日常

襟巻きの秘密?

2023/03/15 23:33
───妖ノ山、儀式ノ洞窟───



ガキィイイイン!!!



千草:…………ってぇ!!!
(刀を持ったまま後ろに転び)


黒喰:………今日はここまでにしようか。
(木刀を振り下ろせば、近くの木刀置き場に立て掛けて)


千草:くそ………今日も一本も取れなかった……!

黒喰:落ち込むことはない。力も反応速度も、前より格段に上がっているよ。それに……

千草:それに?

黒喰:ここで私が負けたら、彼に示しがつかないのでね。
(言いながらとある方を指差して)


千草:彼、って……それ、黒の知り合いの墓なのか?
(指差した先に視線を送り。そこにあったのは薄い緑色の水晶の祀られた祠で)


黒喰:墓、とは違うさ。この水晶自体、彼そのものなんだ。

千草:???

黒喰:…………まぁ、千草には難しい話かもしれないね。

千草:なにおう!?今、子供扱いしただろ!?

黒喰:してないさ。

千草:ふ、ふん!こいつが黒のなんなのか知らないけど、いつか絶対こいつの前で黒に膝をつかせるからな!

黒喰:はは、それはいつになるだろうね。

千草:むきーーーっ!!!

小豆:どーしたんですか?ちーたん……ぷりぷりして……。

雪白:ちくさくん、おなか空いたんじゃない?かき氷食べる?

千草:なんでかき氷オンリーなんだよいつも…!

小豆:そういやくろさん、疑問なのですけどー…。

黒喰:どうかしたのかな、赤いお嬢さん。

小豆:くろさん、いつも襟巻きしてるですよねー。何故なのです?

黒喰:………さぁ、何故だろうね。

千草:自分の事なのに分からないのか?

黒喰:気付いたらしていたからね。確か、ぬらに初めて会った時にはもうしていたと思うが……。

小豆:じゃあ、それより前から着けてることになるですね!

千草:外さないのか?

黒喰:外さないね。

小豆:寒がりなのです?

黒喰:あまり得意ではないかな。

雪白:クロさま、さむがりだよねー!でも、夏のときもしてるよねー?

千草:暑いだろ!?

黒喰:まぁ、暑いが……洞窟内から私はほぼ出ないし、側に雪白もいるしね。
(隣にいた雪白の頭を撫で)


雪白:そうだよー!ちくさくんも、暑くなったらいつでもよんでね!すぐにわたしがすずしくしてあげるよー!

千草:逆に凍えそうな気がするが……。

雪白:でもー、クロさまこれいつ洗ってるのー?わたし、ずっといっしょにいるのに、外してるところも見たことないよー?あ!まさか、一回も洗ってないとか……
(襟巻きに手を伸ばして触れようとして)


黒喰:はは、流石にそれは無いさ……そうだとしたら………





───………黒喰、お願いよ……───





黒喰:!!?



ドンっ!



雪白:わっ!
(突然突き飛ばされて後ろに転がり)


小豆:ゆきちゃん、大丈夫ですか…!?

千草:ど、どうしたんだよ黒……いきなり突き飛ばして……。

黒喰:………いや、………何でもないよ……。
(襟巻きに触れながら首を横に振って)


雪白:クロさま、わたしがいきなりさわろうとしたから、おこっちゃった…?

黒喰:………怒ってないさ、すまない雪白………驚かせたね。

雪白:ううん!だいじょーぶ!

黒喰:…………………。

小豆:そうだ、くろさん!さっき、ゆきちゃんと里でお昼の材料買ってきたのですよー!

千草:何か作るのか?

雪白:おそば!

千草:難易度高いな……!

小豆:大丈夫ですよーう。ちゃんと麺は買ってきたです!

雪白:クロさま、何そばがいい?

黒喰:そもそも、何を買ってきたかによるかな。

小豆:天ぷらと山芋、あとは青ねぎなのです!

黒喰:じゃあ、それで決まりだね。

小豆:ゆきちゃんのは、ちゃんと冷たいお蕎麦にするですよ!

雪白:わーい!

黒喰:火に近付かないように気を付けるんだよ、雪白。

雪白:はーい!

小豆:じゃあ、ちーたんも手伝って下さいですよー?

千草:なんで僕も!?

小豆:くろさんに負けたからに決まってるじゃないですかー!

千草:まけ、………っ、僕は負けてないっ!!

小豆:ほら、行くですよー!
(千草の首もとを掴んで引っ張り)


千草:ちょっと、やめろ!!伸びる!!

黒喰:はは、いってらっしゃい。





黒喰:………………。(さっきの、あれは………一体…………)今度、ぬらにでも聞いてみるかな……。

コメント

コメントを受け付けていません。