《9.予想外の展開》


ワノ国を出て1週間てっきり新世界にいると思っていた白ひげ海賊団は、目撃情報によるとまさかの偉大なる航路（ グランドライン）ですらなくとある冬島の孤島とのこと。

村の人に聞いた時は耳を疑ったがどうやら間違いないようで誰に聞いても白ひげだったという。


（....でも、時系列的に考えてあんな大海賊が偉大なる航路（　　グランドライン）におらへん事自体ありへんよな...）


どうしたものかと一旦船に戻って考えようと踵を返しながらふと思う。こういう時に白ひげ海賊団の誰かが騒ぎを起こして偶然ばったり...みたいなの起き無いのかなと。
漫画だったらよくある展開のはずだろうに、この街はとても穏やかである。くそぅ。

前半の海へと戻ってきて数日が経ち、普通だったら白ひげといえばレベルでどこにでも転がっていそうな情報は何一つ確かなものは得られていない。


（いっその事一旦外出てみるか？...時間はまだまだあるしな）


ここに来るまでの間、寄った島々での情報はどれも不確かで唯一白ひげという単語に反応したのがつい先日寄った村だったのだ。

とりあえず行ってみて、いなければまたすぐ戻ってこれば良いかとこの海を出る決意を固めとりあえず食糧と水だけ確保する。航海に関してはワノ国の滝を登れたのだから不安は特に何も無かった。



「すぐに会えると思ってたうちが甘かったな」



つい口を出たそれは紛れも無く本心で、てっきり白ひげを探せばその知名度から難なく見つけられると思っていたのだが世の中そんなに甘くはないらしい。

仕方は無いが、これもまた一人旅の楽しい醍醐味だよなーと気分は徐々に上がっていく。気がついたら偉大なる航路（ グランドライン）に入っていた為か、自分で出入り出来るワクワクが募るばかりで。

...無事に会えると良いなと思いながら、今日も天気の良い航海を続けた。