日常
呪ワレノ蜘蛛
2023/12/07 22:50───***年前、某村───
すみませーん!
黒喰:ん…………?
(突如後ろから声を掛けられ振り向きつつ)
村の子供:お兄さん、そこの鞠こっちに投げてもらえますかー?
黒喰:これかな………、っと。
(足元に転がってきた鞠を片手で掴めば、声の主の方に向かって投げて)
村の子供:おにいちゃん、ありがとうー!
黒喰:どういたしまして。
村の子供:ねぇねぇ、おにいちゃんもいっしょにまざって……。
村の子供:馬鹿!!やめろ!!
黒喰:…………いや、私は遠慮しておくよ。それじゃあ……。
(子供達に向かって手を振れば、そのまま踵を返して森の方に向かうらしく)
村の子供:おにいちゃん、なんで止めたのー?
村の子供:お前、知らなかったのか?あいつ……毒を使う化け物なんだぞ?
村の子供:でも、わたしたちだって妖怪なのに……?
村の子供:あいつは例外だよ。村のじいちゃん達が言ってたろ………あいつの恨みを買ったら、俺たち毒殺されるかもしれない……。
村の子供:そうなの?こわいおにいちゃんなんだね……。
村の子供:そういうことだから、あいつは見かけても絶対に仲良くしたら駄目だ!
村の子供:はぁーい……。
───古小屋───
黒喰:ふぅ………。(そろそろこの村も潮時か………仕事をしなくとも、生活はしていけるが……そろそろ別の場所に移動した方が良いだろう……。)
黒喰:だが、それは夜が明けてからでも構わないだろう………今日のところは一先ず寝ようか。
………………ろ……。
…………そ………。
黒喰:(誰だ……?)
……………っとしろ……。
………んげきされる…………。
黒喰:(誰かが…………)
黒喰:…………っ、……?
(朧気に聴こえてくる声に徐々に覚醒し、うっすらと瞼を開いて)
村人の男:!!?おい、起きたぞ!!
村人の男:思いっきり絞めろ!!!
黒喰:…………………はぁ、………っは……。そろそろ、撒いたか………。
黒喰:………………、……。(まさか殺害未遂に遭うとは………どうやらとことん星の巡りが悪いらしい……。)
(裸足のまま全速力で森を逃げてきた為、足元には細かい切り傷が出来ており。人の気配が無くなった森の奥深くで一本の木の側に寄れば、それを背凭れにしてその場に座り込んで)
黒喰:(…………もうあの村には戻れない。一刻も早く別の場所に行かなければ………いつ追手が来るかも分からない……どうしたものか)……けほっ……強く絞められたな……、暫くは痣になるか……。
(首元に手をやる。まだ絞められた感覚が残っているのか、軽く咳き込みつつ)
黒喰:まだ月も高いが、今日は野宿するしか………。
───────────♪︎
黒喰:………………?(何か聞こえる……これは………歌か………?)
黒喰:(何だろう………不思議な歌だ………、一体誰が……。)行くあても無し、何か確認するだけでも構わないか…………行ってみよう。
すみませーん!
黒喰:ん…………?
(突如後ろから声を掛けられ振り向きつつ)
村の子供:お兄さん、そこの鞠こっちに投げてもらえますかー?
黒喰:これかな………、っと。
(足元に転がってきた鞠を片手で掴めば、声の主の方に向かって投げて)
村の子供:おにいちゃん、ありがとうー!
黒喰:どういたしまして。
村の子供:ねぇねぇ、おにいちゃんもいっしょにまざって……。
村の子供:馬鹿!!やめろ!!
黒喰:…………いや、私は遠慮しておくよ。それじゃあ……。
(子供達に向かって手を振れば、そのまま踵を返して森の方に向かうらしく)
村の子供:おにいちゃん、なんで止めたのー?
村の子供:お前、知らなかったのか?あいつ……毒を使う化け物なんだぞ?
村の子供:でも、わたしたちだって妖怪なのに……?
村の子供:あいつは例外だよ。村のじいちゃん達が言ってたろ………あいつの恨みを買ったら、俺たち毒殺されるかもしれない……。
村の子供:そうなの?こわいおにいちゃんなんだね……。
村の子供:そういうことだから、あいつは見かけても絶対に仲良くしたら駄目だ!
村の子供:はぁーい……。
───古小屋───
黒喰:ふぅ………。(そろそろこの村も潮時か………仕事をしなくとも、生活はしていけるが……そろそろ別の場所に移動した方が良いだろう……。)
黒喰:だが、それは夜が明けてからでも構わないだろう………今日のところは一先ず寝ようか。
………………ろ……。
…………そ………。
黒喰:(誰だ……?)
……………っとしろ……。
………んげきされる…………。
黒喰:(誰かが…………)
黒喰:…………っ、……?
(朧気に聴こえてくる声に徐々に覚醒し、うっすらと瞼を開いて)
村人の男:!!?おい、起きたぞ!!
村人の男:思いっきり絞めろ!!!
黒喰:…………………はぁ、………っは……。そろそろ、撒いたか………。
黒喰:………………、……。(まさか殺害未遂に遭うとは………どうやらとことん星の巡りが悪いらしい……。)
(裸足のまま全速力で森を逃げてきた為、足元には細かい切り傷が出来ており。人の気配が無くなった森の奥深くで一本の木の側に寄れば、それを背凭れにしてその場に座り込んで)
黒喰:(…………もうあの村には戻れない。一刻も早く別の場所に行かなければ………いつ追手が来るかも分からない……どうしたものか)……けほっ……強く絞められたな……、暫くは痣になるか……。
(首元に手をやる。まだ絞められた感覚が残っているのか、軽く咳き込みつつ)
黒喰:まだ月も高いが、今日は野宿するしか………。
───────────♪︎
黒喰:………………?(何か聞こえる……これは………歌か………?)
黒喰:(何だろう………不思議な歌だ………、一体誰が……。)行くあても無し、何か確認するだけでも構わないか…………行ってみよう。