日常
鬼嫁のポテンシャル
2023/12/19 23:52───妖ノ山、鑑宅───
黒喰:…………………。
鑑:………黒喰。
黒喰:…………………。
鑑:……………聞いてるか?
黒喰:…………………。
鑑:………黙々と一升瓶を空けていくのは辞めてくれ……俺が錦に怒られる………。
(黒喰の周囲には酒の一升瓶が少なくとも十本程空の状態になっていて)
黒喰:………いい加減君も付き合ってくれないか。聞いたよ、錦を負かした事があるんだろう?
鑑:…………あれは偶然だが…………はぁ……少しだけだぞ。
(観念したのか、座布団を黒喰の前に寄せつつそこに座り)
黒喰:………………鑑は……。
鑑:………?………なんだ。
(酒を猪口に注ぎ。それに口を付けつつ)
黒喰:…………子供は作らないのかな。
鑑:げほっ!!!?
(突然の予想だにしない言葉に思わず咳き込み)
黒喰:……………君はいつまで経っても初々しいよね、鑑……感心するよ……。
鑑:………げほっ………それは今関係無い……!というか、いきなりなんだ……。
黒喰:いや………雪白の事なんだが……。
鑑:……雪…………ああ、……あの雪女の子供か……。
(再び猪口に口を付けて)
黒喰:…………実の娘だったみたいでね。
鑑:げほっ!!!………はぁ!?
(またもや咳き込み、息を整えつつ猪口を畳の上に置いて)
黒喰:はは………君がそんな大袈裟に反応するの、珍しいね。
鑑:それは、お前が突然変なことを言うから……じゃなくて、本当なのか……?
黒喰:……………………。
鑑:……………、それで………此処に逃げてきたと言うわけか。
黒喰:………山の神の決戦の時に、私は一度死のうとしたんだ。その時は、雪白に止められてね。
鑑:…………今回は?
黒喰:死ぬつもりはないけれど………私はもう雪白の側には居ない方がいい。
鑑:…………何故だ。
黒喰:愛する人との約束すら忘れて、私は大勢を殺めた………彼女の事も………私が見殺しにしたようなものだ。
鑑:だが………忘れていたのにも理由があるのだろう……?
黒喰:そんなの只の言い訳だ…………雪白には不釣り合いの駄目な親なんだ、私は………。
鑑:黒喰………。
ドンドン
黒喰:ん?こんな深夜にお客かな。
鑑:多分、錦だ………、はい。
(立ち上がり玄関の引戸を開け)
錦:ちょっと………、無用心だねェ……鍵ぐらい閉めたらどうだい?
鑑:すまん…………何か用事だったか?
錦:用があるのはアタイじゃないよ。
鑑:………?誰……。
カカカカッ!!!
鑑・黒喰:!!!?
(鑑の横を掠め、黒喰の座るところ目掛けて氷柱状の氷が刺さっており)
雪白:やーっとみーつけたぁ……クロさま。
(錦の後ろからひょっこり姿を覗かせ)
黒喰:……………雪、白……。
雪白:クロさまってば、だめだよ?おじさんに迷惑かけたら………。
(土間で草履を脱ぎ、とたとたと黒喰の元に寄って座る黒喰を見下ろして)
黒喰:……………いや、………その……。
(詰め寄られしどろもどろになり。視線を泳がせて)
雪白:わたしね、クロさまとはなしたいことがいーーーっぱいあるんだ~………ね?だからはやく帰ろ?
黒喰:………………雪白、私はもう……。
雪白:クロさま???
黒喰:………………………帰ります。
雪白:……よろしい。お酒のおねえさーん!
錦:あいよ。
(ひょいっと人差し指を黒喰の方に向けて振り。すれば畳から蔦状の植物が生えてきて黒喰の両腕と両足を拘束し)
黒喰:!?
雪白:あずきちゃーん!
小豆:合点なのです!
(呼ばれて玄関から入ってくれば黒喰を抱え俵担ぎにして)
黒喰:!!?
雪白:おじさん、おじさん!
鑑:……………なんだ。
雪白:わたしたちのどうくつまで、送ってくれませんか?おねがいします!
(鑑にぺこりと頭を下げつつ)
鑑:………………分かった。
(宙に手を翳せば、巨大な鏡が現れ)
雪白:それじゃあ、おじゃましました!みなさん、ありがとうございましたー!
(錦と鑑に手を振りつつ、鏡の中へと入っていき)
鑑:……………なんだったんだ、一体……。
錦:さぁねぇ……って、あんた!?なんだい、コレ!!
鑑:…………!?い、いや、違う……!これは………。
(残った一升瓶の空き瓶の山を見られあたふたとしつつ)
錦:何も違わないじゃないかい!……どうやらアタイもあんたに話を聞く必要がありそうだねぇ……?
(詰め寄り鑑の髪の束を引っ張り)
鑑:………せめて弁明させてくれ……!
黒喰:…………………。
鑑:………黒喰。
黒喰:…………………。
鑑:……………聞いてるか?
黒喰:…………………。
鑑:………黙々と一升瓶を空けていくのは辞めてくれ……俺が錦に怒られる………。
(黒喰の周囲には酒の一升瓶が少なくとも十本程空の状態になっていて)
黒喰:………いい加減君も付き合ってくれないか。聞いたよ、錦を負かした事があるんだろう?
鑑:…………あれは偶然だが…………はぁ……少しだけだぞ。
(観念したのか、座布団を黒喰の前に寄せつつそこに座り)
黒喰:………………鑑は……。
鑑:………?………なんだ。
(酒を猪口に注ぎ。それに口を付けつつ)
黒喰:…………子供は作らないのかな。
鑑:げほっ!!!?
(突然の予想だにしない言葉に思わず咳き込み)
黒喰:……………君はいつまで経っても初々しいよね、鑑……感心するよ……。
鑑:………げほっ………それは今関係無い……!というか、いきなりなんだ……。
黒喰:いや………雪白の事なんだが……。
鑑:……雪…………ああ、……あの雪女の子供か……。
(再び猪口に口を付けて)
黒喰:…………実の娘だったみたいでね。
鑑:げほっ!!!………はぁ!?
(またもや咳き込み、息を整えつつ猪口を畳の上に置いて)
黒喰:はは………君がそんな大袈裟に反応するの、珍しいね。
鑑:それは、お前が突然変なことを言うから……じゃなくて、本当なのか……?
黒喰:……………………。
鑑:……………、それで………此処に逃げてきたと言うわけか。
黒喰:………山の神の決戦の時に、私は一度死のうとしたんだ。その時は、雪白に止められてね。
鑑:…………今回は?
黒喰:死ぬつもりはないけれど………私はもう雪白の側には居ない方がいい。
鑑:…………何故だ。
黒喰:愛する人との約束すら忘れて、私は大勢を殺めた………彼女の事も………私が見殺しにしたようなものだ。
鑑:だが………忘れていたのにも理由があるのだろう……?
黒喰:そんなの只の言い訳だ…………雪白には不釣り合いの駄目な親なんだ、私は………。
鑑:黒喰………。
ドンドン
黒喰:ん?こんな深夜にお客かな。
鑑:多分、錦だ………、はい。
(立ち上がり玄関の引戸を開け)
錦:ちょっと………、無用心だねェ……鍵ぐらい閉めたらどうだい?
鑑:すまん…………何か用事だったか?
錦:用があるのはアタイじゃないよ。
鑑:………?誰……。
カカカカッ!!!
鑑・黒喰:!!!?
(鑑の横を掠め、黒喰の座るところ目掛けて氷柱状の氷が刺さっており)
雪白:やーっとみーつけたぁ……クロさま。
(錦の後ろからひょっこり姿を覗かせ)
黒喰:……………雪、白……。
雪白:クロさまってば、だめだよ?おじさんに迷惑かけたら………。
(土間で草履を脱ぎ、とたとたと黒喰の元に寄って座る黒喰を見下ろして)
黒喰:……………いや、………その……。
(詰め寄られしどろもどろになり。視線を泳がせて)
雪白:わたしね、クロさまとはなしたいことがいーーーっぱいあるんだ~………ね?だからはやく帰ろ?
黒喰:………………雪白、私はもう……。
雪白:クロさま???
黒喰:………………………帰ります。
雪白:……よろしい。お酒のおねえさーん!
錦:あいよ。
(ひょいっと人差し指を黒喰の方に向けて振り。すれば畳から蔦状の植物が生えてきて黒喰の両腕と両足を拘束し)
黒喰:!?
雪白:あずきちゃーん!
小豆:合点なのです!
(呼ばれて玄関から入ってくれば黒喰を抱え俵担ぎにして)
黒喰:!!?
雪白:おじさん、おじさん!
鑑:……………なんだ。
雪白:わたしたちのどうくつまで、送ってくれませんか?おねがいします!
(鑑にぺこりと頭を下げつつ)
鑑:………………分かった。
(宙に手を翳せば、巨大な鏡が現れ)
雪白:それじゃあ、おじゃましました!みなさん、ありがとうございましたー!
(錦と鑑に手を振りつつ、鏡の中へと入っていき)
鑑:……………なんだったんだ、一体……。
錦:さぁねぇ……って、あんた!?なんだい、コレ!!
鑑:…………!?い、いや、違う……!これは………。
(残った一升瓶の空き瓶の山を見られあたふたとしつつ)
錦:何も違わないじゃないかい!……どうやらアタイもあんたに話を聞く必要がありそうだねぇ……?
(詰め寄り鑑の髪の束を引っ張り)
鑑:………せめて弁明させてくれ……!