きんいろの奇跡
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本来ならまだ後2時間は眠れたであろう時刻をさす時計。加えて寝不足という状況はオリアスにとって死活問題で。はやる気持ちからか少し大きめの声が響いた。
「ねぇ君、起きてくれないかな」
「......ん」
答えた声とは裏腹に健やかに上下する布団。
不測の事態を防げるように側を離れたオリアスだったが、要らぬ心配だったのか眠れる主は未だに起きない。
「いい加減起きなよ、ねぇってば」
「ん...なんの...おと」
「?!」
彼女の発した音を聞き、条件反射で距離を取ったオリアスは魔通信を入れながら魔術で彼女を縛り上げる。
【こちらオリアス、先生方起きていますか。侵入者あり、人形の悪魔、恐らく女性、起きている方は俺の部屋に来てください。繰り返します、侵入者ありー...】
2分もたたない内にバタバタと聞こえる足音と控えに鳴るノックの音。魔術で鍵を外せばすぐに別棟に居るはずの教師統括が真っ先に顔を覗かせた。
「朝早くにすみません、俺も何が何だか分からず」
「いえいえ早朝から大変でしたねぇ」
口元に笑みを浮かべていた教師統括だったが、部屋に足を踏み入れた瞬間他の教師を牽制し扉を閉める。
「っ...オリアス先生、これは...」
「...気配すら感じないまま現れていた上、言語も何を言っているか理解不能でした」
「その上この匂い、ね」
「はい。組織絡みだと悪魔学校 に危険が及びますし、ダリ先生の指示を仰げたらなと」
「迅速な判断感謝しますよ〜オリアス先生」
この香りは駄目だね、とダリは笑顔で防護魔術をかけた後、彼女が居る空間のみを包み込み遮断する。
「うん、これで大丈夫だね!」
「ふぅ...ありがとうございます、ダリ先生」
「いえいえ、オリアス先生の迅速な対応あってこそですよ」
状況把握と魔術による適切な処置。
香り自体も脅威になると伝えたかったからこそオリアスは拘束のみに留めており、それを伝えずともダリは理解していた。
すると、今まで眠っていた彼女が自身の現状を見て取り乱し始める。
「おーっと、駄目ですよ〜。貴方は今危険人物として拘束させてもらってます」
「えっ...............ダリ、先生?それに、オリアス先生まで...え、何だこの状況」
「ふむ。オリアス先生の言う通りだ、本当に言語が分かりませんねぇ」
「.................ですねぇ」
「オリアス先生?」
「あぁいや大丈夫です」
「理事長は13冠の集いですし、カルエゴ先生はご実家、生物学に長けたバラム先生は薬の依頼で昼過ぎの帰還....となると」
何かを思案するようにダリはドアへと歩き出し目的の人物へと手招きをする。
「マルバス先生、彼女ですが言葉が通じず、もしかしたらそういう訓練を受けているのかもしれません。確認お願い出来ますか?」
「分かりました。彼女はサキュバスとかでしょうか」
「う〜んどうだろうねぇ。誘惑するにしても無計画過ぎるし何より目的が分からない」
「では、一通り試して聞いてみますね」
「そうだねぇ。朝早くから申し訳ないけど頼みますよマルバス先生!」
目の前で起きている事が理解出来ないのか呆然としていた彼女だったが、必死に何かを伝えようとしているのはオリアス達からしても明白で。だからこそ理由が必要だった。
「おーい、聞こえてますかっ?私は名無しさんといいます、ここは何処でしょうか!」
「...何やら訴えてますね」
「悪意は無さそうなんだけど、状況が状況だからねぇ...とりあえず今やれる事やりましょーか!」
パチンと指を鳴らし、未だ宙に浮いたままの彼女をマルバスへの方へと移動させるダリ。そこで行く末を見守っていたオリアスが声をあげた。
「俺も着いていっていいかな」
「え?オリアス先生も拷問したいんですか?」
「違う違う!俺の部屋に居た理由もだけどちょっと気になる事が...ね」
「どうしますダリ先生」
「うーんそうだね、じゃあ2人にお願いしようか!あ、くれぐれも〝手加減″はお願いしますね〜」
「「勿論です」」
その「手加減」の意味する所が、あくまで情報を吐き出させるのが最優先でその為には手段は選ばないという意味であるのを言葉の通じない彼女は知る由も無い。
「ねぇ君、起きてくれないかな」
「......ん」
答えた声とは裏腹に健やかに上下する布団。
不測の事態を防げるように側を離れたオリアスだったが、要らぬ心配だったのか眠れる主は未だに起きない。
「いい加減起きなよ、ねぇってば」
「ん...なんの...おと」
「?!」
彼女の発した音を聞き、条件反射で距離を取ったオリアスは魔通信を入れながら魔術で彼女を縛り上げる。
【こちらオリアス、先生方起きていますか。侵入者あり、人形の悪魔、恐らく女性、起きている方は俺の部屋に来てください。繰り返します、侵入者ありー...】
2分もたたない内にバタバタと聞こえる足音と控えに鳴るノックの音。魔術で鍵を外せばすぐに別棟に居るはずの教師統括が真っ先に顔を覗かせた。
「朝早くにすみません、俺も何が何だか分からず」
「いえいえ早朝から大変でしたねぇ」
口元に笑みを浮かべていた教師統括だったが、部屋に足を踏み入れた瞬間他の教師を牽制し扉を閉める。
「っ...オリアス先生、これは...」
「...気配すら感じないまま現れていた上、言語も何を言っているか理解不能でした」
「その上この匂い、ね」
「はい。組織絡みだと
「迅速な判断感謝しますよ〜オリアス先生」
この香りは駄目だね、とダリは笑顔で防護魔術をかけた後、彼女が居る空間のみを包み込み遮断する。
「うん、これで大丈夫だね!」
「ふぅ...ありがとうございます、ダリ先生」
「いえいえ、オリアス先生の迅速な対応あってこそですよ」
状況把握と魔術による適切な処置。
香り自体も脅威になると伝えたかったからこそオリアスは拘束のみに留めており、それを伝えずともダリは理解していた。
すると、今まで眠っていた彼女が自身の現状を見て取り乱し始める。
「おーっと、駄目ですよ〜。貴方は今危険人物として拘束させてもらってます」
「えっ...............ダリ、先生?それに、オリアス先生まで...え、何だこの状況」
「ふむ。オリアス先生の言う通りだ、本当に言語が分かりませんねぇ」
「.................ですねぇ」
「オリアス先生?」
「あぁいや大丈夫です」
「理事長は13冠の集いですし、カルエゴ先生はご実家、生物学に長けたバラム先生は薬の依頼で昼過ぎの帰還....となると」
何かを思案するようにダリはドアへと歩き出し目的の人物へと手招きをする。
「マルバス先生、彼女ですが言葉が通じず、もしかしたらそういう訓練を受けているのかもしれません。確認お願い出来ますか?」
「分かりました。彼女はサキュバスとかでしょうか」
「う〜んどうだろうねぇ。誘惑するにしても無計画過ぎるし何より目的が分からない」
「では、一通り試して聞いてみますね」
「そうだねぇ。朝早くから申し訳ないけど頼みますよマルバス先生!」
目の前で起きている事が理解出来ないのか呆然としていた彼女だったが、必死に何かを伝えようとしているのはオリアス達からしても明白で。だからこそ理由が必要だった。
「おーい、聞こえてますかっ?私は名無しさんといいます、ここは何処でしょうか!」
「...何やら訴えてますね」
「悪意は無さそうなんだけど、状況が状況だからねぇ...とりあえず今やれる事やりましょーか!」
パチンと指を鳴らし、未だ宙に浮いたままの彼女をマルバスへの方へと移動させるダリ。そこで行く末を見守っていたオリアスが声をあげた。
「俺も着いていっていいかな」
「え?オリアス先生も拷問したいんですか?」
「違う違う!俺の部屋に居た理由もだけどちょっと気になる事が...ね」
「どうしますダリ先生」
「うーんそうだね、じゃあ2人にお願いしようか!あ、くれぐれも〝手加減″はお願いしますね〜」
「「勿論です」」
その「手加減」の意味する所が、あくまで情報を吐き出させるのが最優先でその為には手段は選ばないという意味であるのを言葉の通じない彼女は知る由も無い。