きんいろの奇跡
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「よっし、これでいいかな?」
「うわーっ、美味そ〜」
「ねぇねぇっこのご飯って、僕たちも食べていーの?」
「結構多めに作ったので良ければ皆さんもどうぞ」
「「やりぃー!!」」
わーいと嬉しそうにダリとイフリートがはしゃいでいると、匂いに釣られてきたのかゾロゾロとあちこちから他の先生方も集まってくる。
「皆〜!オリアス先生の看病で名無しさんちゃんが来てくれたから、迷惑はかけないようにするんだよー!」
「「「はーーい」」」
「彼女も忙しい身だからなるべくは自分の事は自分でやる事!いいね?」
「「「はーーい」」」
「ってな訳で建前は以上!美味い飯をかっ食らえーー!!」
「「「うぉおおおおおおーー!!!」」」
「おわぁっビックリした!」
まるで歓声が鳴り響くかのように雄叫びに近い声があがってビクッと体を揺らし驚いた名無しさんだったが、1ヶ月ぶりの手作り飯だ〜と騒ぐ姿を見ておかしそうに笑った。
そしてその後ゴロゴロ野菜のスープ、優しい味付けのついたお米の上にローストされたお肉と甘辛いタレがかかったメイン、食後のフルーツゼリーを見て泣く者や合掌する者も居る中騒がしいぐらいの食事が始まったのだった。
「さて、そろそろ行きますか?」
「はい、よろしくお願いしますイフリート先生」
いつもより早めに始まった夕食だったので、頃合いを見て声をかけてきたイフリートに笑顔を返して名無しさんはバラムから貰った魔茶と一緒に少し控えめにした食事をお盆に載せたままオリアスの部屋である113号室へと向かう。
少し緊張した面持ちで名無しさんが居るのは、例え頼まれた事だとは言えもしかしたらオリアス自身は悪周期に誰にも会いたくないかもしれないからだ。
「大丈夫ですよ、もし何かあれば僕も居ますしオリアス先生も理性がゼロな訳じゃありませんから」
「ありがとうございます、イフリート先生」
「いえいえ。じゃあドアノックしますね」
名無しさんは扉の横に立ちまずはイフリートがノックをするが、反応は無い。少し待ってもう一度ノックをして見ればズルズルと何かを引き摺るような音が徐々に扉へと近づいてきて、静かな声が確かに聞こえる。
「.........、すか」
ーコンコン
「チッ........っせぇな、誰だよ」
低く地を這うような掠れた声は明らかに機嫌が悪そうで2人は顔を見合わせ決意したかのように名無しさんは声を音にした。
「オリアス先生、名無しさんです。体調が悪い中すみません」
ーガタッ
「っ?!......、ちゃん...?」
「昨日から何も食べていないと聞いてお節介かなと思ったのですが、消化の良いスープを作ってきたので良ければどうですか?」
名無しさんの声を聞いて部屋で大きな物音がしたかと思うと、先程まで感じていた殺気が薄れていくのが分かりイフリートは扉から一歩引いたかと思うと事の成り行きを見守っている。
「勿論食べる元気があればで大丈夫ですし、食欲が無ければゼリーも作ってあります」
するとゆっくりと部屋の扉が開いて行き、顔色悪くいつもよりも覇気がない状態のオリアスがわずかに開いた扉の隙間から少しだけ顔を覗かせた。
「なん...で、きみが..............」
「ダリ先生に頼まれてきました。この時期に伺うのも悪いなと考えたのですが、食事も摂れてないようだったので心配で...」
「................そ」
「勝手にすみません。もしあれならこの魔茶だけでも飲むと薬が入ってるので落ち着き.........え?」
なるべく刺激しないように優しく名無しさんが話しかけていると、わずかに開いていた扉の隙間から伸びたオリアスの手が、控えめに名無しさんの袖口を掴んでいる。
人差し指と親指で心許なそうに弱い力で掴まれた服に、名無しさんは庇護欲が刺激され震えそうになるお盆を力強く握った。
「...オリアス先生、入っても大丈夫でしたか?」
何とか吐き出せた言葉をゆっくりと伝えればコクンと俯きながら頷いたオリアスを見て、名無しさんはイフリートにお辞儀をしてから部屋へと足を踏み入れる。
勿論何かあっては困る為、閉じた扉の前ではイフリートが待機している計画で。
静かに閉じた扉を見送ってから部屋へと視線を移せば、余りにも荒れ果てた部屋の様子に名無しさんは驚くも、袖を掴んだままのオリアスを見て優しく笑う。
「オズくん、辛いよね。まずはこの魔茶落ち着くから飲んでみて」
ーコクリ
声も無く頷き大人しくされるがままに床に座り込み、クッションを抱えたままで魔茶を飲む姿はフードで隠れた姿もあってどこか幼い。
テーブルに食事を置いて名無しさんが立ちあがろうとすればすぐさまオリアスは服を掴んで食い止める。
「...ここに居てもいいの?」
「...........ん」
「そっか、ありがとう。ご飯は食べられそう?」
「............ん」
まるで小さい子供かのように最低限の音しか発ないオリアスはそれはそれは可愛いくて。
名無しさんは撫でたくなる衝動を抑えながらスプーンを差し出した。
静かに、それでも穏やかにカチャカチャと食器がぶつかる音だけが響く部屋。
2人の間に今更会話などなくともそこには気まずさの欠片もなくてただただ名無しさんは優しい眼差しでオリアスを見守っていた。
「うん、よく食べたね。ゼリーも食べられて良かった」
「.................ち、そう...さま」
「どういたしまして、へへ」
薄暗い部屋に月明かりだけが差し込むこの部屋は、最初足を踏み入れた瞬間少し冷たい印象を名無しさんは受けていたが、オリアスの気が少し落ち着いたからなのか今は少し柔らかな空間が広がっている。
「少しは落ち着いた?」
「................ん」
「そっか。んじゃ長居するのもアレだし私はそろそろ行こうかな」
「.................................ぁ」
ゆっくりと食器を持って立ち上がり、部屋を後にしようとオリアスへと振り返れば控えめに伸びた左腕がちょうど下がった所だった。
それを見て名無しさんは少し考えた後、入り口の棚にお盆を置いたかと思うとオリアスに目線を合わせるかのようにしゃがみ込む。
「...........。心配だから、オズくんが眠るまでここに居ていい?」
「.................ん」
バッと上を向きやっと光の入った瞳と目が合ったと思ったのは一瞬で、オリアスはまた目を伏せながら静かに頷いた。
「寒かったりしてない?大丈夫?」
ーコクリ
あの後ベッドへともぞもぞと潜り込み、広いベッドに丸まった芋虫のように縮こまっている姿はまるで暗い夜に怖がる子供のようで。名無しさんはその布団の上をぽんぽんと一定のリズムで叩きながらオリアスの眠気を誘っていく。
じんわりと胸に広がる柔らかい温もりにオリアスは少し口元を緩めながらもゆっくりとその瞳を閉じていった。
「おやすみ、オズくん」
ギュッとクッションを抱きしめたまま寝入る姿に名無しさんは目元を緩めてオリアスが寝入ってから暫くはその寝顔を見つめていた。
ぽんぽんと規則正しく響いていた音は次第にゆっくりとなって行き、座り込みながら見守っていた名無しさんの瞳もゆるゆると閉じかけている。
「(や....ばい、ねそう.............)」
駄目だ駄目だと思いながらも抗えない眠気に、いつの間にか名無しさんは意識を飛ばしていた。
「.........ん、ま...ぶしい...?」
いつもと違う香りを感じながらも誘われるがままに名無しさんが目を開ければ、そこは見た事もない部屋が広がっていてぼーっとしていた意識が一気に目覚めていく。
「....えっ!ここどこだ!」
バッと飛び起き窓から外を見渡せば昨日訪れていた教師寮と思える建物が視界いっぱいに広がっている。
どう言う事だと思いながら頭をぐるぐるしていると、控えめに鳴り響いたノックに名無しさんの心臓は飛び上がった。
「ふぃっ、もう起きてたんですねえ。おはようございます」
「す、スージー先生っ?!え、って事はここは...」
「はいっここは教師の女子寮ですよぉ〜ふぃっ」
一体いつの間に寝てしまったのか記憶が無い名無しさんは事の成り行きを知り朝から自身の至らなさに頭を抱えて反省をした。それと同時に鬼レベルで通知があるス魔ホの相手を見て背筋がゾッとしたのは言うまでもなく。
「...スージー先生...あの、オペラさんは」
「勿論来られてましたよぉ〜、ふぃっ」
「あの、怒ってました...よね?」
「んん〜どうでしょう。ため息はついてましたがとても心配してるようでしたねえ...ふぃっ」
「その.......イフリート先生は怒ってましたか」
「エイト先生?いいえぇ、心配はされてましたけどダリ先生と一緒に何やら楽しそうにしてましたよぉ〜、ふぃっ」
時刻は6時6分。
聞かされた内容は朝から理解するには余りにもな内容だった。
どうやらあの後オリアスと一緒に眠ってしまった名無しさんは、イフリートにより爆睡している所を発見され、部屋から連れ出そうとしていたものの(名前)の服を掴んで眠っていたオリアスの手を離すのに一苦労。
イフリートによるお姫様抱っこで部屋を後にすれば、鬼のような形相で立つオペラに出会い説明と説得の後オペラによって女子寮へと運ばれたらしいのだ。
「寝落ちた上に連絡無しで無断外泊...こ、ころされる」
冷や汗をかきながら女子寮のキッチンにて物凄い勢いで朝食を作っていく名無しさんの顔は朝とは思えない程に憔悴している。
そしてものの20分で作り上げたかと思うと急いでオペラへと連絡を入れ散々叱られた後に反省文66枚と言う事で片がついたのだった。
「おはようございます〜...」
「あ!おっはよう名無しさんちゃん!よく眠れたかい?」
「ダリ先生っ昨日はご迷惑をおかけしました!!」
リビングに入るなり出会ったダリに秒で名無しさんが頭を下げれば途端に笑い声があがる。
「うわーっ、美味そ〜」
「ねぇねぇっこのご飯って、僕たちも食べていーの?」
「結構多めに作ったので良ければ皆さんもどうぞ」
「「やりぃー!!」」
わーいと嬉しそうにダリとイフリートがはしゃいでいると、匂いに釣られてきたのかゾロゾロとあちこちから他の先生方も集まってくる。
「皆〜!オリアス先生の看病で名無しさんちゃんが来てくれたから、迷惑はかけないようにするんだよー!」
「「「はーーい」」」
「彼女も忙しい身だからなるべくは自分の事は自分でやる事!いいね?」
「「「はーーい」」」
「ってな訳で建前は以上!美味い飯をかっ食らえーー!!」
「「「うぉおおおおおおーー!!!」」」
「おわぁっビックリした!」
まるで歓声が鳴り響くかのように雄叫びに近い声があがってビクッと体を揺らし驚いた名無しさんだったが、1ヶ月ぶりの手作り飯だ〜と騒ぐ姿を見ておかしそうに笑った。
そしてその後ゴロゴロ野菜のスープ、優しい味付けのついたお米の上にローストされたお肉と甘辛いタレがかかったメイン、食後のフルーツゼリーを見て泣く者や合掌する者も居る中騒がしいぐらいの食事が始まったのだった。
「さて、そろそろ行きますか?」
「はい、よろしくお願いしますイフリート先生」
いつもより早めに始まった夕食だったので、頃合いを見て声をかけてきたイフリートに笑顔を返して名無しさんはバラムから貰った魔茶と一緒に少し控えめにした食事をお盆に載せたままオリアスの部屋である113号室へと向かう。
少し緊張した面持ちで名無しさんが居るのは、例え頼まれた事だとは言えもしかしたらオリアス自身は悪周期に誰にも会いたくないかもしれないからだ。
「大丈夫ですよ、もし何かあれば僕も居ますしオリアス先生も理性がゼロな訳じゃありませんから」
「ありがとうございます、イフリート先生」
「いえいえ。じゃあドアノックしますね」
名無しさんは扉の横に立ちまずはイフリートがノックをするが、反応は無い。少し待ってもう一度ノックをして見ればズルズルと何かを引き摺るような音が徐々に扉へと近づいてきて、静かな声が確かに聞こえる。
「.........、すか」
ーコンコン
「チッ........っせぇな、誰だよ」
低く地を這うような掠れた声は明らかに機嫌が悪そうで2人は顔を見合わせ決意したかのように名無しさんは声を音にした。
「オリアス先生、名無しさんです。体調が悪い中すみません」
ーガタッ
「っ?!......、ちゃん...?」
「昨日から何も食べていないと聞いてお節介かなと思ったのですが、消化の良いスープを作ってきたので良ければどうですか?」
名無しさんの声を聞いて部屋で大きな物音がしたかと思うと、先程まで感じていた殺気が薄れていくのが分かりイフリートは扉から一歩引いたかと思うと事の成り行きを見守っている。
「勿論食べる元気があればで大丈夫ですし、食欲が無ければゼリーも作ってあります」
するとゆっくりと部屋の扉が開いて行き、顔色悪くいつもよりも覇気がない状態のオリアスがわずかに開いた扉の隙間から少しだけ顔を覗かせた。
「なん...で、きみが..............」
「ダリ先生に頼まれてきました。この時期に伺うのも悪いなと考えたのですが、食事も摂れてないようだったので心配で...」
「................そ」
「勝手にすみません。もしあれならこの魔茶だけでも飲むと薬が入ってるので落ち着き.........え?」
なるべく刺激しないように優しく名無しさんが話しかけていると、わずかに開いていた扉の隙間から伸びたオリアスの手が、控えめに名無しさんの袖口を掴んでいる。
人差し指と親指で心許なそうに弱い力で掴まれた服に、名無しさんは庇護欲が刺激され震えそうになるお盆を力強く握った。
「...オリアス先生、入っても大丈夫でしたか?」
何とか吐き出せた言葉をゆっくりと伝えればコクンと俯きながら頷いたオリアスを見て、名無しさんはイフリートにお辞儀をしてから部屋へと足を踏み入れる。
勿論何かあっては困る為、閉じた扉の前ではイフリートが待機している計画で。
静かに閉じた扉を見送ってから部屋へと視線を移せば、余りにも荒れ果てた部屋の様子に名無しさんは驚くも、袖を掴んだままのオリアスを見て優しく笑う。
「オズくん、辛いよね。まずはこの魔茶落ち着くから飲んでみて」
ーコクリ
声も無く頷き大人しくされるがままに床に座り込み、クッションを抱えたままで魔茶を飲む姿はフードで隠れた姿もあってどこか幼い。
テーブルに食事を置いて名無しさんが立ちあがろうとすればすぐさまオリアスは服を掴んで食い止める。
「...ここに居てもいいの?」
「...........ん」
「そっか、ありがとう。ご飯は食べられそう?」
「............ん」
まるで小さい子供かのように最低限の音しか発ないオリアスはそれはそれは可愛いくて。
名無しさんは撫でたくなる衝動を抑えながらスプーンを差し出した。
静かに、それでも穏やかにカチャカチャと食器がぶつかる音だけが響く部屋。
2人の間に今更会話などなくともそこには気まずさの欠片もなくてただただ名無しさんは優しい眼差しでオリアスを見守っていた。
「うん、よく食べたね。ゼリーも食べられて良かった」
「.................ち、そう...さま」
「どういたしまして、へへ」
薄暗い部屋に月明かりだけが差し込むこの部屋は、最初足を踏み入れた瞬間少し冷たい印象を名無しさんは受けていたが、オリアスの気が少し落ち着いたからなのか今は少し柔らかな空間が広がっている。
「少しは落ち着いた?」
「................ん」
「そっか。んじゃ長居するのもアレだし私はそろそろ行こうかな」
「.................................ぁ」
ゆっくりと食器を持って立ち上がり、部屋を後にしようとオリアスへと振り返れば控えめに伸びた左腕がちょうど下がった所だった。
それを見て名無しさんは少し考えた後、入り口の棚にお盆を置いたかと思うとオリアスに目線を合わせるかのようにしゃがみ込む。
「...........。心配だから、オズくんが眠るまでここに居ていい?」
「.................ん」
バッと上を向きやっと光の入った瞳と目が合ったと思ったのは一瞬で、オリアスはまた目を伏せながら静かに頷いた。
「寒かったりしてない?大丈夫?」
ーコクリ
あの後ベッドへともぞもぞと潜り込み、広いベッドに丸まった芋虫のように縮こまっている姿はまるで暗い夜に怖がる子供のようで。名無しさんはその布団の上をぽんぽんと一定のリズムで叩きながらオリアスの眠気を誘っていく。
じんわりと胸に広がる柔らかい温もりにオリアスは少し口元を緩めながらもゆっくりとその瞳を閉じていった。
「おやすみ、オズくん」
ギュッとクッションを抱きしめたまま寝入る姿に名無しさんは目元を緩めてオリアスが寝入ってから暫くはその寝顔を見つめていた。
ぽんぽんと規則正しく響いていた音は次第にゆっくりとなって行き、座り込みながら見守っていた名無しさんの瞳もゆるゆると閉じかけている。
「(や....ばい、ねそう.............)」
駄目だ駄目だと思いながらも抗えない眠気に、いつの間にか名無しさんは意識を飛ばしていた。
「.........ん、ま...ぶしい...?」
いつもと違う香りを感じながらも誘われるがままに名無しさんが目を開ければ、そこは見た事もない部屋が広がっていてぼーっとしていた意識が一気に目覚めていく。
「....えっ!ここどこだ!」
バッと飛び起き窓から外を見渡せば昨日訪れていた教師寮と思える建物が視界いっぱいに広がっている。
どう言う事だと思いながら頭をぐるぐるしていると、控えめに鳴り響いたノックに名無しさんの心臓は飛び上がった。
「ふぃっ、もう起きてたんですねえ。おはようございます」
「す、スージー先生っ?!え、って事はここは...」
「はいっここは教師の女子寮ですよぉ〜ふぃっ」
一体いつの間に寝てしまったのか記憶が無い名無しさんは事の成り行きを知り朝から自身の至らなさに頭を抱えて反省をした。それと同時に鬼レベルで通知があるス魔ホの相手を見て背筋がゾッとしたのは言うまでもなく。
「...スージー先生...あの、オペラさんは」
「勿論来られてましたよぉ〜、ふぃっ」
「あの、怒ってました...よね?」
「んん〜どうでしょう。ため息はついてましたがとても心配してるようでしたねえ...ふぃっ」
「その.......イフリート先生は怒ってましたか」
「エイト先生?いいえぇ、心配はされてましたけどダリ先生と一緒に何やら楽しそうにしてましたよぉ〜、ふぃっ」
時刻は6時6分。
聞かされた内容は朝から理解するには余りにもな内容だった。
どうやらあの後オリアスと一緒に眠ってしまった名無しさんは、イフリートにより爆睡している所を発見され、部屋から連れ出そうとしていたものの(名前)の服を掴んで眠っていたオリアスの手を離すのに一苦労。
イフリートによるお姫様抱っこで部屋を後にすれば、鬼のような形相で立つオペラに出会い説明と説得の後オペラによって女子寮へと運ばれたらしいのだ。
「寝落ちた上に連絡無しで無断外泊...こ、ころされる」
冷や汗をかきながら女子寮のキッチンにて物凄い勢いで朝食を作っていく名無しさんの顔は朝とは思えない程に憔悴している。
そしてものの20分で作り上げたかと思うと急いでオペラへと連絡を入れ散々叱られた後に反省文66枚と言う事で片がついたのだった。
「おはようございます〜...」
「あ!おっはよう名無しさんちゃん!よく眠れたかい?」
「ダリ先生っ昨日はご迷惑をおかけしました!!」
リビングに入るなり出会ったダリに秒で名無しさんが頭を下げれば途端に笑い声があがる。