Everyday

ダークナイトマンション

2023/02/05 22:23
ここはどこかの人間界の自然豊かなとある町、昼ヶ崎ーーー昼ヶ崎には町の1/3を占めている『夜見の森』と呼ばれる森があった。この森は一部の区間、それから夜は全面的に立ち入りを禁止されている。何故ならばーーー

禁止区域の向こう奥深く、世にも恐ろしい『人成らざる者』の住む館があるからだ。












アビス:……おーーーい!!皆いるかーーー!?
(廊下は走ってきて勢い良く広間の扉を開ければ周囲を見渡し)


ルルカ:…………アビス、騒がしいわ。
(読みかけていた本から顔を上げれば声の主の方を一瞥し)


アビス:ああ、すまない!少し五月蝿くしてしまったな。

シンシア:アビスさま、おかえりなさい!

アビス:シンディ、ただいま!今日も仕事ご苦労様だぞ!
(少女の元へ寄り、脇から抱え込み上げればその場で一周して)


シンシア:きゃーーっ!目がまわっちゃいますよ!でも、シンディはメイドなのでこれくらいはとうぜんなのです!

ルルカ:それで、何か用事があったんじゃないのかしら。

アビス:そうなんだ!実は、ネッ友の『すーぽんぽこ』殿がまた服を送ってくれてな!

ルルカ:あら、それって確か月……丸?

アビス:月影丸だ!

ルルカ:そう。月影丸の衣装送ってくれたっていう……

シンシア:新しいおようふくですか?

アビス:今回は皆の分作ってくれたみたいだぞ!

ルルカ:えっ。

シンシア:まぁ!でしたら、ルルカさまのきつけはシンディがお手伝いするのです!

ルルカ:まっ……て頂戴。まだ着るとは言ってな……

シンシア:だめですか……???
(ドレスの裾を引っ張りながら見上げ)


ルルカ:………………まぁ、シンディが言うなら……少しだけよ。

アビス:ルルカならきっと似合うさ!

シンシア:では、アビスさま!ルルカさまはシンディにまかせてくださいなのです!

アビス:任せたぞ!



***



ユーゴ:それで~、そんな感じの格好なんだ~?

アビス:ああ。すーぽんぽこ殿は本当にいつも凄いな!
(友人から送られてきたブレザーの学生服に身を包んでおり)


ユーゴ:因みにそれ~、何処の制服なの~?

アビス:星〇高校の制服だそうだ!彼の好きなアニメの高校生の兄が着ている、と言っていたぞ!

ユーゴ:おれたちのガッコーの制服とも違うね~……ちょっと着てみよっかな~。

アビス:ああ。俺が上着を預かるぞ、ユーゴ!

ユーゴ:ありがとぉ~。
(上着を脱ぎながらアビスに手渡し)


ザギ:………ただいま。

ユーゴ:あ、ザギ~。おかえり~。お仕事お疲れさま~。

ザギ:って……また奇天烈な格好してるね。今日は何のコスプレ?

アビス:高校生だ。ザギの分もあるぞ!

ザギ:いや、僕は遠慮す……

シンシア:おまたせしましたのですー♪

ルルカ:………………げ。

ザギ:……………!!!?るっ………ルルカ嬢……!!?えっ……えっ……!そっ、そそそそ、その格好は……。

アビス:送ってくれた中に女子の制服も入っていたからな。ルルカにも着てもらったんだ!

シンシア:ルルカさま、とってもよくおにあいなのです!

ユーゴ:だね~。ほら~、ルルカあんまり丈の短いスカート穿かないから~新鮮~。

ルルカ:嫌よ……こんなに短いの、……違和感しかないったら……。

ザギ:……………。

アビス:ザギ?

ザギ:アビス、君のネット友達さんの振込先は?言い値で支払いさせて頂きたいと伝えてくれないか?

アビス:分かった!そういうことなら俺から連絡しておこう。

ルルカ:………もう全員に見せたんだし、着替えるわよ。
(踵を返してその場を去ろうとし)


ザギ:待ってくれっ!!ルルカ嬢!!!
(即座に彼女の前へ移動すると膝を付きながら手を取り)


ルルカ:!?

ザギ:ああ、今日も美しい手だね……じゃなかった。いつものドレス姿も最高だけれど……制服という新しい姿のルルカ嬢も素敵だ……スカートの下は生足じゃなくてあえての黒タイツ!!そして革のローファー!!あまりにも解釈一致過ぎて僕の寿命が500年は延びたよ!!!!!

ルルカ:それはどうもありがとう……そろそろ手を離して頂戴。

ザギ:いや、まだ待ってくれ………まだ大事なお願いがあるんだ。

ルルカ:………何かしら。

ザギ:出来たら……出来たらでいいんだ、靴を脱いでそのまま僕を踏んでくr

ルルカ:お断りよ。
(握られていない方の手で平手打ちをし)

ザギ:ぎゃふん!!!!!
(そのまま勢い良く床に倒れこみ)

ルルカ:はぁ………シンディ、いきましょう。お腹空いたわ。
(少し離れて見ていた少女の手を取れば引いて歩き出して)


シンシア:あ!じゃあ、おやつの時間にするのです!でも、その前にシンディと一緒にお写真とってもらってもいいですか?

ルルカ:勿論いいわよ。

シンシア:うれしいですー!





ユーゴ:ザギ~?大丈夫~?鼻血出てるよ~?

アビス:まあ、いつもの事だ。
(気絶している彼の顔を拭きつつ、肩から抱え上げて)


ユーゴ:それもそっかぁ~……あ、おれもおやつ食べた~い。
(アビスとは反対側からザギの体を支えて広間の扉へと歩き出して)


アビス:その前に写真を撮らないと。すーぽんぽこ殿に送らないといけないからな。

ユーゴ:おっけ~。

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