エンドライフ②
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《10.ナンパじゃないです違います》
難なく偉大なる航路 を出て、うちは海を漂っていた。そう、進んでいるのではなく漂っている。
「やってもたなーこれは」
...何を隠そう、海の全ての指針を決める謂わば命であるログポースが家出をしてしまったのである。突然の雷雨と雹の嵐...難なく弾き飛ばして乗り超えたまでは良かった。ただ、雹で割れると駄目だと思い外してしまったのが失敗だった。
これはもう何処かで手に入れるしか無いなとは理解しつつも一向に島が見えてこないのが今現在。
まあ、何とかなるかと思いながら鼻歌混じりに突き進んでいると規模は小さいが、どうやら島が見えてきてほっと胸を撫で下ろした。
(...ま、ご飯食べてから考えるかー。その後は買い出しと、本屋さんも行きたいな)
用意していたコートとマフラーをぐるぐる巻きにしてしまえば、ずんぐりむっくりだが暖かい。少し変わった土地だなと思いながら突き進んで行くと、こじんまりながらも彩り豊かな商店街に到着して自然と笑顔になれた。
「すみませーん、1名いけますか?」
最優先は食事だなと良い香りのするお店に入れば、外の気温と打って変わって暖かい。久しぶりに食べる手料理にほくほくと舌鼓を打っていると、目の前を二足歩行の熊がスキップをしながら通り過ぎていく。
(.....へ?今の、熊...やんな?)
確かに、こちらの世界では色んな生き物が二足で走り回ったりもしているが、スキップをした白熊は見たことがなかったので残りのご飯を詰め込んで急いで熊の後を追う。
(本屋さん....?あの熊勉強出来るのか、凄いな)
気配を消して後をつければどうやら本屋さんに用事があるようで嬉しそうに入っていく白熊。どの道買い物もしたかったしなとお店を見渡せば、その品揃えの豊かさに心が踊った。
(わ、これ欲しかったやつや。...こっちも新刊でてる!)
医学コーナーに立ち寄れば思いの外に枠が広くて、この土地は結構医学に長けているのかと思う程。何冊か手にとって、最後目についた解剖学の図鑑を読んでみようと手を伸ばしたその時、ふと同じタイミングで手が伸びてきた。
「あ、すみません」
「.......いや、こっちも悪い」
もふもふ帽子を目深に被った青年と手が重なる。すぐさま手を引っ込めたもののどうやら同じ本を読みたかったようなので、良ければどうぞと言ってその場を離れた。
漢方とハーブにこの島のガイドブックと、欲しかったものを積み上げていけばかなりの冊数になってしまったが仕方がない。書物は全部シャッキーさんの所へ置いてきてしまったので、こんなに読めるのは久しぶりなのだ。
当初の目的は頭の隅へ。早く帰って読みたいなとほくほく気分で買い物を終えれば、お店を出ると同時に突然話しかけられた。
「おいお前」
「....うち?」
「あぁ、他に誰がいる」
「何か用事でした?」
「これはいいのか」
そう言いながら差し出された本。
それには見覚えがあり過ぎて同時にさっきの青年かと思い出す。合点がいって目線を上げれば、初めて見えたその顔にとてつもない既視感を覚えた。何故か見覚えがあり過ぎるその顔に気がつけば口が勝手に喋っていて
「あの、どこかで会った事ありませんか?」
「........は」
「!きゃ、キャプテンが、ナンパされてるーー!」
「!いや、ちゃう!そうじゃなくて、どこかで見た事ある気がするんよ」
と否定にもならない否定を重ねれば、明らかに引き攣った顔をした青年がこちらを見つめてきていた。うん、正直者やね君は。
難なく
「やってもたなーこれは」
...何を隠そう、海の全ての指針を決める謂わば命であるログポースが家出をしてしまったのである。突然の雷雨と雹の嵐...難なく弾き飛ばして乗り超えたまでは良かった。ただ、雹で割れると駄目だと思い外してしまったのが失敗だった。
これはもう何処かで手に入れるしか無いなとは理解しつつも一向に島が見えてこないのが今現在。
まあ、何とかなるかと思いながら鼻歌混じりに突き進んでいると規模は小さいが、どうやら島が見えてきてほっと胸を撫で下ろした。
(...ま、ご飯食べてから考えるかー。その後は買い出しと、本屋さんも行きたいな)
用意していたコートとマフラーをぐるぐる巻きにしてしまえば、ずんぐりむっくりだが暖かい。少し変わった土地だなと思いながら突き進んで行くと、こじんまりながらも彩り豊かな商店街に到着して自然と笑顔になれた。
「すみませーん、1名いけますか?」
最優先は食事だなと良い香りのするお店に入れば、外の気温と打って変わって暖かい。久しぶりに食べる手料理にほくほくと舌鼓を打っていると、目の前を二足歩行の熊がスキップをしながら通り過ぎていく。
(.....へ?今の、熊...やんな?)
確かに、こちらの世界では色んな生き物が二足で走り回ったりもしているが、スキップをした白熊は見たことがなかったので残りのご飯を詰め込んで急いで熊の後を追う。
(本屋さん....?あの熊勉強出来るのか、凄いな)
気配を消して後をつければどうやら本屋さんに用事があるようで嬉しそうに入っていく白熊。どの道買い物もしたかったしなとお店を見渡せば、その品揃えの豊かさに心が踊った。
(わ、これ欲しかったやつや。...こっちも新刊でてる!)
医学コーナーに立ち寄れば思いの外に枠が広くて、この土地は結構医学に長けているのかと思う程。何冊か手にとって、最後目についた解剖学の図鑑を読んでみようと手を伸ばしたその時、ふと同じタイミングで手が伸びてきた。
「あ、すみません」
「.......いや、こっちも悪い」
もふもふ帽子を目深に被った青年と手が重なる。すぐさま手を引っ込めたもののどうやら同じ本を読みたかったようなので、良ければどうぞと言ってその場を離れた。
漢方とハーブにこの島のガイドブックと、欲しかったものを積み上げていけばかなりの冊数になってしまったが仕方がない。書物は全部シャッキーさんの所へ置いてきてしまったので、こんなに読めるのは久しぶりなのだ。
当初の目的は頭の隅へ。早く帰って読みたいなとほくほく気分で買い物を終えれば、お店を出ると同時に突然話しかけられた。
「おいお前」
「....うち?」
「あぁ、他に誰がいる」
「何か用事でした?」
「これはいいのか」
そう言いながら差し出された本。
それには見覚えがあり過ぎて同時にさっきの青年かと思い出す。合点がいって目線を上げれば、初めて見えたその顔にとてつもない既視感を覚えた。何故か見覚えがあり過ぎるその顔に気がつけば口が勝手に喋っていて
「あの、どこかで会った事ありませんか?」
「........は」
「!きゃ、キャプテンが、ナンパされてるーー!」
「!いや、ちゃう!そうじゃなくて、どこかで見た事ある気がするんよ」
と否定にもならない否定を重ねれば、明らかに引き攣った顔をした青年がこちらを見つめてきていた。うん、正直者やね君は。