エンドライフ②
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《24.好きのカタチ 》
「お前の言う守りたい奴ってのは一体どんな野郎なんだ」
暫くすると口を閉ざしていたマルコが突如として話しかけてくる。今までエースの事を詳しく聞かれたことはなかったので、もしかしたら気になっとったのかなと横顔を見て思う。
「そうやなあ...一言で言うと好戦的。一生懸命で不器用やけど優しくて、迷子みたいな子やったよ。多分今も」
「...じゃァ早い所お前が見つけてやんねェとなあ」
「うちも方向音痴やからなぁ」
「そういう迷子なのかよい」
「いや違うけどさ」
「お前なァ」
人がせっかく心配してやってんのによと言われたので、分かっとうよありがとうと伝えれば、早く迎えに来やがれと空に向かって喋っていたので、迎えに来たよと低音で喋れば、んなすぐに来れりゃ苦労はしねェよいと笑っていたのでうちも笑った。マルコ含めて、本間ここの人達は心底優しい。
「でもよ名無しさん、こないだも言ってたがそんな頻繁にそいつの事思い出す割には恋愛感情とかじゃねェんだろい?」
「...そうやなぁ。何ていうかさ確かに思い出す度に、あぁ...好きやなぁってなるんよな。こう、幸せやーって胸がいっぱいになるんよ」
「そこまで思うのにそいつとどうにかなりてェって気持ちはねェのか」
「うーん、上手く言えんけど何かもう笑顔で生きとってくれさえすればそれでいいんよな、うちは。それだけで、いいねん」
「...例えばそいつに好きな女が出来て、そいつと添い遂げるって言ってもか」
「ははっ、それであの子が幸せやって笑うんならそれでいいや。うちの場合好きっていうよりは...何やろなぁ、それだけじゃしっくりこんのよ。やから、あの子が選んだ幸せならうちも幸せや」
そう言って笑えば、マルコは目を見開いて見た事のない顔をした。何か言いかけて閉じられた口は何も伝えてこなかったので言葉を待つ。
...離れている間に確かにこう言った類のことを考えた事はあって。エースに会う前の自分なら確実にショックを受けてたやろうし、悲しかったはずや。
やけど実際エースという人物に会って、少なからずも時を一緒に過ごして気がついてしまった。震えて泣いてたエースがもしも誰かを選んで幸せやと笑うなら、存在意義を求めるエースにとってそんな形の幸せもあるんよなと、何処か腑に落ちた自分がおったのやと。
そんな事を思い出していれば、いつものようにマルコは静かに口を開いた。
「お前...それはよ、」
「ん?」
「...いや、何でもねェよい」
「なんや、はっきり言いよ(笑)」
「何でもねェよい、気にすんな。それよりもう大分風も冷えてきた、お前もそろそろ船に戻るんだな」
「はいはーい、ほな今日もありがとうなマルコ。おやすみー」
「あぁ、おやすみ。ゆっくり寝ろよい」
珍しく何も語らずに片手を上げて去って行くマルコ。
その背中をしばらく見送ってから、言われた通りに起き上がって自分の船へと戻った。モビーディックに繋いである自分の船は比べものにならないぐらい小さいが一人海で暮らすには十分すぎる程の設備と大きさがある。
カツンと音を立てて船に飛び乗れば、先程とは違った夜風が吹き抜けて気持ち良く眠れそうだなと自室に入る。どうかせめて夢の中だけでも会えたらなと最早日課となった思いを胸にベッドへと沈んだ。
「お前の言う守りたい奴ってのは一体どんな野郎なんだ」
暫くすると口を閉ざしていたマルコが突如として話しかけてくる。今までエースの事を詳しく聞かれたことはなかったので、もしかしたら気になっとったのかなと横顔を見て思う。
「そうやなあ...一言で言うと好戦的。一生懸命で不器用やけど優しくて、迷子みたいな子やったよ。多分今も」
「...じゃァ早い所お前が見つけてやんねェとなあ」
「うちも方向音痴やからなぁ」
「そういう迷子なのかよい」
「いや違うけどさ」
「お前なァ」
人がせっかく心配してやってんのによと言われたので、分かっとうよありがとうと伝えれば、早く迎えに来やがれと空に向かって喋っていたので、迎えに来たよと低音で喋れば、んなすぐに来れりゃ苦労はしねェよいと笑っていたのでうちも笑った。マルコ含めて、本間ここの人達は心底優しい。
「でもよ名無しさん、こないだも言ってたがそんな頻繁にそいつの事思い出す割には恋愛感情とかじゃねェんだろい?」
「...そうやなぁ。何ていうかさ確かに思い出す度に、あぁ...好きやなぁってなるんよな。こう、幸せやーって胸がいっぱいになるんよ」
「そこまで思うのにそいつとどうにかなりてェって気持ちはねェのか」
「うーん、上手く言えんけど何かもう笑顔で生きとってくれさえすればそれでいいんよな、うちは。それだけで、いいねん」
「...例えばそいつに好きな女が出来て、そいつと添い遂げるって言ってもか」
「ははっ、それであの子が幸せやって笑うんならそれでいいや。うちの場合好きっていうよりは...何やろなぁ、それだけじゃしっくりこんのよ。やから、あの子が選んだ幸せならうちも幸せや」
そう言って笑えば、マルコは目を見開いて見た事のない顔をした。何か言いかけて閉じられた口は何も伝えてこなかったので言葉を待つ。
...離れている間に確かにこう言った類のことを考えた事はあって。エースに会う前の自分なら確実にショックを受けてたやろうし、悲しかったはずや。
やけど実際エースという人物に会って、少なからずも時を一緒に過ごして気がついてしまった。震えて泣いてたエースがもしも誰かを選んで幸せやと笑うなら、存在意義を求めるエースにとってそんな形の幸せもあるんよなと、何処か腑に落ちた自分がおったのやと。
そんな事を思い出していれば、いつものようにマルコは静かに口を開いた。
「お前...それはよ、」
「ん?」
「...いや、何でもねェよい」
「なんや、はっきり言いよ(笑)」
「何でもねェよい、気にすんな。それよりもう大分風も冷えてきた、お前もそろそろ船に戻るんだな」
「はいはーい、ほな今日もありがとうなマルコ。おやすみー」
「あぁ、おやすみ。ゆっくり寝ろよい」
珍しく何も語らずに片手を上げて去って行くマルコ。
その背中をしばらく見送ってから、言われた通りに起き上がって自分の船へと戻った。モビーディックに繋いである自分の船は比べものにならないぐらい小さいが一人海で暮らすには十分すぎる程の設備と大きさがある。
カツンと音を立てて船に飛び乗れば、先程とは違った夜風が吹き抜けて気持ち良く眠れそうだなと自室に入る。どうかせめて夢の中だけでも会えたらなと最早日課となった思いを胸にベッドへと沈んだ。