きんいろの奇跡
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「名無しさんちゃーん!おはようっ!」
「あ、ダリ先生〜おはようございます」
「うんうん今日も元気そうだね!」
「ダリ先生こそ」
植物塔での覗き見事件から早一ヶ月、今日も今日とて早朝出勤をしていた名無しさんに話しかけてくる教師陣は多い。
それもこれも、朝から嬉しそうに微笑まれると元気が出るとか何とかで教師達の間では相変わらず印象が良いのだ。
「ダリ先生にこないだ教わったお店美味しかったですよ」
「あ!食べてくれたんだねぇ。あそこ色んなお菓子があって面白かったでしょ」
「はい、入間くんにお土産をいっぱい買って行ったらめちゃくちゃ喜んでました!」
「あちゃーそっちにいっちゃったのかぁ〜〜」
「ん?そっち、とは?」
「こっちの話だよ〜!」
ニコニコと終始笑いながら失敗失敗と呟くダリを名無しさんは不思議に思いながらも昇降口へと2人で向かう。
「それにしても、オリアス先生も悪周期になったりするんですね」
「意外だった?」
「そうですね、はい。いつも余裕がありそうな感じでしたし、オフも息抜き上手だな〜って気がしてたので」
「へぇえ〜〜〜ふーん...うん!やっぱり君は面白いね!この話はまた改めてしましょう」
よく分からない言葉を残して入り口で別れた名無しさんは読めない人だなと思いながらも食堂更衣室へと向かう。
「昨日きた魔インも途中から未読のままだし、心配だな」
ほぼ毎日何気ないやり取りをしていたオリアスとのやり取りを見つめながら歩いていると、たまにやり取りをしていたダリから連絡が入りその内容に名無しさんは驚き足を止めた。
『やっほー!お疲れさま!今日の放課後空いてるかな?実は名無しさんちゃんにしか出来ない大切な任務があって...。詳細は放課後に追って話すよ!』
一体何を頼まれるのだろうかと名無しさんは警戒するが、普段あんな風なダリ先生でも一応やる時はやる教師統括のはずだ。
自分は武力とかには長けていないし、きっと日常で何か力になれる事があるのだろうと決心しすぐさま魔インを名無しさんは返した。
『分かりました!私で力になれる事ならお手伝いしますよ。放課後職員室に向かいますね』
簡潔にそれだけ返し朝の日課をこなしていく名無しさん。
まさかこの後、あんな事態になるだなんて事を鼻歌を歌いながら掃除をする彼女は知る由もない。
「お、返信きた。これは.........楽しくなりそうだねぇ」
.......そう、全てを全力で楽しむダンタリオン・ダリ以外はまだ誰も。
その日名無しさんは一日そわそわしながらも仕事を終えた。あのダリがお願いしてくるぐらいなのだから、何か大切な用事に違いないと考えていたからだ。
「おし、オペラさんとバラム先生にも伝えたしそろそろ行こうかな」
もしかしたら内容によっては遅くなるかもしれない事を加味して事前に2人へと連絡を入れれば即座に鳴ったス魔ホに名無しさんは慌てて通話ボタンを押した。
『もしもし名無しさんちゃん?今少しいいかい』
『バラム先生お疲れ様〜!まだ時間あるから大丈夫だけど、どうかした?』
『うん、お疲れ様。急だけどダリ先生に会う前に準備室に寄れるかい?』
『...バラム先生は、何の用事か分かってたりする?』
『勘、だけどね。でも今は手が話せないから僕の指示した場所のものを持っていった方が安心だと思ってね』
『分かんないけど分かった!また準備室着いたら写真送るね〜』
『うん、間違えないようにね』
バラムが心配するほどの内容なのかと名無しさんは一瞬考えるが、難しい内容であればそもそも自分には声が掛からないだろうと考え素早く身支度を整えてから入り慣れた部屋を念の為ノックしてから入室した。
「お邪魔しまーす」
いつもは出迎えてくれる人物が居ないのは不思議な感覚だなと思いながらも名無しさんは静かに足を踏み入れる。
特にここ最近は大事な用事があるとかで1ヶ月近くも会えていないのだ。
「お、これかな?」
指示にあった乾燥させた紫の葉っぱと緑色の葉っぱが詰まった小瓶が二つ。何やら薬にもなるらしいそれを写真にとって確認すれば、すぐ様返信がきた内容を見て名無しさんは笑顔で準備室を後にした。
追伸で【何かをお願いされた際は、イフリート先生に同行して貰うのを条件にね】というアドバイスもあった。
ーコンコン
「失礼します。あの、ダリ先生はいらっしゃいま
「おーーっ名無しさんちゃん!待ってたよぉ〜!」
「お疲れ様です」
「うんっお疲れ様ーっ!さ、座って座って」
控えめにノックを鳴らせば迎え入れてくれたのは放課後と言う事もあり数名の教師陣のみで。それ以外の皆は補習授業や師団 など様々な用向きで出払っているらしい。
「それでダリ先生、任務って言うのはどんな内容なんですか?」
「よくぞ聞いてくれました!一応拒否権もあったりするんだけどさ、状況的に君にお願いするのが一番かなって」
それだけ告げると今までニコニコと笑っていた瞳が開きダリは静かに名無しさんを見つめる。
「君にね、オリアス先生のお世話をお願いしたいんだ」
見開かれた真っ直ぐな眼差しで名無しさんへと語りかけるダリの表情は、口元が笑っているのにも関わらずどこか真剣で。初めて見たダリの表情に名無しさんは少し驚くが、すぐに言葉を返す。
「お願いは把握しました。でも今は悪周期なんじゃ...」
「そうだねぇ。本来は悪周期の期間はなるべくそっとしておいて休暇を取らせるのだけれど、今回ばかりは時期が悪くて」
「...と、言うと?」
「入間くん...収穫祭については何か話は聞いているかな?」
「そう言えば、昇給試験だとかで毎日大変だけど楽しみって入間くんが」
「ははっ流石だねぇ。そう、1週間後にはその昇給試験を兼ねた収穫祭があるんだけど、ちょーっと問題が起きててさ」
手を組みながら前のめりのままダリは言葉を続ける。
「その収穫祭は結構危険も付き纏うものだから、毎回僕たち教師陣も出来うる限りのサポートが必要になってくるんだ。...その中でも、特にオリアス先生の力は重要でね」
「.......あ。占星 ですか?」
「お、話が早くて助かるよ。オリアス先生の家系能力は強力だからねぇ〜。いつもは1週間ぐらい休んで貰ってるんだけど、それだと初日に間に合わない」
「それで私の出番、というわけですか?え、私が?」
「あの人、ただでさえロビン先生が来る前はお菓子を主食にしてたみたいな所があるからね〜、悪周期の時はろくに食事もとらないみたいだし」
「え。めちゃくちゃ身体に悪くないですか、それ」
「ははっそうなんだよ〜〜〜。まぁ、実際面倒だし冷静になれない期間だから気持ちは分からなくもないんだけどね〜」
戸惑いながらも名無しさんが尋ねるが、ダリも悪周期の時はその気持ちが分かるのだろう、いつもの笑顔で眉を下げながら笑う。
「...状況は分かりました。でも、そんな大変な時期に私何かが近づいて大丈夫なんでしょうか?寧ろ迷惑がかかるんじゃ...」
「いやいや君だからこそ適任なんだよっ、オリアス先生と仲も良いし料理も出来るしね〜!」
「あれ?ご飯はロビン先生が作ってるんじゃ...」
「あ〜...それが今はロビン先生も課外授業で手が回らなくって」
「あ、それで面識があってご飯が作れる私って訳ですね!」
それだけじゃないんだけど、とダリはぼそっと呟きながら改めて名無しさんへと頭を下げた。
「お願いっ名無しさんちゃん!危険はないようにするからさ!」
手を合わせながら頭を下げたダリを見て名無しさんは少しの時間迷ったが、もし自分に出来る事があるのならと決意を込めて声を発した。
「どこまでサポート出来るか分かりませんが、私に出来る事なら協力させて下さい」
「本当っ?!うわぁー良かったぁあ〜〜〜!やってくれるとは思っていたけど、事が事だからねぇ」
「ただ、サポートさせて頂く上でちょっとだけ私からもお願いがあります」
「ん?お願い?」
「はい。オリアス先生に会う際は念の為イフリート先生に同行をお願いしてもよろしいですか?」
名無しさんがそう告げると、職員室に残っていたのだろうイフリートがガタッと席を立ち驚いたように2人の元へとやってくる。
「お話中失礼します。あの、今僕の名前が聞こえた気がしたんですが...」
「あ、イフリート先生お疲れ様です」
「あ!お疲れ様です名無しさんさん」
何気なく2人で挨拶を交わしていると、何やら合点がいったかのようにパチンと指を鳴らしたダリが笑顔で告げる。
「もしかして、バラム先生からですか?」
「よく分かりましたね〜!そうです、ダリ先生に呼ばれたって伝えたら、この薬を持っていく事とイフリート先生の同行は必ずねって言われてしまって」
「うあ〜流っ石バラム先生、全部お見通しって訳ですね」
参りました、と両手を挙げて笑うダリと未だよく飲み込めていないイフリート。うんうんと頷きながらダリは勿論安全はお約束しますよとすんなり承諾をした。
その後早速教師寮へと来て欲しいとの申し出で、名無しさんは少し緊張しながらもダリとイフリートの後を着いていく。
「いらっしゃい!ここが僕達教師が住んでる寮だよっ」
「うわぁ〜〜凄い!広い!おっきい!」
「はははっ大興奮だね」
目をキラキラとさせながら高い天井やあちこちを見渡していると、オトンジャが管理室から声を掛けてきて皆でぺこりと頭を下げた。
そして広間のような大きい場所へと並び立てば召喚時のような光に包まれて気がつけば別の部屋へと移っていた事に名無しさんは更に嬉しそうにする。
「あちこちにハンモックもあるし、部屋数が凄い...!」
「まぁね〜!共用部分も広いけど、個人の部屋もそれなりにあるんだよ」
「確かに、部屋でかなりまったり過ごせますしリビングで集まってる先生達も多いですもんね」
「へぇ〜!楽しそうですね...いいなぁ〜」
ニコニコと説明してくれる様に名無しさんも笑いながら話を聞いているとようやくリビングへと辿り着いた。
「あ、ダリ先生〜おはようございます」
「うんうん今日も元気そうだね!」
「ダリ先生こそ」
植物塔での覗き見事件から早一ヶ月、今日も今日とて早朝出勤をしていた名無しさんに話しかけてくる教師陣は多い。
それもこれも、朝から嬉しそうに微笑まれると元気が出るとか何とかで教師達の間では相変わらず印象が良いのだ。
「ダリ先生にこないだ教わったお店美味しかったですよ」
「あ!食べてくれたんだねぇ。あそこ色んなお菓子があって面白かったでしょ」
「はい、入間くんにお土産をいっぱい買って行ったらめちゃくちゃ喜んでました!」
「あちゃーそっちにいっちゃったのかぁ〜〜」
「ん?そっち、とは?」
「こっちの話だよ〜!」
ニコニコと終始笑いながら失敗失敗と呟くダリを名無しさんは不思議に思いながらも昇降口へと2人で向かう。
「それにしても、オリアス先生も悪周期になったりするんですね」
「意外だった?」
「そうですね、はい。いつも余裕がありそうな感じでしたし、オフも息抜き上手だな〜って気がしてたので」
「へぇえ〜〜〜ふーん...うん!やっぱり君は面白いね!この話はまた改めてしましょう」
よく分からない言葉を残して入り口で別れた名無しさんは読めない人だなと思いながらも食堂更衣室へと向かう。
「昨日きた魔インも途中から未読のままだし、心配だな」
ほぼ毎日何気ないやり取りをしていたオリアスとのやり取りを見つめながら歩いていると、たまにやり取りをしていたダリから連絡が入りその内容に名無しさんは驚き足を止めた。
『やっほー!お疲れさま!今日の放課後空いてるかな?実は名無しさんちゃんにしか出来ない大切な任務があって...。詳細は放課後に追って話すよ!』
一体何を頼まれるのだろうかと名無しさんは警戒するが、普段あんな風なダリ先生でも一応やる時はやる教師統括のはずだ。
自分は武力とかには長けていないし、きっと日常で何か力になれる事があるのだろうと決心しすぐさま魔インを名無しさんは返した。
『分かりました!私で力になれる事ならお手伝いしますよ。放課後職員室に向かいますね』
簡潔にそれだけ返し朝の日課をこなしていく名無しさん。
まさかこの後、あんな事態になるだなんて事を鼻歌を歌いながら掃除をする彼女は知る由もない。
「お、返信きた。これは.........楽しくなりそうだねぇ」
.......そう、全てを全力で楽しむダンタリオン・ダリ以外はまだ誰も。
その日名無しさんは一日そわそわしながらも仕事を終えた。あのダリがお願いしてくるぐらいなのだから、何か大切な用事に違いないと考えていたからだ。
「おし、オペラさんとバラム先生にも伝えたしそろそろ行こうかな」
もしかしたら内容によっては遅くなるかもしれない事を加味して事前に2人へと連絡を入れれば即座に鳴ったス魔ホに名無しさんは慌てて通話ボタンを押した。
『もしもし名無しさんちゃん?今少しいいかい』
『バラム先生お疲れ様〜!まだ時間あるから大丈夫だけど、どうかした?』
『うん、お疲れ様。急だけどダリ先生に会う前に準備室に寄れるかい?』
『...バラム先生は、何の用事か分かってたりする?』
『勘、だけどね。でも今は手が話せないから僕の指示した場所のものを持っていった方が安心だと思ってね』
『分かんないけど分かった!また準備室着いたら写真送るね〜』
『うん、間違えないようにね』
バラムが心配するほどの内容なのかと名無しさんは一瞬考えるが、難しい内容であればそもそも自分には声が掛からないだろうと考え素早く身支度を整えてから入り慣れた部屋を念の為ノックしてから入室した。
「お邪魔しまーす」
いつもは出迎えてくれる人物が居ないのは不思議な感覚だなと思いながらも名無しさんは静かに足を踏み入れる。
特にここ最近は大事な用事があるとかで1ヶ月近くも会えていないのだ。
「お、これかな?」
指示にあった乾燥させた紫の葉っぱと緑色の葉っぱが詰まった小瓶が二つ。何やら薬にもなるらしいそれを写真にとって確認すれば、すぐ様返信がきた内容を見て名無しさんは笑顔で準備室を後にした。
追伸で【何かをお願いされた際は、イフリート先生に同行して貰うのを条件にね】というアドバイスもあった。
ーコンコン
「失礼します。あの、ダリ先生はいらっしゃいま
「おーーっ名無しさんちゃん!待ってたよぉ〜!」
「お疲れ様です」
「うんっお疲れ様ーっ!さ、座って座って」
控えめにノックを鳴らせば迎え入れてくれたのは放課後と言う事もあり数名の教師陣のみで。それ以外の皆は補習授業や
「それでダリ先生、任務って言うのはどんな内容なんですか?」
「よくぞ聞いてくれました!一応拒否権もあったりするんだけどさ、状況的に君にお願いするのが一番かなって」
それだけ告げると今までニコニコと笑っていた瞳が開きダリは静かに名無しさんを見つめる。
「君にね、オリアス先生のお世話をお願いしたいんだ」
見開かれた真っ直ぐな眼差しで名無しさんへと語りかけるダリの表情は、口元が笑っているのにも関わらずどこか真剣で。初めて見たダリの表情に名無しさんは少し驚くが、すぐに言葉を返す。
「お願いは把握しました。でも今は悪周期なんじゃ...」
「そうだねぇ。本来は悪周期の期間はなるべくそっとしておいて休暇を取らせるのだけれど、今回ばかりは時期が悪くて」
「...と、言うと?」
「入間くん...収穫祭については何か話は聞いているかな?」
「そう言えば、昇給試験だとかで毎日大変だけど楽しみって入間くんが」
「ははっ流石だねぇ。そう、1週間後にはその昇給試験を兼ねた収穫祭があるんだけど、ちょーっと問題が起きててさ」
手を組みながら前のめりのままダリは言葉を続ける。
「その収穫祭は結構危険も付き纏うものだから、毎回僕たち教師陣も出来うる限りのサポートが必要になってくるんだ。...その中でも、特にオリアス先生の力は重要でね」
「.......あ。
「お、話が早くて助かるよ。オリアス先生の家系能力は強力だからねぇ〜。いつもは1週間ぐらい休んで貰ってるんだけど、それだと初日に間に合わない」
「それで私の出番、というわけですか?え、私が?」
「あの人、ただでさえロビン先生が来る前はお菓子を主食にしてたみたいな所があるからね〜、悪周期の時はろくに食事もとらないみたいだし」
「え。めちゃくちゃ身体に悪くないですか、それ」
「ははっそうなんだよ〜〜〜。まぁ、実際面倒だし冷静になれない期間だから気持ちは分からなくもないんだけどね〜」
戸惑いながらも名無しさんが尋ねるが、ダリも悪周期の時はその気持ちが分かるのだろう、いつもの笑顔で眉を下げながら笑う。
「...状況は分かりました。でも、そんな大変な時期に私何かが近づいて大丈夫なんでしょうか?寧ろ迷惑がかかるんじゃ...」
「いやいや君だからこそ適任なんだよっ、オリアス先生と仲も良いし料理も出来るしね〜!」
「あれ?ご飯はロビン先生が作ってるんじゃ...」
「あ〜...それが今はロビン先生も課外授業で手が回らなくって」
「あ、それで面識があってご飯が作れる私って訳ですね!」
それだけじゃないんだけど、とダリはぼそっと呟きながら改めて名無しさんへと頭を下げた。
「お願いっ名無しさんちゃん!危険はないようにするからさ!」
手を合わせながら頭を下げたダリを見て名無しさんは少しの時間迷ったが、もし自分に出来る事があるのならと決意を込めて声を発した。
「どこまでサポート出来るか分かりませんが、私に出来る事なら協力させて下さい」
「本当っ?!うわぁー良かったぁあ〜〜〜!やってくれるとは思っていたけど、事が事だからねぇ」
「ただ、サポートさせて頂く上でちょっとだけ私からもお願いがあります」
「ん?お願い?」
「はい。オリアス先生に会う際は念の為イフリート先生に同行をお願いしてもよろしいですか?」
名無しさんがそう告げると、職員室に残っていたのだろうイフリートがガタッと席を立ち驚いたように2人の元へとやってくる。
「お話中失礼します。あの、今僕の名前が聞こえた気がしたんですが...」
「あ、イフリート先生お疲れ様です」
「あ!お疲れ様です名無しさんさん」
何気なく2人で挨拶を交わしていると、何やら合点がいったかのようにパチンと指を鳴らしたダリが笑顔で告げる。
「もしかして、バラム先生からですか?」
「よく分かりましたね〜!そうです、ダリ先生に呼ばれたって伝えたら、この薬を持っていく事とイフリート先生の同行は必ずねって言われてしまって」
「うあ〜流っ石バラム先生、全部お見通しって訳ですね」
参りました、と両手を挙げて笑うダリと未だよく飲み込めていないイフリート。うんうんと頷きながらダリは勿論安全はお約束しますよとすんなり承諾をした。
その後早速教師寮へと来て欲しいとの申し出で、名無しさんは少し緊張しながらもダリとイフリートの後を着いていく。
「いらっしゃい!ここが僕達教師が住んでる寮だよっ」
「うわぁ〜〜凄い!広い!おっきい!」
「はははっ大興奮だね」
目をキラキラとさせながら高い天井やあちこちを見渡していると、オトンジャが管理室から声を掛けてきて皆でぺこりと頭を下げた。
そして広間のような大きい場所へと並び立てば召喚時のような光に包まれて気がつけば別の部屋へと移っていた事に名無しさんは更に嬉しそうにする。
「あちこちにハンモックもあるし、部屋数が凄い...!」
「まぁね〜!共用部分も広いけど、個人の部屋もそれなりにあるんだよ」
「確かに、部屋でかなりまったり過ごせますしリビングで集まってる先生達も多いですもんね」
「へぇ〜!楽しそうですね...いいなぁ〜」
ニコニコと説明してくれる様に名無しさんも笑いながら話を聞いているとようやくリビングへと辿り着いた。