異郷の白花を訪ねて
「ここが…………店主様が仰っていた……妖魔町……ですの?」
「ははっ、そんなに真ん丸な目をしちゃって……びっくりした?紅。」
「びっくりした、なんて程度じゃありませんわ!
こんなの町なんてものじゃ…………。」
頭上に聳え立つ、鳥居を思わせる彼岸花の飾りが散りばめられた門のようなものを見上げ、そして遥か遠く、延々と続くような町並みと参道を見遣る。
元の世界の"里"にも賑やかな場所は存在していたが、これほどまでに人…………ここは妖魔界なので正しくは妖魔なのだろうが、そんな存在たちが文字通りにひしめき合って居るような景色は中々に見たことが無かった。
その様子から、もしかして今日は何かのお祭りでもしているのだろうか。
隣に立つ、満朔の方をおずおずと見上げれば、そんな紅の心の内を読んだように、「これが通常運転だよ。」と笑っていた。
「どうする?紅が無理そうなら帰ろうか?」
「いえ…………、せっかく別の世界に来たんですもの!これくらい大丈夫ですわ。」
「はは、さすが、うちの紅だね。」
ふんす!と効果音が付きそうな様子で意気込む紅に微笑みながら、満朔はそっと手のひらを差し出した。
「さぁ、ここから先ははぐれないようにしっかり着いて来るんだよ、紅。」
「ふふ、ありがとうございます、店主様。」
差し出された手のひらに、そっと自分の指を添えながら控えめに微笑んだ。
「ははっ、そんなに真ん丸な目をしちゃって……びっくりした?紅。」
「びっくりした、なんて程度じゃありませんわ!
こんなの町なんてものじゃ…………。」
頭上に聳え立つ、鳥居を思わせる彼岸花の飾りが散りばめられた門のようなものを見上げ、そして遥か遠く、延々と続くような町並みと参道を見遣る。
元の世界の"里"にも賑やかな場所は存在していたが、これほどまでに人…………ここは妖魔界なので正しくは妖魔なのだろうが、そんな存在たちが文字通りにひしめき合って居るような景色は中々に見たことが無かった。
その様子から、もしかして今日は何かのお祭りでもしているのだろうか。
隣に立つ、満朔の方をおずおずと見上げれば、そんな紅の心の内を読んだように、「これが通常運転だよ。」と笑っていた。
「どうする?紅が無理そうなら帰ろうか?」
「いえ…………、せっかく別の世界に来たんですもの!これくらい大丈夫ですわ。」
「はは、さすが、うちの紅だね。」
ふんす!と効果音が付きそうな様子で意気込む紅に微笑みながら、満朔はそっと手のひらを差し出した。
「さぁ、ここから先ははぐれないようにしっかり着いて来るんだよ、紅。」
「ふふ、ありがとうございます、店主様。」
差し出された手のひらに、そっと自分の指を添えながら控えめに微笑んだ。
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