日常

しらないこと

2023/11/25 21:34
───妖怪ノ里、望月───



雪白:~~~~♪
(椅子に腰掛けつつ、テーブルで何やら作業しており)


紅:ふふっ。随分ご機嫌ね?雪白。

雪白:えへへ……もうすぐクロさまの誕生日なのー!だから、なにかしようと思って!

紅:あら、そうなの?じゃあ私も何か用意しようかしら……。

雪白:ほんとー?クロさまも喜ぶよ!

小豆:はわーん……大好きな人のためにプレゼントを用意する幼女……きゃわわですね……。

雪白:あずきちゃん、今日、ちくさくんは?

小豆:ちーたんなら今日はしーさんの所ですねぇ……呼んでくるです?

雪白:んーん!鍛冶のしゅぎょー?も大事だもんね!

紅:それは、……似顔絵かしら?

雪白:そー!前にね、獄鬼の黒いおにいさんがねー、怒りっぽいおにいさんに絵を描いてたからー、まねした!

紅:怒りっぽい…?

小豆:わーさんですね!ろうくんのお師匠様なのです。

雪白:かっこよく描けてる?

小豆:描けてるのです!イケメンオーラがびしびしなのですよー!

紅:そうね……襟巻きとか、よく特徴が捉えられてて……。

雪白:………………。

小豆:ゆきちゃん?どうしたのです?

雪白:あずきちゃん、前にわたしがクロさまのえりまきさわった時に、クロさまにつきとばされたの覚えてるー?

小豆:おっ、……覚えてるですよ……?

雪白:わたし、クロさまのこと………なんにもしらないなーって……。ずっと一緒にいるのに……。

小豆:そんなことないですよ!ゆきちゃんとクロさんはセット!ニコイチ!もはや親子と言っても過言じゃないですよう?

紅:それに、気にすることないわよ?私も長いこと望月に居るけれど……皆様の昔の話を知ったのもここ数年のことだもの。分からないことくらいあるわ。

雪白:そうかな………むむーん……クロさま、どうしてあのえりまきしてるんだろう……。

紅:誰かからのもらいものなのかしら。

小豆:ほほう……でも、こーさんと初めて会ったときにはしてたって言ってた気が……。

雪白:クロさま、……ぬらさんに会うまえの話はきいたことない……。

小豆:話したくないのですかね?そんな感じにみえなかったですけど……。

紅:んー………記憶がない、とか。

雪白:きおく……。

小豆:えっと……ゆきちゃんは、いつからクロさんといるです?

雪白:わたしがすーっごく小さいころだよ!雪山で、わなに引っ掛かったところを助けてくれたの!まぁ、そのわなを設置したのもクロさまなんたけど……。

小豆:噂で聞いた、まっクロさん時代ですね……。

紅:そもそも、なんで雪山にいたの?

雪白:むかし、にんげんたちの住む里にちょっとだけいたことがあるんだー。でも、わたしが雪女なのがバレて……あいつがいると凍らされるぞ、うたで呪いをかけてくるばけもの、って……だから、だれも入ってこない雪山にひなんして……。

小豆:あんなに綺麗なおうたなのにです!?あずが成敗してくれるです、何処のどいつですか!!

雪白:さすがにどこの里かはおぼえてないよお。

紅:そういや、雪白はいつも同じ歌を歌ってるわね。

雪白:うん!おぼえてるから!

紅:覚えてる………って事は、それも誰かに教えてもらったって事よね?

雪白:!!

小豆:誰にです?

雪白:それは………。



───雪白───



雪白:!!!
(突然聞こえてきた声に思わず立ち上がり周囲を見回し)


紅:!?

小豆:ど、どうしたのです!?

雪白:…………わからない……でも、ひとつだけ分かった………わたし、自分のこともよく分かってないんだ……。

二人:???

雪白:あずきちゃん!今からちょっとつきあってほしいの!

小豆:ほよ?どこに行くです?

雪白:じぶんの、えーと……る……るぅ……。

紅:ルーツ?

雪白:そう!『ルーツ』をしらべにいく!

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