Everyday

まちのへいわ

2023/02/17 23:18
──昼ヶ崎町、派出所─



リヒト:っしゃあ!!4キルー!!

子供:あー!りひと、ずりー!!

子供:おとなげねー!!

リヒト:大人気なくないですーー!いいか?キッズ達……ゲームっつーのはここなのよ。それさえ念頭に置いときゃどんなゲームでも勝て…
(携帯ゲーム機を片手に空いた方の手でこめかみを指差して)


ゼフ:何してんですか。
(後頭部に肘鉄を食らわせ)


リヒト:い"っ"!!?

子供:あ!風嵐(かざらし)さんだ!

子供:こんにちは!

ゼフ:こんにちは。皆さん、もうすぐ17時ですよ。そろそろ帰られないと、お家の方が心配されます。

子供:あ、ほんとだ!

子供:りひと!じゃー、続きは次回な!

子供:さようならー、風嵐さん!

ゼフ:ええ、気を付けて帰って下さいね。

リヒト:…………っつ、てぇ……ちょっと、ゼフってばなにすんの!?

ゼフ:それはこっちの台詞です、バカ上官。何故、勤務中にサボって子供達とゲームしているのかお窺いしても?

リヒト:だってねゼフくん、ちびっこ達が遊んでって言うから俺がちゃちゃーっと秘技を見せてあげようかなってあでででで!!!!
(腕を組まれたかと思えばそのまま引っ張られて)


ゼフ:いいですか?リヒト上官。貴方、人間界派遣部隊『エレメンター』の長としての自覚が本当にあるのですか?俺だって、外回りに出たりしてずっと派出所にいる訳じゃないんですから、もっとちゃんとして頂かないと困ります。大体、貴方いつも…

リヒト:分かったから締め上げながら説教するのやめてくれない!?

フェリシア:ちょっと、あんた達……何やってるのよ……。

ラン:ただいまっすーー!!

ヴォルフラム:ただいま……。

ゼフ:おかえりなさい、フェリシア。ヴォルフ。ランも。

リヒト:何って、現在進行形でゼフにいじめられいででで!!?

フェリシア:どうせリヒトがまたサボってたんでしょ……。

ゼフ:理解が早くて助かります。それよりラン。今日は問題行動は起こしませんでしたか?

ラン:今日はー……あ!フラスコ割っただけっすね!

ゼフ:割ってるじゃないですか……ヴォルフ、貴方見てなかったんですか?

ヴォルフラム:………寝てたから、見てない…。

ゼフ:寝るな寝るな。

フェリシア:こんな調子で大丈夫なのあんた達……。

ゼフ:フェリシアは問題なさそうですね。

フェリシア:当然でしょ。たかが中学生のお遊びくらい、完璧にこなせないでどうするの。

ラン:でも、フェリ姉この間調理実習で爆発させたってひよりんが言ってたっすよ?

フェリシア:なっ……陽依余計なことを…!違うわよ!ちょっと火加減間違えただけじゃない!

リヒト:フェリってさー、とりあえず火ぃ通っとけばいいって思ってるっしょ。

フェリシア:そうでしょ!?

ヴォルフラム:…………フェリシアの料理、いつも黒い……。

ラン:私は好きっすよ!香ばしくて!

ゼフ:そういう問題ですかね………。

リヒト:ま、フェリの料理は一旦置いとこ!

フェリシア:ちょっと!リヒトあんた蔑ろにしてるでしょ?!

リヒト:してないしてなーい。

ゼフ:はぁ………とりあえず全員揃ったんですし、そろそろ報告会を始めましょう。

フェリシア:……いつも通り、私は異常無しよ。

ラン:私もないっす!

ヴォルフラム:………俺、ある……。

リヒト:ん?何?

ヴォルフラム:……まくらさんの、調子が悪い……。
(脇に抱えていた獏の形のぬいぐるみのようなものを掲げ)


リヒト:変なものでも拾い食いしたんじゃ……い"っ"で!!!
(言いかけている途中でそのぬいぐるみ?に左手を噛まれ)


フェリシア:リヒト、あんた馬鹿なの……?

ゼフ:本当に学習しませんね……そもそも、まくらさんは人前では動きませんし……拾い食いなんてランじゃないんですから……。

ラン:ゼフ兄、失礼っす!私は落ちて3秒以内のものしか食べないっす!最初から落ちてるのは流石に食べないんすから!

フェリシア:そこじゃないわよ、突っ込む所。

ヴォルフラム:………うんうん……リヒトが、おい〇牛乳買ってきてホットミルクにしてくれたら治る……って、言ってる……。

リヒト:買いに行くの俺ぇ!?

フェリシア:そりゃそうでしょ。

ラン:あ!買い物行くなら私も連れてって下さいっす!

リヒト:いいけど、お菓子は買わねぇからね?

ラン:えーーー!

アビス:相変わらず賑やかだな。

フェリシア:!!!

ゼフ:おや……アビスさん。今、お帰りですか?

アビス:ああ。今日は定時で終われたので、シンディから頼まれた使いを終わらせてきた所だ。

ラン:あっ!アビさん、その袋の中!

アビス:ん?

ヴォルフラム:…………おいし〇牛乳……。

リヒト:お、ラッキーじゃん!フェリ!もらえるか頼んでみなよ。

フェリシア:は!!?な、なんっ……なんで私!!?

ゼフ:リヒト上官、人様の物を勝手に取るのは……。

リヒト:いーじゃんいーじゃん!

アビス:ん?これが欲しいのか?
(袋から牛乳を取り出して)


フェリシア:そっ……んなんじゃないわよ!リヒトが勝手に言ってるだけだし!大体、あんたそれ頼まれてるやつでしょ?!

アビス:いいんだ。もう少し寄り道しようと思ってたし、スーパーの店員には一本買い忘れたとでも言えばいい……ほら。受け取ってくれ。
(フェリシアの前に跪けば、牛乳を差し出し)


フェリシア:…………いくらよ。

アビス:金なんていらないさ。俺からフェリシアにプレゼントしたってことで。

リヒト:牛乳プレゼントって色気ねー……あでっ!!?
(横から拳でどつかれ)


ゼフ:空気を読め馬鹿。

アビス:む、確かにこれじゃあ締まらないな……お。いいものがある……フェリシア、手を出してくれないか?
(スーツのポケットを探り)


フェリシア:な、何よ…………、……!
(おずおずと手を開けば何かを乗せられ。アビスの手が退いた先にはいちごミルク味のキャンディがあり)


アビス:生憎、それしか持ち合わせがなくてな……それも含めてプレゼントってことで構わないか?

フェリシア:っつ…………!ば、馬鹿じゃないの……!?!!

アビス:飴、嫌いだったか?

フェリシア:…………まっ……まぁ、あんたがそこまで言うなら、仕方なくもらってもいいけど……。

アビス:そうか……フェリシアは優しいな。

フェリシア:…………っ!!あんた、いい加減それやめなさいよ!!

アビス:ん?なんの事だ?





ラン:アビさん、相変わらずっすねー!

ヴォルフラム:………無自覚たらし……。

リヒト:俺、砂糖吐きそー。

ゼフ:…………珍しく同意見です。

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