きんいろの奇跡
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心の中で、きっかけをくれたバラムにお礼を告げながらもオリアスは覚悟を決めたように自身の掌を組みながら笑いかける。
「あのね名無しさんちゃん、俺の話聞いてくれる?」
その余りに優しい眼差しにぎこちないながらも頷けば、ありがとうと嬉しそうに笑みを浮かべたオリアスが居て名無しさんの心臓は再び駆け足を始めた。
「俺ね、好きな悪魔 が居るんだ」
「!............そう、なんだね」
「うん。無意識だったんだけど、多分...最初から惹かれてたんだと思う」
前を見据えながらも照れ臭さそうに、それでいて嬉しそうに話すオリアスを見て名無しさんは心臓を鷲掴みにされた感覚に陥る。
それと同時に、あまりにも幸せそうに笑うオリアスを見て、この恋が叶うといいなと少し赤くなった彼の横顔を見ながら名無しさんは思った。
「何でか気になってもう一度目を開けている所を見たくなってね...気がつけば毎日彼女の所に通ってた」
「病気..とかだったの?」
「いんや、そうじゃないけど...傷だらけだった。体だけじゃなく心もね」
「そうなんだ...」
「うん。でもその子、傷つく原因の1人だった俺にも笑いかけてくれちゃったりしてさ....守れなかった事、すげー後悔した」
その時に思いを馳せているのか、オリアスは少し眉を寄せて顔に後悔を滲ませる。それでもどこか幸せそうなのは、その人の事が大切なのだからだろうなと名無しさんは思う。
「そっからはもう独占欲の塊だよ」
「.........独占欲?」
「そう。無意識のうちにその子と会えるよう能力出ちゃってたんだろうねぇ〜、俺もさっき気がついた」
まるで悪戯が成功した少年のように笑ったオリアスを見て名無しさんの心臓は高鳴った。
例えそれが自分以外の人に向けての笑顔でもいいと思えてしまうぐらいに、今の彼は魅力的だったのだ。
「何もかも予想外で真っ直ぐで。その子と居ると肩の力が抜けてくみたいに素の自分で居られたんだよね」
オリアスにここまで思われている悪魔が居たのかと名無しさんは改めて痛感するが、そんな胸の痛みさえ今はいいと思える程に彼の目は幸せそうで名無しさんは切なそうに微笑む。
「...だからきっと、俺は最初から好きだったんだ...君n
優しく笑いながら名無しさんに笑いかけ告白しきろうとしたその瞬間だった。
窓の隙から異様なくらいにはみ出たツノらしきものが数本。それを視界に捉えた瞬間のオリアスの行動はそれはそれは早かった。
.
″(ruby:占星:ラッキーハッピー)″
「「「うわぁあああ」」」
「おわっびっくりした〜!え、皆さんがどうしてここに」
「は〜〜〜先生方、覗き見は良くないですねぇ」
彼女の視界に広がったのは、人喰い花達の蔦に捕まっている先生方計3名。
手前からダリ、イポス、ムルムルの3名である。
「おしいっ!後もうちょっとだったのになぁあ」
「うわぁー悪かったって!離してくれよーー」
「落ち着けツムル!もがく程に拘束が強まってるぞこれ」
「あんた達はもう........」
約1名のみ、反省の色が見られないのは最早いつも通りすぎて呆れるオリアスだったが、彼等の様子からして恐らく結構な時間見られてしまっていただろう現実に頭を抱える。
つい先程までの2人きりの世界はオリアスの家系能力によって一気に現実に引き戻されたのだった。
「ごめんねぇ名無しさんちゃん、またこの話は今度改めて聞いてくれる?」
「...うん、勿論」
「ありがとね!んじゃあ俺はちょーっとこの人達と話があるからさ」
「はははっ程々にね」
「話出来て良かったよ、また明日ね名無しさんちゃん」
「まったねぇ〜名無しさんちゃん!お疲れさま〜」
「あ、名無しさんさんお疲れ様です!」
「お気をつけて」
「あなた達は反省して下さいっ!」
蔦に縛られながらも笑顔で手を振ってくるダリ達に笑いながらも名無しさんもお辞儀をして植物塔を後にした。
「......何か、気が抜けちゃったや(笑)」
わいわいと聞こえてくる声につい少し前まで締め付けられそうだった気持ちが軽くなっていく名無しさんは足取り軽く荷物を置いてきてしまった準備室へと向かう。
「...それにしても、幸せそうだったなぁオズくん」
前を見据えながら嬉しそうに好きな悪魔 の話をしている彼の姿は、見た事がないくらいに大切なものを見つけた眼差しをしていて。
それをすぐ側で見ていた名無しさんの気持ちはその姿を視界に捉えた瞬間からある意味吹っ切れていた。
「上手く、いくといいねぇ...オズくん」
「(...あんなにも優しくて素敵な悪魔が、大事にしたいと思える子に出会えて良かったな。...そもそも私じゃ同じ時間も生きられないし、人間て事も言えてないんだった」
「だから、良かったな」
彼女の頬を雫が一筋流れ落ちたものの、ズキズキとした苦しみや悲しさは名無しさんの心にはもう無い。
「よーっし!切り替えだ〜!」
彼女の恋は今、改めて心に秘められたのだった。
「あのね名無しさんちゃん、俺の話聞いてくれる?」
その余りに優しい眼差しにぎこちないながらも頷けば、ありがとうと嬉しそうに笑みを浮かべたオリアスが居て名無しさんの心臓は再び駆け足を始めた。
「俺ね、好きな
「!............そう、なんだね」
「うん。無意識だったんだけど、多分...最初から惹かれてたんだと思う」
前を見据えながらも照れ臭さそうに、それでいて嬉しそうに話すオリアスを見て名無しさんは心臓を鷲掴みにされた感覚に陥る。
それと同時に、あまりにも幸せそうに笑うオリアスを見て、この恋が叶うといいなと少し赤くなった彼の横顔を見ながら名無しさんは思った。
「何でか気になってもう一度目を開けている所を見たくなってね...気がつけば毎日彼女の所に通ってた」
「病気..とかだったの?」
「いんや、そうじゃないけど...傷だらけだった。体だけじゃなく心もね」
「そうなんだ...」
「うん。でもその子、傷つく原因の1人だった俺にも笑いかけてくれちゃったりしてさ....守れなかった事、すげー後悔した」
その時に思いを馳せているのか、オリアスは少し眉を寄せて顔に後悔を滲ませる。それでもどこか幸せそうなのは、その人の事が大切なのだからだろうなと名無しさんは思う。
「そっからはもう独占欲の塊だよ」
「.........独占欲?」
「そう。無意識のうちにその子と会えるよう能力出ちゃってたんだろうねぇ〜、俺もさっき気がついた」
まるで悪戯が成功した少年のように笑ったオリアスを見て名無しさんの心臓は高鳴った。
例えそれが自分以外の人に向けての笑顔でもいいと思えてしまうぐらいに、今の彼は魅力的だったのだ。
「何もかも予想外で真っ直ぐで。その子と居ると肩の力が抜けてくみたいに素の自分で居られたんだよね」
オリアスにここまで思われている悪魔が居たのかと名無しさんは改めて痛感するが、そんな胸の痛みさえ今はいいと思える程に彼の目は幸せそうで名無しさんは切なそうに微笑む。
「...だからきっと、俺は最初から好きだったんだ...君n
優しく笑いながら名無しさんに笑いかけ告白しきろうとしたその瞬間だった。
窓の隙から異様なくらいにはみ出たツノらしきものが数本。それを視界に捉えた瞬間のオリアスの行動はそれはそれは早かった。
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″(ruby:占星:ラッキーハッピー)″
「「「うわぁあああ」」」
「おわっびっくりした〜!え、皆さんがどうしてここに」
「は〜〜〜先生方、覗き見は良くないですねぇ」
彼女の視界に広がったのは、人喰い花達の蔦に捕まっている先生方計3名。
手前からダリ、イポス、ムルムルの3名である。
「おしいっ!後もうちょっとだったのになぁあ」
「うわぁー悪かったって!離してくれよーー」
「落ち着けツムル!もがく程に拘束が強まってるぞこれ」
「あんた達はもう........」
約1名のみ、反省の色が見られないのは最早いつも通りすぎて呆れるオリアスだったが、彼等の様子からして恐らく結構な時間見られてしまっていただろう現実に頭を抱える。
つい先程までの2人きりの世界はオリアスの家系能力によって一気に現実に引き戻されたのだった。
「ごめんねぇ名無しさんちゃん、またこの話は今度改めて聞いてくれる?」
「...うん、勿論」
「ありがとね!んじゃあ俺はちょーっとこの人達と話があるからさ」
「はははっ程々にね」
「話出来て良かったよ、また明日ね名無しさんちゃん」
「まったねぇ〜名無しさんちゃん!お疲れさま〜」
「あ、名無しさんさんお疲れ様です!」
「お気をつけて」
「あなた達は反省して下さいっ!」
蔦に縛られながらも笑顔で手を振ってくるダリ達に笑いながらも名無しさんもお辞儀をして植物塔を後にした。
「......何か、気が抜けちゃったや(笑)」
わいわいと聞こえてくる声につい少し前まで締め付けられそうだった気持ちが軽くなっていく名無しさんは足取り軽く荷物を置いてきてしまった準備室へと向かう。
「...それにしても、幸せそうだったなぁオズくん」
前を見据えながら嬉しそうに好きな
それをすぐ側で見ていた名無しさんの気持ちはその姿を視界に捉えた瞬間からある意味吹っ切れていた。
「上手く、いくといいねぇ...オズくん」
「(...あんなにも優しくて素敵な悪魔が、大事にしたいと思える子に出会えて良かったな。...そもそも私じゃ同じ時間も生きられないし、人間て事も言えてないんだった」
「だから、良かったな」
彼女の頬を雫が一筋流れ落ちたものの、ズキズキとした苦しみや悲しさは名無しさんの心にはもう無い。
「よーっし!切り替えだ〜!」
彼女の恋は今、改めて心に秘められたのだった。