きんいろの奇跡
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夜も更け会議室から漏れる明かりの下には未だ起きている教師が2人。
学期末最後に向けての多忙な仕事に終われ、休み前にはほぼこうして仕事をこなす教師陣の姿があちこちで見られていた。
「あ、オリアス先生だ。遅くまで頑張るねぇ」
「マルバス先生じゃん。良かったね、この時間ならお菓子警察もいないよ」
「違いますー。部屋だと研究に走りそうだからこっちの方が集中出来るかなーって」
「あぁ〜それ以上はいいや」
「ちょっと、違うよ?最近新しい器具が入ったから、色んな角度で試したりし
「ゔあぁ」
耳を抑え言葉を遮るかのように嫌そうな顔で見つめるオリアスを見てマルバスは優しげな笑顔で笑う。
「そうだ!今度また改良したやつを試させてほ
「お断りします」
「え〜っ、そんなに時間かからないのに〜」
「いやそういう問題じゃあないんだよね」
引き攣った笑顔でオリアスが笑っていると、その笑い声に誘われるかのようにゾロゾロと他の教師達がやってきた。
「おー、やってるなぁ!」
「俺達も各自部屋でやってたんですが眠くなってきてしまいまして」
「僕も〜」
ムルムル、イチョウ、エイトの順に何やら手にお菓子をたんまりもって現れる。
「ってな訳で、オリアス先生もマルバス先生も一休みしよーぜ!」
「俺とエイトもツムルに誘われて出てきたんですよ」
「あ、そういう事。ちょうど良かった、誰かマルバス先生の実験に付き合ってあげてよ」
「「「遠慮します!!」」」
「何でですか〜っ!」
各々持ってきたお菓子を早速あけて魔茶を入れに向かったマルバス以外で一気に騒がしくなる会議室。
「それにしても、今期は特に忙しくない?演目も急遽変更になった学期も多いって聞くし」
「ムルムル先生のとこも変更になったの?」
「今日、突然連絡がきてあちこちから宿泊申請が来たり業者から連絡が入ったりとバタバタで」
「どこも同じだねぇ、俺の所も急遽変更になってさぁ」
ロノウェの仕業だとは知らずに教師陣はため息をつく。それでもどこか楽しそうなのは、変更となった演目の方が教師達の目からみても興味をより唆られるものへとなっていたからだろう。
「そういえば、名無しさんさんとは最近どうなんですか?こないだのお休みからの結構経ちますけど」
「へぇ〜オフを見せないイポス先生も、恋愛とか興味あるんだ」
ニヤリと笑ったオリアスにイポスは驚いたように赤くなる。
「興味あるなぁ、イポス先生の好みのタイプ」
「あ〜〜っオリアス先生それ聞いちゃう?イチョウって実は」
「ツムル!!それ以上言ったらお前が隠してる事言うからな!」
「悪かったってイチョウ〜!ごめんって、な?」
「うわ〜余計気になる」
真っ赤なまま立ち上がりツムルとぎゃあぎゃあ騒ぐ2人をオリアスが見つめていれば、じっと見てくる視線に気がつき声をかける。
「エイト先生も、割とこういう話好きだったり」
「...僕、今まで恋愛自体興味が無くてどんな感覚なんだろうなーって不思議で」
「「えぇっ?!エイトお前っその顔で?!」
「顔は関係なくない?」
グイグイとイフリートに詰め寄り尋問が始まった3人組。するとそこへ朗らかな笑みを浮かべたマルバスも加わればまさにカオスで。
「好きな悪魔 の話ですか?」
「あっマルバス先生聞いてよ!コイツ恋愛興味ないんだって!」
「えっそうなんですか?勿体無い!恋愛は良いですよ〜、相手の色んな顔が見れますから」
「...あの、ちなみにそれは拷問学とは関係したりしますか」
「イポス先生って、やっぱりちょっとむっつりだよね」
「ちがっその、マルバス先生と恋愛ってあんまり結びつかなくて」
「こういうタイプはしれーっと結婚とかしそうじゃない?」
どんな悪魔が好きや理想のタイプに至るまで、結構な深夜だと言うのに会議室は大盛り上がりを見せる。
「でもさ、オリアス先生は幸せ者だよなぁ〜料理上手な上あんな綺麗な子が彼女で」
「ムルムル先生だって、選び放題でしょ」
「あ、ツムルの場合比較対象がアクドル何で理想がちょっと高すぎるというか」
「違うっつーの。俺は別に顔とかじゃなくて生き様っていうか、可愛いけど格好良いのがいいんだよ」
「ギャリーちゃん、だっけ?それ程の悪魔はそうそう居ないんじゃない?」
「オリアス先生までそんな夢のない事言わないでくれよー!」
「でもまぁ現時点で唯一彼女の居るオリアス先生の話はもっと聞いてみたいかもな、僕は」
「エイト!お前は恋愛した方がいい、よく聞いておけよ」
分かった、とキラキラとした真っ直ぐな眼差しで見つめられオリアスは少し目を泳がせながらも、名無しさんの事を思い出したのか表情を和らげる。
「名無しさんちゃんの前だといつの間にか素になると言うか...頑張らなくていい、みたいな感じかなぁ」
「へぇ〜、前の彼女の時はオフの姿見せて無かったって言ってたのにな〜。そんな違うのか」
ムルムルの言葉にそんな事もあったっけと笑いながら、魔珈琲が入ったカップのフチを撫でオリアスは続ける。
「割とずっと格好悪い所しか見せられて無かったんだけど、そんな俺を見て得した気分とか言って笑う子だよ?そりゃあ惚れるでしょ」
「「甘酸っぱーーい」」
「ちょっと、そっちから聞きたいって言ってきたんでしょうが」
「あははっ悪い悪い!オリアス先生もんな顔するんだなーって思ってよ!」
「ベタ惚れですね」「右に同意」「では僕も右に同意〜!」
「そのノリすごいイヤなんだけどっ」
少し赤くなった耳を下げながらムッとするオリアスを見て笑う4人。拗ねたように、もう何も言わないと背を向けられるまで揶揄うのであった。
「はぁ〜つっかれた〜」
場所は変わりオリアスの部屋。
散々揶揄われ尽くしたオリアスはあの後仕事に区切りをつけ今は自室のベッドに転がっている。
ほぼ無意識に開くのは10日程前にやりとりした名無しさんとの魔イン。彼女は教師業務が大変なのを理解してか、イベント事や仕事がバタつくと決まって連絡の頻度を落とすのだ。
「.................」
新しい通知がない魔インを見ながらコロコロと転がるオリアスは文字を打っては消すを何度か繰り返した後、突っ伏すように顔を枕へと埋めた。
「名無しさんちゃんが足りなさすぎる」
問題児クラスが居る事もあってか今年は特に忙しい為、ろくに2人の時間をとってあげられない現状にヤキモキするも理解をしてくれている所に助かっている部分もあって。
そのどっち付かずな気持ちを拭えないオリアスは、大きなため息を吐きながら天井を見上げた。
「今まで、こんなに誰かのこと考えた事なんかあったっけ」
過去の自分をいくら振り返ろうが、恋愛と言うのはたまたま発生するイベントみたいなもので自分から好きになった事などなかったオリアス。
周りの言う他者への執着や傾倒、ましてや自ら幸せにしたい存在に出会えるなどと一切思いもしなかったのだ。
「俺もいっぱしの悪魔だったって事か」
周りから異端の目で見られ、良くも悪くも周囲を惹きつけるこの能力は同年代の中ではかなり稀有。
悪魔学校 に来るまでは自身より優れた存在など居なかったオリアスは名無しさんと出会ってからというもの、驚きの日々で。
落ちてくる瞼に誘われるまま、ありのままの自分を受け入れてくれた名無しさんを思いながら縮こまるように眠りについた。
学期末最後に向けての多忙な仕事に終われ、休み前にはほぼこうして仕事をこなす教師陣の姿があちこちで見られていた。
「あ、オリアス先生だ。遅くまで頑張るねぇ」
「マルバス先生じゃん。良かったね、この時間ならお菓子警察もいないよ」
「違いますー。部屋だと研究に走りそうだからこっちの方が集中出来るかなーって」
「あぁ〜それ以上はいいや」
「ちょっと、違うよ?最近新しい器具が入ったから、色んな角度で試したりし
「ゔあぁ」
耳を抑え言葉を遮るかのように嫌そうな顔で見つめるオリアスを見てマルバスは優しげな笑顔で笑う。
「そうだ!今度また改良したやつを試させてほ
「お断りします」
「え〜っ、そんなに時間かからないのに〜」
「いやそういう問題じゃあないんだよね」
引き攣った笑顔でオリアスが笑っていると、その笑い声に誘われるかのようにゾロゾロと他の教師達がやってきた。
「おー、やってるなぁ!」
「俺達も各自部屋でやってたんですが眠くなってきてしまいまして」
「僕も〜」
ムルムル、イチョウ、エイトの順に何やら手にお菓子をたんまりもって現れる。
「ってな訳で、オリアス先生もマルバス先生も一休みしよーぜ!」
「俺とエイトもツムルに誘われて出てきたんですよ」
「あ、そういう事。ちょうど良かった、誰かマルバス先生の実験に付き合ってあげてよ」
「「「遠慮します!!」」」
「何でですか〜っ!」
各々持ってきたお菓子を早速あけて魔茶を入れに向かったマルバス以外で一気に騒がしくなる会議室。
「それにしても、今期は特に忙しくない?演目も急遽変更になった学期も多いって聞くし」
「ムルムル先生のとこも変更になったの?」
「今日、突然連絡がきてあちこちから宿泊申請が来たり業者から連絡が入ったりとバタバタで」
「どこも同じだねぇ、俺の所も急遽変更になってさぁ」
ロノウェの仕業だとは知らずに教師陣はため息をつく。それでもどこか楽しそうなのは、変更となった演目の方が教師達の目からみても興味をより唆られるものへとなっていたからだろう。
「そういえば、名無しさんさんとは最近どうなんですか?こないだのお休みからの結構経ちますけど」
「へぇ〜オフを見せないイポス先生も、恋愛とか興味あるんだ」
ニヤリと笑ったオリアスにイポスは驚いたように赤くなる。
「興味あるなぁ、イポス先生の好みのタイプ」
「あ〜〜っオリアス先生それ聞いちゃう?イチョウって実は」
「ツムル!!それ以上言ったらお前が隠してる事言うからな!」
「悪かったってイチョウ〜!ごめんって、な?」
「うわ〜余計気になる」
真っ赤なまま立ち上がりツムルとぎゃあぎゃあ騒ぐ2人をオリアスが見つめていれば、じっと見てくる視線に気がつき声をかける。
「エイト先生も、割とこういう話好きだったり」
「...僕、今まで恋愛自体興味が無くてどんな感覚なんだろうなーって不思議で」
「「えぇっ?!エイトお前っその顔で?!」
「顔は関係なくない?」
グイグイとイフリートに詰め寄り尋問が始まった3人組。するとそこへ朗らかな笑みを浮かべたマルバスも加わればまさにカオスで。
「好きな
「あっマルバス先生聞いてよ!コイツ恋愛興味ないんだって!」
「えっそうなんですか?勿体無い!恋愛は良いですよ〜、相手の色んな顔が見れますから」
「...あの、ちなみにそれは拷問学とは関係したりしますか」
「イポス先生って、やっぱりちょっとむっつりだよね」
「ちがっその、マルバス先生と恋愛ってあんまり結びつかなくて」
「こういうタイプはしれーっと結婚とかしそうじゃない?」
どんな悪魔が好きや理想のタイプに至るまで、結構な深夜だと言うのに会議室は大盛り上がりを見せる。
「でもさ、オリアス先生は幸せ者だよなぁ〜料理上手な上あんな綺麗な子が彼女で」
「ムルムル先生だって、選び放題でしょ」
「あ、ツムルの場合比較対象がアクドル何で理想がちょっと高すぎるというか」
「違うっつーの。俺は別に顔とかじゃなくて生き様っていうか、可愛いけど格好良いのがいいんだよ」
「ギャリーちゃん、だっけ?それ程の悪魔はそうそう居ないんじゃない?」
「オリアス先生までそんな夢のない事言わないでくれよー!」
「でもまぁ現時点で唯一彼女の居るオリアス先生の話はもっと聞いてみたいかもな、僕は」
「エイト!お前は恋愛した方がいい、よく聞いておけよ」
分かった、とキラキラとした真っ直ぐな眼差しで見つめられオリアスは少し目を泳がせながらも、名無しさんの事を思い出したのか表情を和らげる。
「名無しさんちゃんの前だといつの間にか素になると言うか...頑張らなくていい、みたいな感じかなぁ」
「へぇ〜、前の彼女の時はオフの姿見せて無かったって言ってたのにな〜。そんな違うのか」
ムルムルの言葉にそんな事もあったっけと笑いながら、魔珈琲が入ったカップのフチを撫でオリアスは続ける。
「割とずっと格好悪い所しか見せられて無かったんだけど、そんな俺を見て得した気分とか言って笑う子だよ?そりゃあ惚れるでしょ」
「「甘酸っぱーーい」」
「ちょっと、そっちから聞きたいって言ってきたんでしょうが」
「あははっ悪い悪い!オリアス先生もんな顔するんだなーって思ってよ!」
「ベタ惚れですね」「右に同意」「では僕も右に同意〜!」
「そのノリすごいイヤなんだけどっ」
少し赤くなった耳を下げながらムッとするオリアスを見て笑う4人。拗ねたように、もう何も言わないと背を向けられるまで揶揄うのであった。
「はぁ〜つっかれた〜」
場所は変わりオリアスの部屋。
散々揶揄われ尽くしたオリアスはあの後仕事に区切りをつけ今は自室のベッドに転がっている。
ほぼ無意識に開くのは10日程前にやりとりした名無しさんとの魔イン。彼女は教師業務が大変なのを理解してか、イベント事や仕事がバタつくと決まって連絡の頻度を落とすのだ。
「.................」
新しい通知がない魔インを見ながらコロコロと転がるオリアスは文字を打っては消すを何度か繰り返した後、突っ伏すように顔を枕へと埋めた。
「名無しさんちゃんが足りなさすぎる」
問題児クラスが居る事もあってか今年は特に忙しい為、ろくに2人の時間をとってあげられない現状にヤキモキするも理解をしてくれている所に助かっている部分もあって。
そのどっち付かずな気持ちを拭えないオリアスは、大きなため息を吐きながら天井を見上げた。
「今まで、こんなに誰かのこと考えた事なんかあったっけ」
過去の自分をいくら振り返ろうが、恋愛と言うのはたまたま発生するイベントみたいなもので自分から好きになった事などなかったオリアス。
周りの言う他者への執着や傾倒、ましてや自ら幸せにしたい存在に出会えるなどと一切思いもしなかったのだ。
「俺もいっぱしの悪魔だったって事か」
周りから異端の目で見られ、良くも悪くも周囲を惹きつけるこの能力は同年代の中ではかなり稀有。
落ちてくる瞼に誘われるまま、ありのままの自分を受け入れてくれた名無しさんを思いながら縮こまるように眠りについた。