日常

あなたの幸せ

2025/06/20 23:21
───翌日、獄鬼アジト───


藍丸:あ、きなちゃん!女子会から帰ってたんだね……!

黄名子:やっほぉ、藍丸。蝋くんも一緒だねぇ。
(芥子色の風呂敷に荷物をまとめていて)


藍丸:きなちゃん……。

蝋:…………黄名子、出て、行くの……?

黄名子:仕方ないよぉ……総長めーれーだしぃ。ウチは一旦実家に帰って、お父さんとお母さんに報告でもしようかにゃー……って。

藍丸:…………………。

蝋:…………………。

黄名子:もぉ~、そんな暗い顔しにゃあい!ウチの家は門の近くだし、いつでも遊びに来ればいいでしょお?ほら、二人ともこっちおいで。
(手招きしながら自分の方へ促して)


蝋:…………蝋、は……寂しい。
(呼ばれるままに黄名子の前で膝をついて。心なしか顔が悲しそうに見える)


黄名子:ありがとぉ、蝋くん。これからは、ウチの代わりに藍丸と烈火の事、皆の事もお願いねぇ。
(ぽんぽんと蝋の頭を撫でて)


藍丸:ぼ、ボク……れっちゃんにもっかい言ってく……わぶ!!?
(立ち上がって振り返ったと同時に何かにぶつかり尻餅をついて)


黄名子:!

烈火:…………………。
(三人を見下ろしながらその場に立っており)


蝋:烈火……。

烈火:………話がある。

黄名子:んにゃ?最後に憎まれ口でも言ってくれるのかにゃ……わっ!?
(風呂敷を縛って片手に持ちつつ立ち上がり。と同時に呼ばれた相手に腕を掴まれて引っ張られていき)


烈火:ちょっとこっち来ぃ。

蝋:………………、藍丸、どう、する?
(おろおろと二人の方を見て)


藍丸:……………ちょっとだけ様子を見よう。



***



黄名子:(連れてこられたのは獄鬼のアジト裏。周囲を見回して)それでぇ、何の用?

烈火:……………………ん。
(その辺りの草むらに隠していた花束を黄名子に差し出して)


黄名子:え?

烈火:……………やる。

黄名子:……………今日、ウチ誕生日じゃないよぉ?

烈火:知っとるわ!!!

黄名子:しかも草むらからって……ムードが無いにゃー……。空乃ちゃんには同じことしちゃ駄目だよぉ?
(そう言いながらも花束を受け取り。花束は姫常盤露草のよう)


烈火:なっ……!あっ……アイツは関係あらへんやろ!?
(思ってなかった名前を出され、顔を真っ赤にし)


黄名子:はいはい。ウチに引っ掛かれたとこ、ちゃんと手当てしたのぉ?

烈火:あんなん、傷の内に入るかい。

黄名子:もー、強がり言って………それでぇ、これは錦さんに出してもらったのかにゃ?

烈火:………………。
(図星だったのか肩を大きく揺らして)


黄名子:やっぱりねぇ。それに、これ何の花か知らないで出してもらったでしょ…

烈火:知っとる。

黄名子:えっ。

烈火:その花の意味を知ったうえで、お前に渡しとるんや。黄名子。

黄名子:…………うっそぉ……。

烈火:ワイが獄鬼に入る時はお前が勝手について来たけど………それからお前にはずっと付き合わせて来たやろ。

黄名子:…………そだねぇ。

烈火:お前にとってワイ等の存在が重荷になるなら、………無理して獄鬼に居らへんでもええんやぞ。

黄名子:本っっっっっ当に、烈火は大きい弟だねぇ………。

烈火:っ……………悪かったなぁ、面倒臭い弟で。
(拗ねたようにそう呟きながら後頭部をがしがしと掻いて)


黄名子:ウチはね、烈火。獄鬼の皆は家族だから………重荷に思ったことはないし、離れるつもりもないんだよ。

烈火:………向こうが嫌がるかも知れへんやろがい。

黄名子:あの人はそんな事言う人じゃないよぉ。

烈火:………はぁ……好きにしぃ…。

黄名子:へへ、好きにしまぁす。……あ!

烈火:……………なんや。

黄名子:じゃあ、今から連れてくるから!

烈火:は!!?!!

黄名子:だってぇ、紹介するって言ったでしょお?善は急げ、だよぉ。それじゃあちょっと行ってくるから、アジトの中片付けて待っててねぇ!

烈火:ちょ、おい!!黄名子!!

藍丸:れーーーっちゃん!
(烈火の後ろからぶつかりに行き)


烈火:っで!おい、藍丸ぅううう!!いきなりタックルすなや!!

蝋:アジト………戻、る?

烈火:しゃあないやろが、………行くで。

藍丸:はーい!獄鬼総員でお片付け、だね!





姫常盤露草……ブライダルベール
花言葉:「あなたの幸せを願う」

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