きんいろの奇跡
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「ごめんっ!遅くなった!」
「あぁ、おはよう名無しさんちゃん待ってたよ」
バタバタと名無しさんが到着したのは、教師寮の別館。昨日名無しさんが寝入った後にバラムから届いていたヘルプメッセージが起因していた。
「それにしても、そんなに急がなくて良かったのに」
「いやいやいやっ寝落ちてたとはいえもっと早く起きてたら良かったんだけど、ごめん!」
「突然だったんだから謝る事じゃないよ、来てくれてありがとね」
そう言って「とりあえず落ち着きなよ」と温かい魔茶を出してくれるバラムはいつものように落ち着き払っている。
「ふー...落ち着く」
「それは良かった」
「それにしても珍しいね、バラム先生からのお願いって」
「本来なら1人でやってたんだけど、色々と立て込んじゃってね」
「全然良いよ!私で役に立てるなら嬉しいしさ」
「そうかい?あ、こないだ言ってた話も聞くから君の話したいタイミングで話してよ」
「おっけー、分かった!まずは手伝うね」
バラムから頼まれたのは空想生物学の書類整理のお仕事。いつもなら1人でこなしていたのだが、人間界を知っている仲良しの名無しさんに、どの書類を処分して更新していくべきなのか助言を貰いたかったのだと言う。
「そうか、じゃあ獅子にも似た生物は人間にとっては本来太刀打ち出来ない生物なんだね?」
「そうだね〜、大の大人でも一瞬でガブリだよ」
「へぇ〜それなのに飼育して観覧する施設を作るとか、やっぱり人間は面白いな」
「あははっ確かに!でも、そういう凶暴な生き物も子供の頃から愛情を持って察してたら懐いてくれる事もあるらしいよ」
「そうなの?肉食なのに?」
「やっぱ分かるんじゃないかなぁ、この人は敵じゃないよってさ」
「...そうか、そこは魔界も同じかもしれないね」
「そうなの?!」
「うん。相手の性格にもよるかもだけど、凶暴でも攻撃してこない子もいるよ」
「うわぁ〜いいなぁ!魔界の生物って格好良いの多いからさ、憧れてるんだよねちょびっと」
嬉しそうにニコニコとバラムの話を聞く名無しさんを見て、バラムもまた笑みを深める。
今まで自分の好きな物についての話をここまで真剣に楽しそうに聞いてくれたのは名無しさんが初めてだったからだ。
「龍とか麒麟ってやっぱり伝説の生き物だった分サブノックくんの使い魔とか、触ってみたさが凄い」
「あ、やっぱり居なかったんだ。記述的に書物の中でだけなのかなと思ってたけどこれは新発見だ」
「もしかしたら私が生まれる何百年も前は居たのかもしれないけど、現代では出会う事はなかったなぁー」
「ふふっもし居たら真っ先に君、見に行くたちでしょ」
「当たり前じゃん、相手は伝説だよ?会えるうちに会っておかないと」
バラムに何故か笑われながら積み上げられていた書類を整理していく名無しさん。
天井につきそうなぐらい高かった書類も、今ではもう掌で測れるぐらいに減っていた。
「よし、今日はここまでにしようか」
「えっ全部終わらせなくていいの?」
「十分だよ。君が来てくれてから4時間は経ってる」
「ほんとだ!時間すぎるの早〜」
「ありがとね、本当助かったよ」
「いえいえいつものお礼です」
「君が敬語なのはなんだか怖いな」
「失礼な」
「冗談だよ、ちょっと待ってて。今お菓子持ってくるから」
「やったー!じゃあ私魔茶入れておくねー」
この数時間で慣れたのか勝手知ったるように茶葉を入れ替えにいく名無しさんを横目にバラムも部屋を出た。
「あれ?バラム先生こっちに戻ってきてたんですねぇ!お疲れさまです」
「あぁダリ先生お疲れ様です」
「あれ?お菓子持ってくの珍しいですね」
「書類整理を纏めてやっていたので小腹が空いてしまって」
「音楽祭終わりの休みの日なのに?!うわぁ〜流石ですねぇ!」
「僕だけじゃなくて、他の先生もやってる人はやってると思いますよ」
バラムがリビングに目線を負けるとその意味に気がついたようにダリは笑う。
「あ〜違う違う、今日ここが静かなのは昨日打ち上げで飲みすぎたのが原因なので、仕事とかじゃないですよ〜」
「えっそうなんですか?皆大丈夫かな」
「バラム先生お酒強いですもんねぇ!今生き残ってるの僕とお酒飲まなかったオリアス先生ぐらいです」
「うわぁ大変ですね」
「まぁでも皆疲れてたしちょうど良かったかな!なーんて」
笑いながらリビングを去っていくダリを見て、昨日あれだけ飲んでいたのに凄いなとバラムは思いながらも名無しさんの好きそうなお菓子を選んでいるとまたまた声をかけられた。
「あれっバラム先生?珍しいですね」
「オリアス先生、お疲れ様です」
「はい、お疲れ様です。バラム先生もお菓子とか食べるんですね」
オフモードの状態で話しかけてくるオリアスを見て名無しさんが来ている事を告げるか一瞬迷うが彼女の話したい事がもし重要な事だったらなと思いニコリと笑顔でやり過ごす。
「オリアス先生は、ぽたこですか?」
「ですです。今日はお菓子警察が居ないんで今のうちにたんまり持って行こうと思って」
「食べ過ぎはダメですよ」
「今日だけチートデーなんで大丈夫です」
両手いっぱいにぽたこと強魔炭酸を抱えたオリアスを見て、まるで小さな子供みたいだなとバラムは思う。
「じゃあ僕はこれで。食べ過ぎはダメですよ」
「はーい、善処しますね」
恐らく食べ切ってしまうのであろうお菓子を見つめながらバラムは別館の自室へと戻った。
「おかえりー、遅かったね」
「ごめんごめん、途中話し込んじゃって」
「あ、オリアス先生でしょ」
「何で知ってるの?」
「これ」
と名無しさんが見せてきたのは、お菓子パーティと書かれた魔インとお菓子の写真。ご丁寧にバラム先生にも注意されたのだと言う内容まで記してあった。
「彼、ご飯代わりにしそうだよね」
「分かる。一応止めはしたんだけどさ」
「何て言ってたの?」
「今日はチートデーだから大丈夫だよって」
「ふふふっおんなじ事いってる」
お酒でダウンしたらしいロビンがいないからかお菓子で済ませようとするオリアスに2人で呆れながらも笑顔が滲む。
「オリアス先生のああいうとこ、小さな子供みたいだなってほっこりしちゃった」
「分かるっ可愛いよね〜!報告してくるのも可愛い」
「彼女の特権だね」
「かっ.....いやまぁうん、そう、なんだけどさ」
「あれだけ惚気ておいて今更照れられてもなぁ」
「顔があからさますぎるでしょっ」
揶揄うバラムを他所に名無しさんが声をあげればバラムもおかしそうに笑った。
「あぁ、おはよう名無しさんちゃん待ってたよ」
バタバタと名無しさんが到着したのは、教師寮の別館。昨日名無しさんが寝入った後にバラムから届いていたヘルプメッセージが起因していた。
「それにしても、そんなに急がなくて良かったのに」
「いやいやいやっ寝落ちてたとはいえもっと早く起きてたら良かったんだけど、ごめん!」
「突然だったんだから謝る事じゃないよ、来てくれてありがとね」
そう言って「とりあえず落ち着きなよ」と温かい魔茶を出してくれるバラムはいつものように落ち着き払っている。
「ふー...落ち着く」
「それは良かった」
「それにしても珍しいね、バラム先生からのお願いって」
「本来なら1人でやってたんだけど、色々と立て込んじゃってね」
「全然良いよ!私で役に立てるなら嬉しいしさ」
「そうかい?あ、こないだ言ってた話も聞くから君の話したいタイミングで話してよ」
「おっけー、分かった!まずは手伝うね」
バラムから頼まれたのは空想生物学の書類整理のお仕事。いつもなら1人でこなしていたのだが、人間界を知っている仲良しの名無しさんに、どの書類を処分して更新していくべきなのか助言を貰いたかったのだと言う。
「そうか、じゃあ獅子にも似た生物は人間にとっては本来太刀打ち出来ない生物なんだね?」
「そうだね〜、大の大人でも一瞬でガブリだよ」
「へぇ〜それなのに飼育して観覧する施設を作るとか、やっぱり人間は面白いな」
「あははっ確かに!でも、そういう凶暴な生き物も子供の頃から愛情を持って察してたら懐いてくれる事もあるらしいよ」
「そうなの?肉食なのに?」
「やっぱ分かるんじゃないかなぁ、この人は敵じゃないよってさ」
「...そうか、そこは魔界も同じかもしれないね」
「そうなの?!」
「うん。相手の性格にもよるかもだけど、凶暴でも攻撃してこない子もいるよ」
「うわぁ〜いいなぁ!魔界の生物って格好良いの多いからさ、憧れてるんだよねちょびっと」
嬉しそうにニコニコとバラムの話を聞く名無しさんを見て、バラムもまた笑みを深める。
今まで自分の好きな物についての話をここまで真剣に楽しそうに聞いてくれたのは名無しさんが初めてだったからだ。
「龍とか麒麟ってやっぱり伝説の生き物だった分サブノックくんの使い魔とか、触ってみたさが凄い」
「あ、やっぱり居なかったんだ。記述的に書物の中でだけなのかなと思ってたけどこれは新発見だ」
「もしかしたら私が生まれる何百年も前は居たのかもしれないけど、現代では出会う事はなかったなぁー」
「ふふっもし居たら真っ先に君、見に行くたちでしょ」
「当たり前じゃん、相手は伝説だよ?会えるうちに会っておかないと」
バラムに何故か笑われながら積み上げられていた書類を整理していく名無しさん。
天井につきそうなぐらい高かった書類も、今ではもう掌で測れるぐらいに減っていた。
「よし、今日はここまでにしようか」
「えっ全部終わらせなくていいの?」
「十分だよ。君が来てくれてから4時間は経ってる」
「ほんとだ!時間すぎるの早〜」
「ありがとね、本当助かったよ」
「いえいえいつものお礼です」
「君が敬語なのはなんだか怖いな」
「失礼な」
「冗談だよ、ちょっと待ってて。今お菓子持ってくるから」
「やったー!じゃあ私魔茶入れておくねー」
この数時間で慣れたのか勝手知ったるように茶葉を入れ替えにいく名無しさんを横目にバラムも部屋を出た。
「あれ?バラム先生こっちに戻ってきてたんですねぇ!お疲れさまです」
「あぁダリ先生お疲れ様です」
「あれ?お菓子持ってくの珍しいですね」
「書類整理を纏めてやっていたので小腹が空いてしまって」
「音楽祭終わりの休みの日なのに?!うわぁ〜流石ですねぇ!」
「僕だけじゃなくて、他の先生もやってる人はやってると思いますよ」
バラムがリビングに目線を負けるとその意味に気がついたようにダリは笑う。
「あ〜違う違う、今日ここが静かなのは昨日打ち上げで飲みすぎたのが原因なので、仕事とかじゃないですよ〜」
「えっそうなんですか?皆大丈夫かな」
「バラム先生お酒強いですもんねぇ!今生き残ってるの僕とお酒飲まなかったオリアス先生ぐらいです」
「うわぁ大変ですね」
「まぁでも皆疲れてたしちょうど良かったかな!なーんて」
笑いながらリビングを去っていくダリを見て、昨日あれだけ飲んでいたのに凄いなとバラムは思いながらも名無しさんの好きそうなお菓子を選んでいるとまたまた声をかけられた。
「あれっバラム先生?珍しいですね」
「オリアス先生、お疲れ様です」
「はい、お疲れ様です。バラム先生もお菓子とか食べるんですね」
オフモードの状態で話しかけてくるオリアスを見て名無しさんが来ている事を告げるか一瞬迷うが彼女の話したい事がもし重要な事だったらなと思いニコリと笑顔でやり過ごす。
「オリアス先生は、ぽたこですか?」
「ですです。今日はお菓子警察が居ないんで今のうちにたんまり持って行こうと思って」
「食べ過ぎはダメですよ」
「今日だけチートデーなんで大丈夫です」
両手いっぱいにぽたこと強魔炭酸を抱えたオリアスを見て、まるで小さな子供みたいだなとバラムは思う。
「じゃあ僕はこれで。食べ過ぎはダメですよ」
「はーい、善処しますね」
恐らく食べ切ってしまうのであろうお菓子を見つめながらバラムは別館の自室へと戻った。
「おかえりー、遅かったね」
「ごめんごめん、途中話し込んじゃって」
「あ、オリアス先生でしょ」
「何で知ってるの?」
「これ」
と名無しさんが見せてきたのは、お菓子パーティと書かれた魔インとお菓子の写真。ご丁寧にバラム先生にも注意されたのだと言う内容まで記してあった。
「彼、ご飯代わりにしそうだよね」
「分かる。一応止めはしたんだけどさ」
「何て言ってたの?」
「今日はチートデーだから大丈夫だよって」
「ふふふっおんなじ事いってる」
お酒でダウンしたらしいロビンがいないからかお菓子で済ませようとするオリアスに2人で呆れながらも笑顔が滲む。
「オリアス先生のああいうとこ、小さな子供みたいだなってほっこりしちゃった」
「分かるっ可愛いよね〜!報告してくるのも可愛い」
「彼女の特権だね」
「かっ.....いやまぁうん、そう、なんだけどさ」
「あれだけ惚気ておいて今更照れられてもなぁ」
「顔があからさますぎるでしょっ」
揶揄うバラムを他所に名無しさんが声をあげればバラムもおかしそうに笑った。
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