エンドライフ
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《5.優しい少年①》
上手く状況が飲み込めずあがった息を整えながら目の前の少年を見つめる。よくは分からないが、もしかしたら目の前の男の子が助けてくれたのだろうか。
「えっと、その、助けてくれた、の?」
「.......」
「ありがとう」
じっと見つめたまま答えのない少年は相も変わらずだんまりを通しているが、何かを耐えるようにぐっとへの字に曲げられた口元を見てとても悪い子には思えなかった。
「本間に、ありがとう。助かったよ」
「.........、あぁ」
初めて返事をしてくれたのを嬉しく思いつつも改めて見た体が傷だらけだった事に慌てて口をつく。
「めっちゃ傷だらけやん、大丈夫?じゃないよな。急いで手当てせなや。...な、どこが一番痛い?」
「!......お前の方が、傷だらけだろ」
一瞬見開いた目はすぐに戻り、目を逸らされながら告げられる。
「あ!忘れてた。ごめんなあ、怖かったよな?血は出とうけどほら、大丈夫やからさ。それより君の方が心配やねんよ」
そういえば結構流血していたんだったと擦り切れたパジャマで隠しながら問いかけるも、血が怖かったのか黙ってしまった。やっちゃったな。
自分はともかく、夢だろうと何だろうとこんな小さな子が傷だらけのままでいい訳がない。
痛む足裏に顔が歪むものの、今はどうにかして目の前の子供を手当てしてあげたかった。
なるべく怖がらせないようにゆっくりと近づいて目線を合わせる。
「もし迷惑で無ければ、君の事手当てしたいのやけど、近くにお家ってあったりするのかな?」
「..........」
「1人で帰れるなら良いのやけど、怖い人達もまたおるかもしれんし近くまで送らせてほしい」
じっと見つめてくる真っ直ぐな目線に可愛いなという気持ちになりながら、つい笑みが溢れるとふいっと顔が逸らされる。
「........ついてこい」
「ん、え?ああ、分かった。ありがとう」
「変なやつだ」
ぼそっと何か聞こえた気がしたが、歩くたびに痛む全身に変な汗が流れてそれどころではない。
でも、数歩先を歩く優しい少年との出会いもあって先程まであった恐怖だけはどこかに吹き飛んでいた。
上手く状況が飲み込めずあがった息を整えながら目の前の少年を見つめる。よくは分からないが、もしかしたら目の前の男の子が助けてくれたのだろうか。
「えっと、その、助けてくれた、の?」
「.......」
「ありがとう」
じっと見つめたまま答えのない少年は相も変わらずだんまりを通しているが、何かを耐えるようにぐっとへの字に曲げられた口元を見てとても悪い子には思えなかった。
「本間に、ありがとう。助かったよ」
「.........、あぁ」
初めて返事をしてくれたのを嬉しく思いつつも改めて見た体が傷だらけだった事に慌てて口をつく。
「めっちゃ傷だらけやん、大丈夫?じゃないよな。急いで手当てせなや。...な、どこが一番痛い?」
「!......お前の方が、傷だらけだろ」
一瞬見開いた目はすぐに戻り、目を逸らされながら告げられる。
「あ!忘れてた。ごめんなあ、怖かったよな?血は出とうけどほら、大丈夫やからさ。それより君の方が心配やねんよ」
そういえば結構流血していたんだったと擦り切れたパジャマで隠しながら問いかけるも、血が怖かったのか黙ってしまった。やっちゃったな。
自分はともかく、夢だろうと何だろうとこんな小さな子が傷だらけのままでいい訳がない。
痛む足裏に顔が歪むものの、今はどうにかして目の前の子供を手当てしてあげたかった。
なるべく怖がらせないようにゆっくりと近づいて目線を合わせる。
「もし迷惑で無ければ、君の事手当てしたいのやけど、近くにお家ってあったりするのかな?」
「..........」
「1人で帰れるなら良いのやけど、怖い人達もまたおるかもしれんし近くまで送らせてほしい」
じっと見つめてくる真っ直ぐな目線に可愛いなという気持ちになりながら、つい笑みが溢れるとふいっと顔が逸らされる。
「........ついてこい」
「ん、え?ああ、分かった。ありがとう」
「変なやつだ」
ぼそっと何か聞こえた気がしたが、歩くたびに痛む全身に変な汗が流れてそれどころではない。
でも、数歩先を歩く優しい少年との出会いもあって先程まであった恐怖だけはどこかに吹き飛んでいた。