃなかったら、人間界派遣部隊の指揮なんてやってないからね!?
フェリシア:あんた、身だしなみもそうだけど、普段からちゃんとしなさいよ。折角、やればで……
リヒト:やればで?
フェリシア:っ…………!な、何でもないわ!
リヒト:えーー?何だろうなーー?
フェリシア:ちょっと、あんたからかってるでしょ!!わっ!!
(通路の向こう側から人影が現れ、気付かずにぶつかり)
リヒト:あーあ、フェリが余所見するから……………あ。
フェリシア:うるさいわよリヒト!…………って…………っ!!
(ぶつかった拍子に尻餅をつき。腰を擦っていると、目の前に手が差し伸べられその相手を見て息を飲み)
リヒト:あーーっと……ご、ご無沙汰してます……マルス副総司令官。
マルス:…………………。
(リヒトの挨拶に小さく頷き返せば、フェリシアの手を引いて立ち上がらせて)
フェリシア:きゃっ!?
マルス:………………。
(立ち上がらせれば、そっと手を離し)
フェリシア:あ、ありがとうございます、マルス様……。
マルス:………………。
(ふるふると首を横に振って)
フェリシア:(………ちょっと!リヒトのせいでマルス様にぶつかったじゃない!)
リヒト:(えぇー、俺!?)
フェリシア:(どうしよう、怒ってるかも………リヒト、分からないの?)
リヒト:(いやいや、マルス上官の事が分かるのって確か………)
???:あらあら、どうしたの?
二人:!!!
マルス:………………。
(声のする方に体を向ければ、その場に跪き)
ティア:リヒト、フェリシア。遥々ご苦労様。忙しかったのに、大変だったでしょう?
リヒト:い、いいえ。そんなことは…。
(帽子を取りながら跪いて)
ティア:フェリシア。マルスは貴女を突き飛ばしてしまったのを申し訳なく思ってるみたいよ?怒ってはいないから安心してね。
フェリシア:はっ、はい………!
ティア:廊下で立ち話もなんだから、私の部屋にいらっしゃい。マルス、お茶を。
マルス:………………。
(小さく頷き)
リヒト:………いや、上官にそんなこと……。
ティア:いいのよリヒト。確かに貴男からしたら上官かもしれないけど、マルスは私の近侍だもの。何をお願いしてもおかしくないでしょう?
リヒト:…………そうですね、じゃあご厚意に甘えさせていただきます。
フェリシア:(…………リヒト、考えるの諦めたわね………。)
***
ティア:人間界はどうかしら。
リヒト:優秀な部下達のお陰で楽させてもらっていますよ。
フェリシア:本当に思ってるのかしらねぇ…。
リヒト:ちょっと、フェリ!!余計なこと言わないの!!しーーっ!!
ティア:ふふっ、仲が良くていいわね。
リヒト:こほん……総司令官の言う通り、各所に潜入して見張っていますが、今のところ大きな問題は起こっていません。
ティア:最初はフェリシアが中学に編入するって聞いた時はどうなることかと思ったけれども、馴染めているようで良かったわ。人間達とはどんなことをしているの?
フェリシア:どんなことと言われても、再び勉学に励んでるくらいです……。
リヒト:ヴォルフラムやランも、学生生活に馴染んでいるみたいです。ゼフは町の者に慕われているようですよ。
ティア:守るもののことを知るのは良いことです。これからも是非、人間達の事を知っていって下さいね。
マルス:………………。
ティア:ああ、ところで………魔界の人達とはどうなっているのかしら?
フェリシア:えっ!?
リヒト:ど、どうとは……?
ティア:確か、ヴォルフラムとランの所にはワンちゃんがいましたよね?
リヒト:ワンちゃん……あー……ユーゴですね……。
フェリシア:二人は仲良くしているみたいですよ。
ティア:そうですか……仲良くするなとは言いませんが、ほどほどにするのですよ?………あら、そろそろ時間ね。マルス、フェリシアに土産を持たせてあげなさい。
フェリシア:えっ!!?!
マルス:…………………。
(小さく頷けば、こちらに来るように促し)
ティア:ごめんなさいね、フェリシア。ちょっとリヒトと話すことがあるから、先に帰っていて。皆にも宜しく伝えてね。
フェリシア:は、はい!失礼致します!
(敬礼をすれば、慌ててマルスの後をついていくようで)
ティア:ふふっ、フェリシアはいつも可愛くていいわねぇ…………さてと………やっと二人きりね?リヒト。
リヒト:そうですね。
ティア:じゃあ、そろそろ聞かせて頂戴………『死神さん』の話を。
リヒト:…………特に変わった事は無さそうですよ。役場の勤務も、人間達への対応も。
ティア:そう。
リヒト:ああ………ですが、この間へんた………、失礼。向こうのザギからボスが来てから少し落ち込んでいると……。
ティア:……………ボス?
(持っていたティーカップの持ち手が割れ)
リヒト:……………!!?
(突然低くなった声色に身構えて)
ティア:それって、…………あの忌まわしきクマさんのことかしらねぇ………部下一人すらまともに動かせないとは……なんて愚かしい……。
リヒト:そうですね……。
(そっとティアから視線を逸らして)
ティア:………リヒト。
リヒト:はい。
ティア:今後も引き続き、死神さんの事は注意深く見ておいて下さい。変わったことがあれば、すぐに報告するように。いいですね?
リヒト:………総司令官の仰せのままに。
ティア:正義の名のもとに集った優秀な部下と守るべき愛おしい人間達。平和を壊す悪は、徹底的に排除あるのみ…………ですよね?リヒト。
リヒト:………ええ、そうです。
ティア:…………いつだって『正義は絶対』、なんですから。
天界警察職員:お早うございます!リヒト上官!今日はこちらで仕事ですか?
リヒト:おー、ちょい所用。
天界警察職員:リヒト上官!今度捕縛の稽古つけていただけませんか?
リヒト:次、こっち来たときにねー。
天界警察職員:はい!
フェリシア:………………。
(ジト目で見上げながら)
リヒト:何よ、フェリ。何か言いたげじゃん。
フェリシア:いや………つくづく、あんた本当に偉い人なんだな………って思っただけよ。
リヒト:ひどっ!!じゃなかったら、人間界派遣部隊の指揮なんてやってないからね!?
フェリシア:あんた、身だしなみもそうだけど、普段からちゃんとしなさいよ。折角、やればで……
リヒト:やればで?
フェリシア:っ…………!な、何でもないわ!
リヒト:えーー?何だろうなーー?
フェリシア:ちょっと、あんたからかってるでしょ!!わっ!!
(通路の向こう側から人影が現れ、気付かずにぶつかり)
リヒト:あーあ、フェリが余所見するから……………あ。
フェリシア:うるさいわよリヒト!…………って…………っ!!
(ぶつかった拍子に尻餅をつき。腰を擦っていると、目の前に手が差し伸べられその相手を見て息を飲み)
リヒト:あーーっと……ご、ご無沙汰してます……マルス副総司令官。
マルス:…………………。
(リヒトの挨拶に小さく頷き返せば、フェリシアの手を引いて立ち上がらせて)
フェリシア:きゃっ!?
マルス:………………。
(立ち上がらせれば、そっと手を離し)
フェリシア:あ、ありがとうございます、マルス様……。
マルス:………………。
(ふるふると首を横に振って)
フェリシア:(………ちょっと!リヒトのせいでマルス様にぶつかったじゃない!)
リヒト:(えぇー、俺!?)
フェリシア:(どうしよう、怒ってるかも………リヒト、分からないの?)
リヒト:(いやいや、マルス上官の事が分かるのって確か………)
???:あらあら、どうしたの?
二人:!!!
マルス:………………。
(声のする方に体を向ければ、その場に跪き)
ティア:リヒト、フェリシア。遥々ご苦労様。忙しかったのに、大変だったでしょう?
リヒト:い、いいえ。そんなことは…。
(帽子を取りながら跪いて)
ティア:フェリシア。マルスは貴女を突き飛ばしてしまったのを申し訳なく思ってるみたいよ?怒ってはいないから安心してね。
フェリシア:はっ、はい………!
ティア:廊下で立ち話もなんだから、私の部屋にいらっしゃい。マルス、お茶を。
マルス:………………。
(小さく頷き)
リヒト:………いや、上官にそんなこと……。
ティア:いいのよリヒト。確かに貴男からしたら上官かもしれないけど、マルスは私の近侍だもの。何をお願いしてもおかしくないでしょう?
リヒト:…………そうですね、じゃあご厚意に甘えさせていただきます。
フェリシア:(…………リヒト、考えるの諦めたわね………。)
***
ティア:人間界はどうかしら。
リヒト:優秀な部下達のお陰で楽させてもらっていますよ。
フェリシア:本当に思ってるのかしらねぇ…。
リヒト:ちょっと、フェリ!!余計なこと言わないの!!しーーっ!!
ティア:ふふっ、仲が良くていいわね。
リヒト:こほん……総司令官の言う通り、各所に潜入して見張っていますが、今のところ大きな問題は起こっていません。
ティア:最初はフェリシアが中学に編入するって聞いた時はどうなることかと思ったけれども、馴染めているようで良かったわ。人間達とはどんなことをしているの?
フェリシア:どんなことと言われても、再び勉学に励んでるくらいです……。
リヒト:ヴォルフラムやランも、学生生活に馴染んでいるみたいです。ゼフは町の者に慕われているようですよ。
ティア:守るもののことを知るのは良いことです。これからも是非、人間達の事を知っていって下さいね。
マルス:………………。
ティア:ああ、ところで………魔界の人達とはどうなっているのかしら?
フェリシア:えっ!?
リヒト:ど、どうとは……?
ティア:確か、ヴォルフラムとランの所にはワンちゃんがいましたよね?
リヒト:ワンちゃん……あー……ユーゴですね……。
フェリシア:二人は仲良くしているみたいですよ。
ティア:そうですか……仲良くするなとは言いませんが、ほどほどにするのですよ?………あら、そろそろ時間ね。マルス、フェリシアに土産を持たせてあげなさい。
フェリシア:えっ!!?!
マルス:…………………。
(小さく頷けば、こちらに来るように促し)
ティア:ごめんなさいね、フェリシア。ちょっとリヒトと話すことがあるから、先に帰っていて。皆にも宜しく伝えてね。
フェリシア:は、はい!失礼致します!
(敬礼をすれば、慌ててマルスの後をついていくようで)
ティア:ふふっ、フェリシアはいつも可愛くていいわねぇ…………さてと………やっと二人きりね?リヒト。
リヒト:そうですね。
ティア:じゃあ、そろそろ聞かせて頂戴………『死神さん』の話を。
リヒト:…………特に変わった事は無さそうですよ。役場の勤務も、人間達への対応も。
ティア:そう。
リヒト:ああ………ですが、この間へんた………、失礼。向こうのザギからボスが来てから少し落ち込んでいると……。
ティア:……………ボス?
(持っていたティーカップの持ち手が割れ)
リヒト:……………!!?
(突然低くなった声色に身構えて)
ティア:それって、…………あの忌まわしきクマさんのことかしらねぇ………部下一人すらまともに動かせないとは……なんて愚かしい……。
リヒト:そうですね……。
(そっとティアから視線を逸らして)
ティア:………リヒト。
リヒト:はい。
ティア:今後も引き続き、死神さんの事は注意深く見ておいて下さい。変わったことがあれば、すぐに報告するように。いいですね?
リヒト:………総司令官の仰せのままに。
ティア:正義の名のもとに集った優秀な部下と守るべき愛おしい人間達。平和を壊す悪は、徹底的に排除あるのみ…………ですよね?リヒト。
リヒト:………ええ、そうです。
ティア:…………いつだって『正義は絶対』、なんですから。