日常

一万打ですよ

2024/02/12 03:25
琥珀:おや、ここは……。

蘇芳:ぬら様ーー!

琥珀:蘇芳に紫苑……、それから……?
(声のする方に目を向け。卓袱台前にいつもの見知った顔ともう一人見掛けない顔を見つけて寄りつつ)


紫苑:琥珀サン。とりあえず座って下さい。

琥珀:そうですね……失礼します。

アビス:蘇芳殿、この御仁が……。

蘇芳:はいっす!僕のお師匠様っす!

アビス:おお…!

琥珀:知り合いですか?蘇芳。

蘇芳:実際は初対面っすけど、アビス君は同士っす!!

琥珀:?

紫苑:ネットのお友達さんらしいです。

琥珀:ああ、蘇芳がよく話している方……。

アビス:お初にお目にかかる、琥珀殿。俺はアビス。死神だが、訳あって人間に擬態して仕事をしている。

琥珀:人間ではないとは思っていましたが、成る程……西洋の方ですか。琥珀です。宜しくお願い致します。

アビス:こちらこそ!流石は元総大将とも言われた方……貫禄がある。

琥珀:そうですか?でも私は引退している身ですから……貴男の世界の長の方がしっかりしていらっしゃるでしょう?

アビス:ボス……いえ、長は素晴らしい方なんですが、俺が不甲斐ないばかりに迷惑ばかり掛けていて……。

蘇芳:そんなことないっす!アビス君はすごいっすよ!

紫苑:蘇芳サン、心の開き具合凄いですね……。

蘇芳:もう親友っす!!

アビス:ありがとう、蘇芳殿。少しでもあの方に恩を返せるよう、これからも尽力するよ。

琥珀:きっと其方の長も分かってくれますよ。

アビス:ああ……そうだといいんだが……。

紫苑:ん?そろそろ本題に入ってくれー……とカンペが……。

蘇芳:そ、そうっすね!えっと、……今回の集まりはなんすか?

???:一万打と開設一周年のお祝いでございます。

四人:!!?

蘇芳:ほぁ!?どどど、どなたっすか!!?

紫苑:この人も気配が不思議ですね……。

リコル:リコル、と申します。あるお方にお仕えさせて頂いていております。

琥珀:ある方、とは。

???:うちでーーーーーーーす!!!
(突然琥珀の後ろに現れ)


蘇芳:ギャーーーっ!!?な、何かきたっすーーーー!!?

琥珀:……………貴女……管理人じゃないですか。

紫苑:えっ。

蘇芳:これ管理人さんっすか!!?

???:これって!!

琥珀:見た目は大分変わっていますが、気配は変わってません……いや、我々と同じ……?

アビス:管理人殿は人間ではないのか?

音朱:ここじゃそうじゃねー。まぁ、うちの事は『音朱(おとしゅ)』とでも呼んでくれたまえよ諸君!細かいことは気にせん気にせん!ね~ぇ?リコたん!

リコル:そうですね。

琥珀:はぁ……それで、貴女方の代わりに挨拶したらいいのでしょう?

音朱:そうそう!流石になんべんもやっとるけん、師匠組は話が早いね!

紫苑:師匠組……って俺等の事ですか、もしかして………。

蘇芳:じゃあ、アビス君はなんでいるんすか……?

アビス:ちょっとな。気にせず進めてくれ、蘇芳殿。

琥珀:では、改めて……皆様のお陰で無事に一万打と一周年を迎える事が出来ました。

蘇芳:この一年、沢山楽しいことがあったっすね!

紫苑:人も沢山増えましたしね。

琥珀:ええ……これからも変わらずゆっくりしていこうと思っていますので、どうか宜しくお願い致します。

蘇芳:っす!

紫苑:じゃあ、俺の仕事は終わりですので……。
(そそくさとアビスの横に移動し)


蘇芳:ん?仕事…?

音朱:紫苑は終わっとるけんね!

琥珀:………?

蘇芳:何の話っすか……?

リコル:実は、二千打の時から泡沫時雨。の皆様には、ご来訪下さっている方に向けて『ファンサないしコスプレ』をしていただいておりまして……。

琥珀:ふぁんさ……?

リコル:今回で最後なのです。最後はお二人に締めて頂こうと……。

蘇芳:あのー……因みに、内容は……。

音朱:ようぞ聞いてくれた蘇芳君!!こちらでーーーす!!
(何処からともなく現れた黄金のくす玉の糸を引き。割ると同時に垂れ幕が降りてきて)


琥珀・蘇芳:………………『猫耳』???

蘇芳:えっ……これ決定っすか……?選択権は無い感じ……?

リコル:今回までの皆様には、ルーレットで決めて頂いておりました。

琥珀:……………どういうことですか、音朱?
(がしりと音朱の頭部を掴みつつ)


音朱:怖っ!!いやいや……たまたまルーレットの最後に残っただけやないっすか猫耳が!!

リコル:尚、今までの皆様は全員しておりますので拒否権はありません。
(突如、ガラガラとホワイトボードを持ってきつつ。ボードには今までの写真が飾られていて)


蘇芳:うわ、本当じゃないっすか~~~!!?えっ、紫苑君達だけ控えめじゃないっすか!?!

音朱:初回じゃったけん、控えめになってしもうたんよねー……えへ☆

蘇芳:ズルいっす!!

紫苑:狡く無いです……改めて見ると、皆よくやってくれましたね……。

アビス:ん?この人……俺の友人に似ている……。

琥珀:私の友人で黒喰、と言うんです。

アビス:いつかうちのザギに会わせてみたいな。

琥珀:彼はある事情で別の世界には行けないので、是非此方に遊びに来て下さい。蘇芳も里とか案内したいでしょうし……。

蘇芳:任せて下さいっすよ!

アビス:ああ。頼もしいな。

音朱:ほいで~?琥珀も蘇芳もやってくれるよね~?

琥珀:はぁ……まぁ、ここで何かを言っても変わりませんしね……。

音朱:やった!流石、総大将じゃね!

琥珀:元、ですけどね。全く……。

リコル:では、そのように手配致します。琥珀様、蘇芳様。宜しくお願い致します。

蘇芳:り、了解したっす……!


***


蘇芳:それで、アビス君はどうしてこちらに来てたんすか?

アビス:次回から俺達だと音朱が言っていたのでな。それの下見と、此方に来ればすーぽんぽこ殿に会わせてくれる、と言うものだから……。

蘇芳:ぼ……僕に会いにっすか……?

アビス:蘇芳殿は俺の話をよく聞いてくれるし、あんな素晴らしい衣服までいつも送ってくれる。いつか直接、お礼が言いたいと思っていたんだ。

蘇芳:あ、アビス君~~~!!!!!(号泣)

紫苑:蘇芳サン、めちゃくちゃ懐いてますね……。

琥珀:ふふ……彼の人柄がそうさせるのでしょうね。

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