きんいろの奇跡
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「はぁーい皆〜お祝いだよーっ!かんぱーーい!」
「「「でビーーール!」」」
「やっとですね〜!本当、いつくっつくのかなって見てるこっちがドキドキものでしたよ」
「あ、マルバス先生も思ってました?俺とイチョウもでっす!」
「分かるなぁ〜!!てっきり僕はもう付き合ってると思ってたけどね〜〜〜!」
「「「ダリ先生と一緒ー!あははははっ」」」
「「..............」」
..........何を隠そう。
いや、最早隠す以前に筒抜けすぎて笑うしかないオリアスと名無しさんは目の前で起きているどんちゃん騒ぎに思考回路が追いつかない。
「............オズくん、なにこれ」
「.............いや、俺も知らない」
「..............秒だったね」
「............あの人にバレた時点でアウトだろうねぇ」
2人の視線の先には、肩を組みながら爆笑している教師統括ダンタリオン・ダリの姿。
皆には暫く内緒の予定だったお付き合いの件も、帰ってきたダリによって何故か瞬時にバレてしまいあれよあれよと言う間にげんこつや魔に連れて来られていたのだ。
「主役のお二方〜飲んでるかーい?」
「ダリ先生...いつの間にこっちに」
「あ〜、2人っきりを邪魔してごめんね?」
「言ってません!」
「そうなの?それにしてもやぁーっとだったね!おめでと!」
「ありがとう、ございます」
「あはははっ照れてる??」
「あー、もーっ、はいはいそうですよ」
「名無しさんちゃん!見た?今の」
終始ニコニコと嬉しそうに話しかけてくるダリの顔は赤い。この短時間で一体どれ程飲んだのだと言うぐらいには赤い。
「ダリ先生顔真っ赤ですよ。お水どうぞ」
「わぁ〜やっさしいなぁ〜名無しさんちゃんは!ふふっ良かったですねぇオリアスせーんせ」
「そうですね」
「あれぇ〜?さっきみたいに照れないんですか?」
「からかわないでくださいっ」
何がそんなに嬉しいのかと言うぐらいに、ずっと良かったですねと嬉しいなぁを繰り返すダリを見てオリアスは店員にまたピッチャーを頼みに行っている。
その様子を見た名無しさんは唐突に質問を投げかけた。
「どうしてそんなに...喜んでくれるんですか?」
名無しさんからしたら何気ない疑問。
それでもダリはにっこり笑ったかと思うと少し目を見開いて名無しさんを見つめる。
「彼が...孤独だったから、ですかね」
どこか懐かしそうにそう告げたダリは、今まで見た事がないくらい柔らかい眼差しをしていて名無しさんは思わず息を呑んだ。
「オリアス先生ってねぇ〜天才なんですよ」
何かを懐かしむように、それでいて少し寂しそうな眼差しで頬杖をつきながらダリは続ける。
「入学当時はバビルス史上最年少首席。何をやらせても優秀で、ほんとに何でも出来る生徒でしたよ」
「?!えっ、オリアス先生ってダリ先生の教え子だったんですか?」
「そうだよ〜っ!とは言っても、飛び級で卒業してるから期間は短かったけどね〜オリアス先生の場合!」
「飛び級...凄すぎる...」
「そうそう。だからねぇ、色んなやっかみもかうし反感何てものは勿論あの容姿に家系能力でしょ?色々事件が起きちゃってさー」
「..........」
「とは言っても、彼自身の能力で全部丸っと解決してるんだけどねっ」
ビールを煽り、もぐもぐと焼き鳥を食べながら少し真面目さを織り交ぜて話すダリは名無しさんにとったら新鮮で。
ソフトドリンクのジョッキをぎゅっと握りしめながら前のめりになって続きを待っている。
「あの頃はまだ、彼の能力も完全に制御とか出来ていなかったんでしょうねぇ〜」
「...と言うと?」
「彼のした何気ない事で男女問わず好きになられたり、彼を利用しようとした人達が反動で命の危険に晒されたりとか日常だったよ、ははっ!」
「!!」
「...そこからかなぁ〜。どちらかと言うと大人しめだったオリアス先生が、教師スイッチが入ってる時みたいな鎧を付けるようになったのは」
「.......」
「笑顔で流せば誰も傷つかない、誰にでもフランクに接すれば誰の特別にもならないし、周囲だって巻き込む力をつけちゃえば誰も不幸になんてなり得ない」
「.........でも、それって..」
「...うん、孤独だろうねぇ」
初めて聞いた、【オリアス・オズワール】という人物を作り上げた壮絶な過去。今のオリアスが居るのは色んな過去があってこそだとは(名前)も頭では理解していたが、それ以上に心が苦しくなった。
「本当の自分を誰にも言えず、他人には見せず、それでも自身を磨く努力は怠らない。それすら彼にとったら幸運が舞い込む日常 になってたんだよ」
「.........、」
「そんな顔しないでよ。だからこそ俺はさ、数年後教師としてやってきたオリアス先生を見て嬉しかったんだから」
「っ.......どうして、ですか」
「吹っ切れてたからねぇ。過去の辛さも何もかも自信に変えた姿で現れた時は痺れたなぁ〜〜」
「..........、格好良い人だなぁ」
「ふふん惚れ直したでしょ〜」
入り口付近のテーブルで他の教師達に囲まれながら逃げ出そうにも逃げ出せていないオリアスを見て、ダリは笑う。
「だからね、君みたいな子が来てくれて嬉しかったんだ〜」
「...ダリ先生は、本当に優しいんですね」
「そうかなぁ?名無しさんちゃんの魔イン聞いたのも、オリアス先生と恋仲になったらいいなーって下心からだったって言ったら?」
ニヤニヤと、先程とは違うからかいモード全開の表情で名無しさんを見つめるダリ。
そんな姿を見た名無しさんは呆れたように笑いかけた。
「本当ダリ先生って楽しい事が好きですよね〜」
「うんっ好きだよ〜!」
「だから、周りも楽しんでる姿を見るのが好きなんですか?」
核心をつくように言われた言葉に、ダリはふっと動きを止めて名無しさんを見つめる。
「あちゃ〜参ったなぁ〜一本取られちゃった」
「オリアス先生が言ってたんです。ダリ先生はとんでもないからかい魔で、おちょくってるように見えるけど本当は誰よりも楽しませるのが好きな悪魔なんだよーって」
そこまで名無しさんが言い切ると、参ったですと言わんばかりに両手をあげて顔を伏せた後ニカッといつもの笑顔で笑いかけた。
「〜〜〜敵わないなぁ、2人には」
「いつもやられてる仕返しです(笑)」
「あははっ!言うねぇ〜」
差し出されたジョッキに乾杯をし、2人で楽しく笑い合っていると疲れた様子のオリアスが不貞腐れたように2人の間にやってきた。
ーダンッ
「おわっ、びっくりした〜。絡まれてたね、オリアス先生」
1人分のスペースを名無しさんが空けてオリアスが座ればすかさず飛んでくるうるさい視線に、呆れたように言葉を吐き出した。
「違いますから」
「何の事ぉ〜?」
「ニヤニヤしないで下さい」
「えーっ僕は普段からこんな顔だよっ!」
「それは...そうですけど、そうじゃなくて!」
「分っかんないなぁ〜?ねー名無しさんちゃん」
全身全霊で揶揄いますモードに入ったダリは、オリアスをつつきながら心底楽しそうにしている。
そして一通り弄り倒した後肩を組んで騒ぐテーブルへと楽しそうに立ち去った。
「.........てたの」
「ん?何て?」
「だからっ、......何、話してたの?2人で」
少し不貞腐れたような口調と先程からいじいじと枝魔目を触っているオリアスを見て、名無しさんは笑う。
「内緒ー」
「...ふーん」
明らかに面白くないような顔をしつつも気にしていない風を装うオリアス。そんな姿を見て名無しさんはまた笑った。
「「「でビーーール!」」」
「やっとですね〜!本当、いつくっつくのかなって見てるこっちがドキドキものでしたよ」
「あ、マルバス先生も思ってました?俺とイチョウもでっす!」
「分かるなぁ〜!!てっきり僕はもう付き合ってると思ってたけどね〜〜〜!」
「「「ダリ先生と一緒ー!あははははっ」」」
「「..............」」
..........何を隠そう。
いや、最早隠す以前に筒抜けすぎて笑うしかないオリアスと名無しさんは目の前で起きているどんちゃん騒ぎに思考回路が追いつかない。
「............オズくん、なにこれ」
「.............いや、俺も知らない」
「..............秒だったね」
「............あの人にバレた時点でアウトだろうねぇ」
2人の視線の先には、肩を組みながら爆笑している教師統括ダンタリオン・ダリの姿。
皆には暫く内緒の予定だったお付き合いの件も、帰ってきたダリによって何故か瞬時にバレてしまいあれよあれよと言う間にげんこつや魔に連れて来られていたのだ。
「主役のお二方〜飲んでるかーい?」
「ダリ先生...いつの間にこっちに」
「あ〜、2人っきりを邪魔してごめんね?」
「言ってません!」
「そうなの?それにしてもやぁーっとだったね!おめでと!」
「ありがとう、ございます」
「あはははっ照れてる??」
「あー、もーっ、はいはいそうですよ」
「名無しさんちゃん!見た?今の」
終始ニコニコと嬉しそうに話しかけてくるダリの顔は赤い。この短時間で一体どれ程飲んだのだと言うぐらいには赤い。
「ダリ先生顔真っ赤ですよ。お水どうぞ」
「わぁ〜やっさしいなぁ〜名無しさんちゃんは!ふふっ良かったですねぇオリアスせーんせ」
「そうですね」
「あれぇ〜?さっきみたいに照れないんですか?」
「からかわないでくださいっ」
何がそんなに嬉しいのかと言うぐらいに、ずっと良かったですねと嬉しいなぁを繰り返すダリを見てオリアスは店員にまたピッチャーを頼みに行っている。
その様子を見た名無しさんは唐突に質問を投げかけた。
「どうしてそんなに...喜んでくれるんですか?」
名無しさんからしたら何気ない疑問。
それでもダリはにっこり笑ったかと思うと少し目を見開いて名無しさんを見つめる。
「彼が...孤独だったから、ですかね」
どこか懐かしそうにそう告げたダリは、今まで見た事がないくらい柔らかい眼差しをしていて名無しさんは思わず息を呑んだ。
「オリアス先生ってねぇ〜天才なんですよ」
何かを懐かしむように、それでいて少し寂しそうな眼差しで頬杖をつきながらダリは続ける。
「入学当時はバビルス史上最年少首席。何をやらせても優秀で、ほんとに何でも出来る生徒でしたよ」
「?!えっ、オリアス先生ってダリ先生の教え子だったんですか?」
「そうだよ〜っ!とは言っても、飛び級で卒業してるから期間は短かったけどね〜オリアス先生の場合!」
「飛び級...凄すぎる...」
「そうそう。だからねぇ、色んなやっかみもかうし反感何てものは勿論あの容姿に家系能力でしょ?色々事件が起きちゃってさー」
「..........」
「とは言っても、彼自身の能力で全部丸っと解決してるんだけどねっ」
ビールを煽り、もぐもぐと焼き鳥を食べながら少し真面目さを織り交ぜて話すダリは名無しさんにとったら新鮮で。
ソフトドリンクのジョッキをぎゅっと握りしめながら前のめりになって続きを待っている。
「あの頃はまだ、彼の能力も完全に制御とか出来ていなかったんでしょうねぇ〜」
「...と言うと?」
「彼のした何気ない事で男女問わず好きになられたり、彼を利用しようとした人達が反動で命の危険に晒されたりとか日常だったよ、ははっ!」
「!!」
「...そこからかなぁ〜。どちらかと言うと大人しめだったオリアス先生が、教師スイッチが入ってる時みたいな鎧を付けるようになったのは」
「.......」
「笑顔で流せば誰も傷つかない、誰にでもフランクに接すれば誰の特別にもならないし、周囲だって巻き込む力をつけちゃえば誰も不幸になんてなり得ない」
「.........でも、それって..」
「...うん、孤独だろうねぇ」
初めて聞いた、【オリアス・オズワール】という人物を作り上げた壮絶な過去。今のオリアスが居るのは色んな過去があってこそだとは(名前)も頭では理解していたが、それ以上に心が苦しくなった。
「本当の自分を誰にも言えず、他人には見せず、それでも自身を磨く努力は怠らない。それすら彼にとったら幸運が舞い込む
「.........、」
「そんな顔しないでよ。だからこそ俺はさ、数年後教師としてやってきたオリアス先生を見て嬉しかったんだから」
「っ.......どうして、ですか」
「吹っ切れてたからねぇ。過去の辛さも何もかも自信に変えた姿で現れた時は痺れたなぁ〜〜」
「..........、格好良い人だなぁ」
「ふふん惚れ直したでしょ〜」
入り口付近のテーブルで他の教師達に囲まれながら逃げ出そうにも逃げ出せていないオリアスを見て、ダリは笑う。
「だからね、君みたいな子が来てくれて嬉しかったんだ〜」
「...ダリ先生は、本当に優しいんですね」
「そうかなぁ?名無しさんちゃんの魔イン聞いたのも、オリアス先生と恋仲になったらいいなーって下心からだったって言ったら?」
ニヤニヤと、先程とは違うからかいモード全開の表情で名無しさんを見つめるダリ。
そんな姿を見た名無しさんは呆れたように笑いかけた。
「本当ダリ先生って楽しい事が好きですよね〜」
「うんっ好きだよ〜!」
「だから、周りも楽しんでる姿を見るのが好きなんですか?」
核心をつくように言われた言葉に、ダリはふっと動きを止めて名無しさんを見つめる。
「あちゃ〜参ったなぁ〜一本取られちゃった」
「オリアス先生が言ってたんです。ダリ先生はとんでもないからかい魔で、おちょくってるように見えるけど本当は誰よりも楽しませるのが好きな悪魔なんだよーって」
そこまで名無しさんが言い切ると、参ったですと言わんばかりに両手をあげて顔を伏せた後ニカッといつもの笑顔で笑いかけた。
「〜〜〜敵わないなぁ、2人には」
「いつもやられてる仕返しです(笑)」
「あははっ!言うねぇ〜」
差し出されたジョッキに乾杯をし、2人で楽しく笑い合っていると疲れた様子のオリアスが不貞腐れたように2人の間にやってきた。
ーダンッ
「おわっ、びっくりした〜。絡まれてたね、オリアス先生」
1人分のスペースを名無しさんが空けてオリアスが座ればすかさず飛んでくるうるさい視線に、呆れたように言葉を吐き出した。
「違いますから」
「何の事ぉ〜?」
「ニヤニヤしないで下さい」
「えーっ僕は普段からこんな顔だよっ!」
「それは...そうですけど、そうじゃなくて!」
「分っかんないなぁ〜?ねー名無しさんちゃん」
全身全霊で揶揄いますモードに入ったダリは、オリアスをつつきながら心底楽しそうにしている。
そして一通り弄り倒した後肩を組んで騒ぐテーブルへと楽しそうに立ち去った。
「.........てたの」
「ん?何て?」
「だからっ、......何、話してたの?2人で」
少し不貞腐れたような口調と先程からいじいじと枝魔目を触っているオリアスを見て、名無しさんは笑う。
「内緒ー」
「...ふーん」
明らかに面白くないような顔をしつつも気にしていない風を装うオリアス。そんな姿を見て名無しさんはまた笑った。