きんいろの奇跡
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「まさか君たちが付き合ってなかっただなんて...」
「え、いやごめん。そんな落ち込むとは」
暫く激しい質問攻めだったバラムも、今は何故か頭を抱えたまま項垂れている。名無しさんはそんな悩ませる事言ったかなと考えるが、そもそも失恋したとだけしか伝えていないので何故オリアスが好きだと分かったのだろうと不思議がる。
...が、考えても分からないので放棄した。
「はぁ〜。とりあえず状況は分かった」
「何か、誤解させてたみたいでごめんよ」
「いやいや、僕の方こそ早とちりしちゃってごめんね。悪周期がこんなにも早く終わるって聞いて、てっきり恋人同士なのかと思っちゃったんだ」
「確かにさっきの話知ってたら私でもそう思うもんなぁ」
うんうんと納得したように頷く名無しさん。
それを横目で見てバラムはため息を吐き出し、どこかをじっと見つめた後に頭を掻きながら名無しさんへと向き直る。
「それでも君は、オリアス先生が好きなんだよね?」
真っ直ぐと確信を持った眼差しで見つめられた名無しさんは少しの間固まるが、目元を緩めて笑った。
「うん」
「...。好きな悪魔 が居るって話、辛くなかったの?」
何かを探るように、バラムは問いかける。
「んー...辛くなかった、と言えば嘘になる...けど」
「.....けど?」
「.......幸せそうにさ、笑うんだ...目をキラキラさせて」
「.........」
「...何か、それを見てたらこう...悲しいとか辛いとか以上に、叶うといいなって思っちゃったんだよね(笑)」
何でかな、と名無しさんは嬉しそうに笑う。
「.......オリアス先生ってさ、きっと色々誤解されがちじゃん?普段キラキラしてるし格好良いから、何でも出来る!みたいな」
「...そうだねぇ」
「私が知ってる事って多分本当に少ないんだろうけど、何でも出来る天才肌な分努力がさ...見えにくい人なんだろうなーって思ってたから」
「そっか」
「うん。...肩の力が抜けるんだって。素で居られる悪魔だって言ってたから独占欲が無意識で出てたのに、気がつかなかったんだってさ」
「そうなんだ」
「みたいだよ(笑)...だから、オリアス先生にとってそれはきっと一番大事だと思ったんだ。ただでさえ頑張ってんだもん。好きな人と居る時ぐらい幸せだーって笑って休まないと」
そう言う訳で、私と付き合う事は無いよと名無しさんは笑って魔茶の残りを飲み干した。
するとそこまで聞いていたバラムは静かに席を立ち、名無しさんへと笑いかける。
「だったら名無しさんちゃん、まずは君が幸せにならなくちゃね」
それだけ言うとそのままリビングを出ていったバラムに、名無しさんはハテナを浮かべるが入れ替わるように入ってきた人物を見てガタッと後退りながら立ち上がる。
「お、オズくん?!え、なに、今までの...」
まさか本人が居るとは思って居なかったのか、みるみるうちに顔を赤くしたまま名無しさんは後ろへと下がっていく。その姿を見るオリアスの顔も彼女同様に耳まで赤い。
「っごめん!立ち聞きするつもりは全然、無かったんだけど.....その、俺の名前が聞こえてきて」
「ぅあ........ああ」
「出るに、出られ無かったうちにその...悪かった!」
「や、いやいやいや!こっちこそごめん!勝手にこんな場所でべらべらと...!全然忘れてくれていいからね!」
かなり焦った状態で、両手を左右にふりながら変な話聞かせてごめんと眉を下げて笑った名無しさんにオリアスはそっと拳を握り締める。
「名無しさんちゃん」
「!...うん、その、ごめんね」
「名無しさんちゃん」
「っ......うん。大丈夫。覚悟は出来てるよ」
笑顔もなく真剣に、真っ直ぐと見据えてくるオリアス。
それを見た名無しさんも、浮かべていた笑顔を止めて強い瞳を返しながらも後ろ手に隠した掌を握った。
先程まで流れていた空気とは一転して、どこか気まずさと緊張が走る空間。
少しの時間を置いて深呼吸を終えたオリアスが口を開く。
「俺が好きなのは、名無しさんちゃんだよ」
はっきりと、そして強い気持ちが込められた言葉に名無しさんは想像していた言葉との差に思考が現実まで追いつかない。
「無意識に、家系能力が働いちゃってたぐらい...君の事が好きになってた」
「.........、」
「こんなに好きになったのが初めてで、伝えるのが遅くなって本当にごめん」
「..........」
「...俺さ、君と居るとすごい幸せなんだ」
「...っ」
「君の前では、全然格好つかないけど...名無しさんちゃんは俺の前で笑ってて欲しいし、誰にもとられたくない」
「っ!!」
「...だから、俺が君を一番幸せにしたい」
そう言って、真っ赤な耳を伏せながらも一生懸命言葉にしたオリアスは、静かに手を差し出した。
「俺と付き合ってください」
ハニカムように笑顔で告げられ、名無しさんは心臓がうるさくなり過ぎて何が何だか分からずに立ち尽くす。
それでも、何度も何度も深呼吸を繰り返しオリアスの元へ一歩前に歩み出た。
「わっ..........私、で、よ.......ければっ........!」
声を震わせながらも真っ赤な顔を俯かせ、恐る恐る手を差し出した名無しさんを見て、オリアスは言葉にならないぐらいの嬉しさが体中を駆け巡る。
「〜〜〜よっしゃあーーー!!」
「うぉあっ」
声が響いたと同時、気がつけばオリアスの腕の中で。
じわじわとすぐそばで感じる体温に、強くなった爽やかで少し甘い香りが胸をくすぐり名無しさんは心臓が飛び出してしまっているのではと錯覚する程に全身を赤く染めていた。
「まじでっ??やった!!本当に?!」
「.........っ、......ち、オズくん、ちかっ近い!」
「っは〜〜〜まじか!ありがとう名無しさんちゃんっ」
ぎゅうぎゅうと嬉しそうに名無しさんをめいっぱい抱きしめるオリアスは、腕の中で名無しさんが硬直している事には気がつかずにただただ全力で喜ぶ。
嬉しい!すげー好き!と興奮した状態で何度も嬉しそうに伝えてくるオリアスは、名無しさんにとったら心臓に悪い以外のなにものでもなくて。
「お、オズくん!ちょ、.....一旦、一旦まって、その、」
「んん?あっ、ごめん!痛かった?俺結構強めに抱きしめ.....抱きしめ?!」
「オズくん?!」
自分が何をしていたのか理解したオリアスは、バッと両手を上げながら名無しさんから離れるとみるみるうちにまた顔を染めていく。
「ご、ごめん!俺、つい嬉しくなっちゃって...」
「いやいや私こそそのっ...緊張し過ぎて飲み込め、てなくて」
「そっそうだよね?ごめんねいきなり!痛くなかった?大丈夫?」
「だっ、それは大丈夫!です、うん!」
「...そう?それなら、良かったっ」
賑やかな空気からまた一転。お互い赤面しながらも変な距離をとっている様は実に初々しい。
しかし静かになると思われた空間は、何気ない人物の一言でかち割られる事となる。
「あのー、もう入っていいですか?」
「「イフリート先生!!」」
ババッと一斉に振り向かれビクッとしたイフリートだったが、2人の様子を見てゆっくりと笑う。
「おめでとうございます!やっとですね」
恐らく会話を聞いていたのだろう言葉に2人は最初赤面したまま固まる。それでも穏やかに笑ってくれた様を見てオリアスは嬉しそうに口を開いた。
「ありがとう。...どうやら、見守ってくれてたみたいだね」
「偶然、ですけどね」
「本当かなぁ〜」
嬉しさを滲ませながら笑ったオリアスに、イフリートも笑顔で返すのだった。
「まさか君たちが付き合ってなかっただなんて...」
「え、いやごめん。そんな落ち込むとは」
暫く激しい質問攻めだったバラムも、今は何故か頭を抱えたまま項垂れている。名無しさんはそんな悩ませる事言ったかなと考えるが、そもそも失恋したとだけしか伝えていないので何故オリアスが好きだと分かったのだろうと不思議がる。
...が、考えても分からないので放棄した。
「はぁ〜。とりあえず状況は分かった」
「何か、誤解させてたみたいでごめんよ」
「いやいや、僕の方こそ早とちりしちゃってごめんね。悪周期がこんなにも早く終わるって聞いて、てっきり恋人同士なのかと思っちゃったんだ」
「確かにさっきの話知ってたら私でもそう思うもんなぁ」
うんうんと納得したように頷く名無しさん。
それを横目で見てバラムはため息を吐き出し、どこかをじっと見つめた後に頭を掻きながら名無しさんへと向き直る。
「それでも君は、オリアス先生が好きなんだよね?」
真っ直ぐと確信を持った眼差しで見つめられた名無しさんは少しの間固まるが、目元を緩めて笑った。
「うん」
「...。好きな
何かを探るように、バラムは問いかける。
「んー...辛くなかった、と言えば嘘になる...けど」
「.....けど?」
「.......幸せそうにさ、笑うんだ...目をキラキラさせて」
「.........」
「...何か、それを見てたらこう...悲しいとか辛いとか以上に、叶うといいなって思っちゃったんだよね(笑)」
何でかな、と名無しさんは嬉しそうに笑う。
「.......オリアス先生ってさ、きっと色々誤解されがちじゃん?普段キラキラしてるし格好良いから、何でも出来る!みたいな」
「...そうだねぇ」
「私が知ってる事って多分本当に少ないんだろうけど、何でも出来る天才肌な分努力がさ...見えにくい人なんだろうなーって思ってたから」
「そっか」
「うん。...肩の力が抜けるんだって。素で居られる悪魔だって言ってたから独占欲が無意識で出てたのに、気がつかなかったんだってさ」
「そうなんだ」
「みたいだよ(笑)...だから、オリアス先生にとってそれはきっと一番大事だと思ったんだ。ただでさえ頑張ってんだもん。好きな人と居る時ぐらい幸せだーって笑って休まないと」
そう言う訳で、私と付き合う事は無いよと名無しさんは笑って魔茶の残りを飲み干した。
するとそこまで聞いていたバラムは静かに席を立ち、名無しさんへと笑いかける。
「だったら名無しさんちゃん、まずは君が幸せにならなくちゃね」
それだけ言うとそのままリビングを出ていったバラムに、名無しさんはハテナを浮かべるが入れ替わるように入ってきた人物を見てガタッと後退りながら立ち上がる。
「お、オズくん?!え、なに、今までの...」
まさか本人が居るとは思って居なかったのか、みるみるうちに顔を赤くしたまま名無しさんは後ろへと下がっていく。その姿を見るオリアスの顔も彼女同様に耳まで赤い。
「っごめん!立ち聞きするつもりは全然、無かったんだけど.....その、俺の名前が聞こえてきて」
「ぅあ........ああ」
「出るに、出られ無かったうちにその...悪かった!」
「や、いやいやいや!こっちこそごめん!勝手にこんな場所でべらべらと...!全然忘れてくれていいからね!」
かなり焦った状態で、両手を左右にふりながら変な話聞かせてごめんと眉を下げて笑った名無しさんにオリアスはそっと拳を握り締める。
「名無しさんちゃん」
「!...うん、その、ごめんね」
「名無しさんちゃん」
「っ......うん。大丈夫。覚悟は出来てるよ」
笑顔もなく真剣に、真っ直ぐと見据えてくるオリアス。
それを見た名無しさんも、浮かべていた笑顔を止めて強い瞳を返しながらも後ろ手に隠した掌を握った。
先程まで流れていた空気とは一転して、どこか気まずさと緊張が走る空間。
少しの時間を置いて深呼吸を終えたオリアスが口を開く。
「俺が好きなのは、名無しさんちゃんだよ」
はっきりと、そして強い気持ちが込められた言葉に名無しさんは想像していた言葉との差に思考が現実まで追いつかない。
「無意識に、家系能力が働いちゃってたぐらい...君の事が好きになってた」
「.........、」
「こんなに好きになったのが初めてで、伝えるのが遅くなって本当にごめん」
「..........」
「...俺さ、君と居るとすごい幸せなんだ」
「...っ」
「君の前では、全然格好つかないけど...名無しさんちゃんは俺の前で笑ってて欲しいし、誰にもとられたくない」
「っ!!」
「...だから、俺が君を一番幸せにしたい」
そう言って、真っ赤な耳を伏せながらも一生懸命言葉にしたオリアスは、静かに手を差し出した。
「俺と付き合ってください」
ハニカムように笑顔で告げられ、名無しさんは心臓がうるさくなり過ぎて何が何だか分からずに立ち尽くす。
それでも、何度も何度も深呼吸を繰り返しオリアスの元へ一歩前に歩み出た。
「わっ..........私、で、よ.......ければっ........!」
声を震わせながらも真っ赤な顔を俯かせ、恐る恐る手を差し出した名無しさんを見て、オリアスは言葉にならないぐらいの嬉しさが体中を駆け巡る。
「〜〜〜よっしゃあーーー!!」
「うぉあっ」
声が響いたと同時、気がつけばオリアスの腕の中で。
じわじわとすぐそばで感じる体温に、強くなった爽やかで少し甘い香りが胸をくすぐり名無しさんは心臓が飛び出してしまっているのではと錯覚する程に全身を赤く染めていた。
「まじでっ??やった!!本当に?!」
「.........っ、......ち、オズくん、ちかっ近い!」
「っは〜〜〜まじか!ありがとう名無しさんちゃんっ」
ぎゅうぎゅうと嬉しそうに名無しさんをめいっぱい抱きしめるオリアスは、腕の中で名無しさんが硬直している事には気がつかずにただただ全力で喜ぶ。
嬉しい!すげー好き!と興奮した状態で何度も嬉しそうに伝えてくるオリアスは、名無しさんにとったら心臓に悪い以外のなにものでもなくて。
「お、オズくん!ちょ、.....一旦、一旦まって、その、」
「んん?あっ、ごめん!痛かった?俺結構強めに抱きしめ.....抱きしめ?!」
「オズくん?!」
自分が何をしていたのか理解したオリアスは、バッと両手を上げながら名無しさんから離れるとみるみるうちにまた顔を染めていく。
「ご、ごめん!俺、つい嬉しくなっちゃって...」
「いやいや私こそそのっ...緊張し過ぎて飲み込め、てなくて」
「そっそうだよね?ごめんねいきなり!痛くなかった?大丈夫?」
「だっ、それは大丈夫!です、うん!」
「...そう?それなら、良かったっ」
賑やかな空気からまた一転。お互い赤面しながらも変な距離をとっている様は実に初々しい。
しかし静かになると思われた空間は、何気ない人物の一言でかち割られる事となる。
「あのー、もう入っていいですか?」
「「イフリート先生!!」」
ババッと一斉に振り向かれビクッとしたイフリートだったが、2人の様子を見てゆっくりと笑う。
「おめでとうございます!やっとですね」
恐らく会話を聞いていたのだろう言葉に2人は最初赤面したまま固まる。それでも穏やかに笑ってくれた様を見てオリアスは嬉しそうに口を開いた。
「ありがとう。...どうやら、見守ってくれてたみたいだね」
「偶然、ですけどね」
「本当かなぁ〜」
嬉しさを滲ませながら笑ったオリアスに、イフリートも笑顔で返すのだった。