日常
崩壊(※)
2023/12/13 22:32※流血、吐血、大量の虫が出てくる表現がある為、閲覧注意。
白藤:…………………。
黒喰:……………白藤?
白藤:………!起こしてしまいましたか?
黒喰:いや………大丈夫だよ。
白藤:…………これからどうしましょうか。
黒喰:不安かい?私が不甲斐ないばかりに……。
白藤:いえ、そんなことはありません!貴方さえ居てくださったら……たとえ………。
黒喰:?
白藤:黒喰……………今夜、発ちませんか。
黒喰:今夜?
白藤:はい。
黒喰:……………分かった。ならば、子の刻あたりにに迎えに行くよ。
白藤:分かりました。
黒喰:…………必ず行く。待っていてくれ。
(白藤の額にかかる前髪を掻き分けそっと口付けを落とし)
白藤:…………………はい。
***
───同日、子の刻───
黒喰:………………。(嫌な気配が……胸騒ぎがする……………。)
(襟巻きを触りつつ、社の方へ歩を進めていて)
黒喰:(考えていても仕方が無い………白藤が待っている……早く……)………っ?
(此処で足を止める。社の方は何やらいつもより肌寒く感じ、見やれば周囲は霜が降り、社は氷で囲まれていて)
黒喰:白藤………!!
(微弱になっている妖気の気配を感じるや否や、社へと走り出し。勢い良く戸を蹴破ると、内部は荒れ、床には血溜まりが出来ていてその中心にうずくまるようにその人がいて)
白藤:……………、く……ろ…。
(人の気配に僅かに顔を上げ。いつも白い肌がより白くなっている。その白を汚すように彼女の髪や着物は赤黒く染まっていて)
黒喰:白藤!!………っ、誰にやられたんだ……。
(即座に駆け寄りながら白藤を起き上がらせて)
白藤:…………村の者に……、気付かれていた、……みたい、です………追い払いましたが、………増援を呼ばれてるみたいで………。
黒喰:今すぐ逃げよう………立てそうか?
白藤:…………、争った際に………両足の、腱を………。
(着物の足元には大きな刃物の傷があり、かなり血が滲んでいて)
黒喰:……………っ、………!大丈夫だ、……大丈夫だから………!!
(顔を歪ませながらも白藤を抱えれば立ち上がり)
白藤:…………此処より南西に………、狭間があるんです………。
黒喰:狭間…………?
白藤:別の世界へと飛ぶ………狭間……そこを目指して下さい………。
黒喰:…………分かった……行こう。
***
黒喰:…………白藤……、大丈夫かい……?
(抱えて走りながら様子を窺い)
白藤:私は………平気です………。ほら、足以外は無傷、ですもの………。
(未だ青白い顔で微笑み返して)
黒喰:…………。(そんなわけがない………出血した箇所を自ら凍らせて止血しているから、相当妖力を消費している………一緒に過ごしていて分かったが、彼女は元々そこまで妖力が多くない。応戦したせいだ……。)
村の男:…………おい!いたぞ!あそこだ!
村の男:我々の巫女様を誑かした悪鬼め!
黒喰:……………悪鬼、ね。
(追っ手の声に一度立ち止まって)
白藤:…………?黒……喰……?
黒喰:その大切な巫女様に……こんな事をしたのはお前達だろう?
村の男:貴様が夜な夜な巫女様を誑かすから、巫女様がおかしくなったんだ!
村の男:抵抗したから逃げられぬようにしたまでのこと。貴様にとやかく言われる筋合いはない!
村の男:返してもらおうか……巫女様は、この先も一生我々の為に働いてもらうのだから。
黒喰:……………ふ、……あはははははははははははは!!!
村の男達:!!?
白藤:………………く、黒喰?
黒喰:お前達こそ、もう少し考えてものを言った方がいい………。私が只の鬼だと、一体いつ言ったのかな……?
(そう言った瞬間、黒喰の足元から大量に小さな蜘蛛がわき出てきて一斉に村人達の方に向かい)
村の男達:!!?
村の男:なんだ、これは……!蜘蛛……!?がっ……!!
(蜘蛛に刺されたらしい何名かが次々とその場に倒れ)
村の男:……!?大丈夫か!?がはっ……!!
(仲間の側に寄ろうとするが、自らも血を吐きその場に倒れて)
黒喰:私には『毒蜘蛛』の別名があるんだよ………即効性のある毒だから安心するといい。すぐに全員あの世に送って……。
白藤:っ……!!黒喰!?駄目よ……今すぐやめて!!
白藤:…………………。
黒喰:……………白藤?
白藤:………!起こしてしまいましたか?
黒喰:いや………大丈夫だよ。
白藤:…………これからどうしましょうか。
黒喰:不安かい?私が不甲斐ないばかりに……。
白藤:いえ、そんなことはありません!貴方さえ居てくださったら……たとえ………。
黒喰:?
白藤:黒喰……………今夜、発ちませんか。
黒喰:今夜?
白藤:はい。
黒喰:……………分かった。ならば、子の刻あたりにに迎えに行くよ。
白藤:分かりました。
黒喰:…………必ず行く。待っていてくれ。
(白藤の額にかかる前髪を掻き分けそっと口付けを落とし)
白藤:…………………はい。
***
───同日、子の刻───
黒喰:………………。(嫌な気配が……胸騒ぎがする……………。)
(襟巻きを触りつつ、社の方へ歩を進めていて)
黒喰:(考えていても仕方が無い………白藤が待っている……早く……)………っ?
(此処で足を止める。社の方は何やらいつもより肌寒く感じ、見やれば周囲は霜が降り、社は氷で囲まれていて)
黒喰:白藤………!!
(微弱になっている妖気の気配を感じるや否や、社へと走り出し。勢い良く戸を蹴破ると、内部は荒れ、床には血溜まりが出来ていてその中心にうずくまるようにその人がいて)
白藤:……………、く……ろ…。
(人の気配に僅かに顔を上げ。いつも白い肌がより白くなっている。その白を汚すように彼女の髪や着物は赤黒く染まっていて)
黒喰:白藤!!………っ、誰にやられたんだ……。
(即座に駆け寄りながら白藤を起き上がらせて)
白藤:…………村の者に……、気付かれていた、……みたい、です………追い払いましたが、………増援を呼ばれてるみたいで………。
黒喰:今すぐ逃げよう………立てそうか?
白藤:…………、争った際に………両足の、腱を………。
(着物の足元には大きな刃物の傷があり、かなり血が滲んでいて)
黒喰:……………っ、………!大丈夫だ、……大丈夫だから………!!
(顔を歪ませながらも白藤を抱えれば立ち上がり)
白藤:…………此処より南西に………、狭間があるんです………。
黒喰:狭間…………?
白藤:別の世界へと飛ぶ………狭間……そこを目指して下さい………。
黒喰:…………分かった……行こう。
***
黒喰:…………白藤……、大丈夫かい……?
(抱えて走りながら様子を窺い)
白藤:私は………平気です………。ほら、足以外は無傷、ですもの………。
(未だ青白い顔で微笑み返して)
黒喰:…………。(そんなわけがない………出血した箇所を自ら凍らせて止血しているから、相当妖力を消費している………一緒に過ごしていて分かったが、彼女は元々そこまで妖力が多くない。応戦したせいだ……。)
村の男:…………おい!いたぞ!あそこだ!
村の男:我々の巫女様を誑かした悪鬼め!
黒喰:……………悪鬼、ね。
(追っ手の声に一度立ち止まって)
白藤:…………?黒……喰……?
黒喰:その大切な巫女様に……こんな事をしたのはお前達だろう?
村の男:貴様が夜な夜な巫女様を誑かすから、巫女様がおかしくなったんだ!
村の男:抵抗したから逃げられぬようにしたまでのこと。貴様にとやかく言われる筋合いはない!
村の男:返してもらおうか……巫女様は、この先も一生我々の為に働いてもらうのだから。
黒喰:……………ふ、……あはははははははははははは!!!
村の男達:!!?
白藤:………………く、黒喰?
黒喰:お前達こそ、もう少し考えてものを言った方がいい………。私が只の鬼だと、一体いつ言ったのかな……?
(そう言った瞬間、黒喰の足元から大量に小さな蜘蛛がわき出てきて一斉に村人達の方に向かい)
村の男達:!!?
村の男:なんだ、これは……!蜘蛛……!?がっ……!!
(蜘蛛に刺されたらしい何名かが次々とその場に倒れ)
村の男:……!?大丈夫か!?がはっ……!!
(仲間の側に寄ろうとするが、自らも血を吐きその場に倒れて)
黒喰:私には『毒蜘蛛』の別名があるんだよ………即効性のある毒だから安心するといい。すぐに全員あの世に送って……。
白藤:っ……!!黒喰!?駄目よ……今すぐやめて!!