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とあるメイドの一日~その1~

2023/05/11 23:43
メイド───清掃、洗濯、炊事などの家庭内労働を行う女性の使用人(※某ペディアより)
これは、とあるメイドの一日の記録である。



《a.m.5:00》
───ダークナイトマンション、某部屋───


ピピピピピ…


シンシア:ふぁ………よくねむれたのです……今日もいいお天気になりそうですね!はやくじゅんびしないとです!

《a.m.5:35》
ザギ:………やぁ、お早う。シンディ嬢。

シンシア:おはようございます、ザギさま!いつもよりお早いですね!

ザギ:今日はイベントの準備があってね………少し早く出るんだよ。

シンシア:今、朝食とお弁当を作っているところなのです!まだ時間ありそうですか……?

ザギ:大丈夫だよ。新聞取ってくる…

シンシア:もう取ってきてますよ!
(厨房の出入口付近のサイドテーブルの上を指差し)


ザギ:…………相変わらず仕事が早いね。
(日本語と英字の新聞の束を手に取りつつ)


シンシア:今日のコーヒーはどうしますか?

ザギ:ブラックでお願い出来るかな。

シンシア:わかりましたなのです!

《a.m.6:50》
アビス:お早う、シンディ!今日もいい働きっぷりだな!

シンシア:おはようございます、アビスさま!

アビス:ん?ザギ、もう出るのか?

ザギ:ああ。帰りは遅くなるかもしれない。

シンシア:まぁ!お夕食、どうしましょう…?

ザギ:心配しなくても、シンディ嬢が起きている間には帰るよ。

シンシア:本当ですか?

アビス:ザギは嘘はつかないぞ!

ザギ:それは言い過ぎだよアビス。僕だって多少はつくけれども、少なくとも女性に不誠実な事はしないよ………それじゃあ、行ってきます。

アビス:ああ。気を付けてな!

シンシア:いってらっしゃいませー!

アビス:いつもああなら、ルルカにももう少し優しくしてもらえるだろうに……。

シンシア:ふふっ、………でも、ザギさまはルルカさまにはちょっとだけ愛がつよいですからね!

《a.m.7:30》
ルルカ:お早う。

シンシア:ルルカさま!おはようございます!

アビス:お早う、ルルカ!今日も綺麗だな!

ルルカ:それはありがとう………ザギは?

シンシア:今日ははやく出られたのです!

ルルカ:そう………静かでいいわね。シンディ、紅茶いいかしら?

シンシア:はいなのです!

アビス:そんな事を言ってたら、ザギが悲しむぞ?

ルルカ:あの男がこの位で落ち込む訳ないでしょう……ほら、アビスももう出る時間じゃないの?

アビス:む………?そうだな、それじゃあ俺も行ってくる。

シンシア:いくまえに、ユーゴさまにひと声かけてもらえますか?

アビス:分かった。それじゃあ、行ってくるな!

ルルカ:えぇ。

シンシア:いってらっしゃいませー!

《a.m.7:55》
ルルカ:遅いわね。何してるのかしらあの子……。

シンシア:もしかして、………具合がすぐれないのかもしれません……。

ルルカ:それは絶対ないわシンディ。おおかた二度寝よ。放っておいても…

シンシア:見てくるのです!

《a.m.8:14》
ユーゴ:うわぁ~……やばぁい……!!遅刻する~……!!

ルルカ:ユーゴ………貴方また夜更かししたでしょう。

ユーゴ:違うよぉ~……目覚ましが勝手に止まってた~……!!

ルルカ:言い訳しない……ほら、口開けて。

ユーゴ:むぐっ!!………おいひぃ……たまごサンド………しみる~……。

シンシア:まにあいそうですか?これ、お弁当なのです!

ユーゴ:ありがとシンディ~……学校は走ればいける~……じゃあ、いってくる~……!!

ルルカ:途中で誰かにぶつかるんじゃないわよ。

シンシア:いってらっしゃいませー!

ルルカ:全く……人間だったら遅刻よ。

シンシア:ユーゴさま、はしるのおはやいですもんね!

ルルカ:さてと……シンディ、朝食は?

シンシア:これからいただくのです!

ルルカ:そう、じゃあ一緒に食べましょう。

シンシア:はい!

《a.m.9:25》
シンシア:ふぅ……!あとはゆかみがき、おせんたくと……………あ!お庭のお手入れもしないとです!

ルルカ:シンディ?そろそろ私も出るけれど……。

シンシア:あ、はい!いってらっしゃいませー!

ルルカ:………本当に一人で大丈夫?

シンシア:ルルカさまはしんぱいしょーです!シンディ、立派なメイドのなので、おるすばんはおやすいごようなのです!

ルルカ:いい?知らない奴が入ってきたらすぐこれを押すのよ。いいわね?

シンシア:いつも思ってるんてすが、これはなんのボタンなのです?

ルルカ:セ〇ムが来るのよ。

シンシア:セコ〇……?

ルルカ:それか、困った時に押せばいいわよ。

シンシア困ったら……わかりました!

《a.m.11:20》
シンシア:あっ………どうしましょう……!生クリームがないのです……!いつもはどなたかに頼んでいましたが、シンディ電話はもってないですですから………うーん…………。
(防犯ブザーのようなボタンを見つめつつ)


シンシア:困ったら、押してもいいよっていってましたよね……。

ポチっ

ネク:シンディ~~~~~!!!!!
(突如背後から現れて抱きつき)


シンシア:きゃっ!?……ね、ネクさま……!?

ネク:どうしたなんだ不審者か!!?任せろ私が一瞬で消す……。

シンシア:ち、ちがうんです~~!

ネク:んぇ?


***


ネク:なぁ~~~んだ、そういうことか~~~んも~~~シンディもルルカも可愛いなぁ~~~~!
(全力で頭を撫でて)


シンシア:ネクさま、このボタンはなんですか?

ネク:これを押せば、いつでもすぐに私が駆けつける。

シンシア:いつでも………はっ!そういえば、ベアードさまは放っておいていいんですか?

ネク:シンディとあいつなら、比べるまでもなくシンディだろ。

シンシア:き、急にいなくなったらベアードさまも困りませんか……?

ベアード:そうだ。
(目の前に黒い穴が現れたかと思えば、その中から少年の姿で現れ)


シンシア:ベアードさま!

ベアード:会議の途中で居なくなるから、何事かと思ったぞ……。

ネク:会議より大事なもんがあんだよ!!!

シンシア:ご、ごめんなさい……シンディがこれ押したから……。

ネク:シンディ~~~!!!シンディが悪いわけないだろ~~~~???悪いのはシンディのピンチの時に会議やってる城の奴等ばかども!!!

ベアード:酷い言われようだな……。

ネク:それで、見た感じ不審者は居ないし……なんの用事だった?

シンシア:今日のデザートに生クリームを使ったものをだそうとおもったのですが、切らしてしまって……なので、よければシンディのかわりにかってきてほしいのです……。

ネク:そんなの当たり前だろ~~~!!そうだ、買い物ならシンディも一緒に行こ!!

シンシア:あ………えっと……シンディ、は………無理なのです……。

ネク:ん?

シンシア:シンディは、ほかのみなさんより魔力が少ないから……ぎたい、がうまくできなくて………このお屋敷と、お庭しかでられないのです……。

ネク:………シーンディ?今、ここに居るのは誰だ?

シンシア:え………?ね、ネクさまとベアードさま………。

ネク:そ。ベアードは大ボケ爺で今はこんなんだが、この姿でも魔力量は西洋魔界中の住人全員以上なんだぜ?

シンシア:…………?えっと……。

ネク:つまり!こいつも一緒に連れていけばいいんだよ。

シンシア:………で、でも……ベアードさまは……にんげんが……。

ベアード:シンシア。

シンシア:!
(頭の上に手を置かれて撫でられ)


ベアード:俺も丁度、散歩に行こうと思っていた所だ………良かったら、一緒に来てくれないか………?

シンシア:………は、はいなのです……!シンディ、お着替えしてくるです……!
(顔を綻ばせながら立ち上がれば、一度談話室を出て自室に向かうようで)


ネク:……………めーずらし。断るかと思った。

ベアード:あの状況で断れる訳無いだろう………最初から俺も連れていくつもりだったな?ネク………。

ネク:当たり前だろ。お前は目を離すと直ぐボケて何するか分かんねぇんだから。

ベアード:まぁ、いい………子等が困っていれば手を差し伸べるのも俺の役目……さっさと行って帰るぞ。………この時期は日差しがきつい……。

ネク:いやいやいや、待て待て。

ベアード:ん?

ネク:お前、そんな格好で外出るつもりじゃねぇだろうな?目立つぞ。只でさえお前も私も目立つんだから………擬態しろ、擬態。

ベアード:擬態……?

ネク:分からねぇなら私が選んでやるよ!!さ、ちゃっちゃと着替えて出掛けるぞ!!スーパー!!

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