エンドライフ
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《68.いつか、必ず、また》end.
エース達が居なくなってから5日、名無しさんが居なくなってから5日が経ったある朝だった。いつもは比較的落ち着いているサボが、血相を変えて昨日完成したばかりの秘密基地へと乗り込んでくる。
「どうしたサボ、そんなに慌てて」
「何か美味そうなメシでもいたのか??」
「.....んだよ、」
「?よく聞こえねえぞ」
「名無しさんがっ、いねェんだよっ!」
「はあっ?!」
サボが叫んだ言葉の意味が、いまいちよく飲み込めない。名無しさんが居ないというのはどう言う事なのか、エースにもルフィにもすぐに理解は出来なかった。
「聞こえちまったんだ、偶然....」
最初は秘密基地に仕掛ける罠を考えていた時、偶然ダダンの舎弟達を見かけて木の上に隠れたのだという。意外にもエース達を探している事には驚いたものの今見つかるのは避けたいなと思いそこから去ろうとした時に、「名無しさんは見つかったのか?」という会話が聞こえてきて、急いでダダンの家に向かったのだ。
「そしたらよ、窓から覗いても家の何処にも名無しさんの姿が無くて...玄関にはダダンとドグラが話してたから、何か情報はねえかと聞き耳を立ててたんだ。そしたら...」
″名無しさんは5日も帰っていない″
″靴だけが見つかったがそれ以外は何も見つかってない″
″置き手紙も何も無く突然消えてしまった″
「5日って...おれ達がダダンの家を出た日数と同じじゃねえかっ...!」
「名無しさんはどこにいっちまったんだ?何でいねえんだ?」
「その後も、ダダンに報告する奴らの話を聞いてはみたけど新しい情報は得られそうになかった」
晴れ晴れとした天気も虚しく3人を囲む空気は落ち込み異様な静けさだけがそこに漂う。
「...あの日、何かあったんだ」
「おれも、そう思う。おれが最初に起きた時にはもう雨なんて止んじまってたけど、地面の具合からみるに足跡一つ残ってねえって事は、名無しさんが来た頃はかなり雨は降ってたはずなんだよ」
「〜〜〜っ.....あのバカ」
「でもよ、またこんどあおうって名無しさんが書いたんだろ?だったら」
「だからっ!その名無しさんが居ねえんだよ...」
「エース....」
「とりあえず、今ここで言い合ってても何にもならねえ。おれらも思いつく限りで名無しさんを探してみようぜ」
「...そうだな。ルフィお前はまだ1人じゃ危ねえから、おれかサボについてこい」
「わ、分かった!」
その後、朝ご飯も食べず懸命に森を探すものの名無しさんの姿はどこにもなく、暗くなってきた頃に3人でまた基地に戻っていた。
「名無しさん、どこにも居なかったな...。おれらが秘密にして出てきたから、怒っちまったとかじゃねえのかな...」
「名無しさんはんな事で怒ったりなんかしねえよ。現にあいつはおれ達に膝掛けまでかけて、傘まで置いていってくれてたんだぞ。怒ってる奴が、そんな事するかよ」
「でも確かにあいつが、おれらもだけどダダン達にすら何も言ってねえってのは変だと思う。ルフィやおれらが帰ってこねえ時に起きて待ってるような奴だぞ、心配させるような事をわざわざやるとは思えねえ...」
エースの言葉に、黙り込む2人。そうなのだ、確かに彼女は自分達以上に自分のことを気にかけてくれ、すぐ裏にある畑に行く時すらも周りに声を掛けていくほどの丁寧さだったのだ。
「だから、分からねえ...。サボの話じゃ、靴以外見つかってねえって事は獣に襲われた可能性はかなり低い。となると誘拐の線だが、あんな雨の中分かりやすくわざわざ狙うとも思えねえ」
「なんかまるで...消えちまったみてえな感じだな。ここまで手掛かりが無しだとよ」
「!」
サボの言葉に、一瞬エースの目が見開くがそんな事があるはずはないと浮かんだ可能性をねじ伏せる。
「.....大丈夫だっ、」
「おいルフィ何を根拠に...」
「名無しさんがまたこんどあおうって言ったんだ!だからっ、ぜってえ、また会えるっ....っ!」
泣きたいのを必死に我慢して大丈夫だと笑うルフィ。そんな姿を見て開いていた口を閉ざしたエースと、グッと唇を噛み締めて帽子を下げるサボ。
「.....そうだな、また、会えるっ...」
「............あぁ、」
未だ飲み込みたくない現実と、頭に浮かぶ最悪の事態。変に備品が見つかって嫌な未来を想像するよりは、少しの可能性に賭けた方がずっと良かった。
重なっていた運命はゆっくりと少しずつだが動き出す。
これは名無しさんがこれから起こしていく誰も予測がつかない、彼女の運命を切り開く大きな別れとなったのだった。
エース達が居なくなってから5日、名無しさんが居なくなってから5日が経ったある朝だった。いつもは比較的落ち着いているサボが、血相を変えて昨日完成したばかりの秘密基地へと乗り込んでくる。
「どうしたサボ、そんなに慌てて」
「何か美味そうなメシでもいたのか??」
「.....んだよ、」
「?よく聞こえねえぞ」
「名無しさんがっ、いねェんだよっ!」
「はあっ?!」
サボが叫んだ言葉の意味が、いまいちよく飲み込めない。名無しさんが居ないというのはどう言う事なのか、エースにもルフィにもすぐに理解は出来なかった。
「聞こえちまったんだ、偶然....」
最初は秘密基地に仕掛ける罠を考えていた時、偶然ダダンの舎弟達を見かけて木の上に隠れたのだという。意外にもエース達を探している事には驚いたものの今見つかるのは避けたいなと思いそこから去ろうとした時に、「名無しさんは見つかったのか?」という会話が聞こえてきて、急いでダダンの家に向かったのだ。
「そしたらよ、窓から覗いても家の何処にも名無しさんの姿が無くて...玄関にはダダンとドグラが話してたから、何か情報はねえかと聞き耳を立ててたんだ。そしたら...」
″名無しさんは5日も帰っていない″
″靴だけが見つかったがそれ以外は何も見つかってない″
″置き手紙も何も無く突然消えてしまった″
「5日って...おれ達がダダンの家を出た日数と同じじゃねえかっ...!」
「名無しさんはどこにいっちまったんだ?何でいねえんだ?」
「その後も、ダダンに報告する奴らの話を聞いてはみたけど新しい情報は得られそうになかった」
晴れ晴れとした天気も虚しく3人を囲む空気は落ち込み異様な静けさだけがそこに漂う。
「...あの日、何かあったんだ」
「おれも、そう思う。おれが最初に起きた時にはもう雨なんて止んじまってたけど、地面の具合からみるに足跡一つ残ってねえって事は、名無しさんが来た頃はかなり雨は降ってたはずなんだよ」
「〜〜〜っ.....あのバカ」
「でもよ、またこんどあおうって名無しさんが書いたんだろ?だったら」
「だからっ!その名無しさんが居ねえんだよ...」
「エース....」
「とりあえず、今ここで言い合ってても何にもならねえ。おれらも思いつく限りで名無しさんを探してみようぜ」
「...そうだな。ルフィお前はまだ1人じゃ危ねえから、おれかサボについてこい」
「わ、分かった!」
その後、朝ご飯も食べず懸命に森を探すものの名無しさんの姿はどこにもなく、暗くなってきた頃に3人でまた基地に戻っていた。
「名無しさん、どこにも居なかったな...。おれらが秘密にして出てきたから、怒っちまったとかじゃねえのかな...」
「名無しさんはんな事で怒ったりなんかしねえよ。現にあいつはおれ達に膝掛けまでかけて、傘まで置いていってくれてたんだぞ。怒ってる奴が、そんな事するかよ」
「でも確かにあいつが、おれらもだけどダダン達にすら何も言ってねえってのは変だと思う。ルフィやおれらが帰ってこねえ時に起きて待ってるような奴だぞ、心配させるような事をわざわざやるとは思えねえ...」
エースの言葉に、黙り込む2人。そうなのだ、確かに彼女は自分達以上に自分のことを気にかけてくれ、すぐ裏にある畑に行く時すらも周りに声を掛けていくほどの丁寧さだったのだ。
「だから、分からねえ...。サボの話じゃ、靴以外見つかってねえって事は獣に襲われた可能性はかなり低い。となると誘拐の線だが、あんな雨の中分かりやすくわざわざ狙うとも思えねえ」
「なんかまるで...消えちまったみてえな感じだな。ここまで手掛かりが無しだとよ」
「!」
サボの言葉に、一瞬エースの目が見開くがそんな事があるはずはないと浮かんだ可能性をねじ伏せる。
「.....大丈夫だっ、」
「おいルフィ何を根拠に...」
「名無しさんがまたこんどあおうって言ったんだ!だからっ、ぜってえ、また会えるっ....っ!」
泣きたいのを必死に我慢して大丈夫だと笑うルフィ。そんな姿を見て開いていた口を閉ざしたエースと、グッと唇を噛み締めて帽子を下げるサボ。
「.....そうだな、また、会えるっ...」
「............あぁ、」
未だ飲み込みたくない現実と、頭に浮かぶ最悪の事態。変に備品が見つかって嫌な未来を想像するよりは、少しの可能性に賭けた方がずっと良かった。
重なっていた運命はゆっくりと少しずつだが動き出す。
これは名無しさんがこれから起こしていく誰も予測がつかない、彼女の運命を切り開く大きな別れとなったのだった。
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