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《67.それぞれの朝》
名無しさんが消えてしまった事実は無慈悲にも誰も知らぬままに夜は明けていき、昨日の豪雨が嘘だったかのように空は晴れ晴れとしていた。
「おいっ、エース、ルフィ!2人共起きろよっ」
「んんっ....あ?サボ?」
「ンンン......」
「出てきてみろよ、すげえー晴れてんぞ」
キラキラと眩しいくらいに光る木々、すり抜けていく風は雨の冷たさを吸い込んだように冷えていて心地が良かった。
「ほら起きろってルフィ。エースも、自分の体見てみろよ」
サボに言われるがまま自分の体に視線を落とすエース。何を言いたいのか最初は分からなかったが、眠る前にはなかったはずの膝掛けが体にかかっていて、よく見れば穴の入り口には傘も差し込んである。
「.......お前か?サボ」
「...入り口の地面、よく見てみろよ」
「地面......。あ」
「気づいたか?おれら寝てたから全く気がつかなかったけど、あの手紙見て名無しさんが来てくれたんだと思うぜ」
「あのバカ....傘何て置いてきやがって、まさかあの雨の中濡れて帰ったんじゃねえだろうな」
「ははっ名無しさんならありえるかもなー。でも何にせよ無事に伝わってて良かったよ」
「まあな」
いつも笑顔で自分達を優先しようとする名無しさんを思い出して、小さく笑うエース。いい加減起きろとルフィを起こして名無しさんが来てくれていた事を伝えれば
「ぐぬぬぬぬ....おれも名無しさんと話したかった!」
「いやだから、おれら全員寝ちまってたんだって。おれとエースですら気がつかなかったからなあ」
「なんだ、そうなのか。ちぇっー」
いじけたように地面を蹴って名無しさんのメシが食いてえなあーとぼやくルフィ。各々が自由な時間を過ごしていればサボが少し大きめな声を上げて、広げられた紙を見るよう伝える。
「秘密基地を作ろうぜ!」
何かを発見したように、キラキラと目を輝かせていうサボにいい案かもなとエースは笑い秘密基地!とルフィも同じく目を輝かせていた。
「まずはおれらの基地を作り上げてから、名無しさんを呼んであっと驚かせてやろうぜ!」
「...いいなあそれ。名無しさんが来ても大丈夫なぐらい広めにしておけばあいつも気にせずに来られるだろ」
「賛成ー!おおお何かやる気出てきたぞー!でも、まずはメシだーー!」
「ルフィ、お前は...ったく(笑)」
「まあまずは朝メシ食べてからでもいいだろサボ。おれたちの、独立して初めての調達だ」
これから始まる冒険のような日々に思いを馳せて楽しそうにかけていく3人。それぞれが胸に名無しさんも居ればもっと楽しかったのかなと思いながらも、誰も言葉にする事はなく元気な一日を始めようとしていた。
所変わってダダン家では、昨日から帰ってこない名無しさんを心配して朝から探しに出かけている。
「名無しさんはまだ見つからねェのかい?」
「すみませんお頭っ...それが、名無しさんの靴はあったんですが、肝心な姿が見えなくて...」
「おいおい何だそりゃ。まさか猛獣にでも食われちまったって言いてェのか!」
「ち、違いますよお頭!靴が落ちてた周辺も辺り一体も探してみましたが、血の後みたいなもんは見つからなかったですし...」
「それかもしかしたらエース達と一緒にいるかもしれねえーでやんすよ」
「んな訳あるかいっ!あの名無しさんだよ?もしそうならあのバカ共とは違って、何か断りは入れてくだろうさ」
分かったらさっさと見つけてきなァ!と怒声を上げてそれを聞くや否や散り散りになる山賊達。はぁと、何度目かも分からないため息を吐き出したダダンは、落ち着かせるように地面に座った。
「ったく...お前まで居なくなる事ねぇーじゃねェか、名無しさん...」
溢れた言葉を拾うものは誰もおらず、静かに空気に溶けていく。
名無しさんが消えてしまった事実は無慈悲にも誰も知らぬままに夜は明けていき、昨日の豪雨が嘘だったかのように空は晴れ晴れとしていた。
「おいっ、エース、ルフィ!2人共起きろよっ」
「んんっ....あ?サボ?」
「ンンン......」
「出てきてみろよ、すげえー晴れてんぞ」
キラキラと眩しいくらいに光る木々、すり抜けていく風は雨の冷たさを吸い込んだように冷えていて心地が良かった。
「ほら起きろってルフィ。エースも、自分の体見てみろよ」
サボに言われるがまま自分の体に視線を落とすエース。何を言いたいのか最初は分からなかったが、眠る前にはなかったはずの膝掛けが体にかかっていて、よく見れば穴の入り口には傘も差し込んである。
「.......お前か?サボ」
「...入り口の地面、よく見てみろよ」
「地面......。あ」
「気づいたか?おれら寝てたから全く気がつかなかったけど、あの手紙見て名無しさんが来てくれたんだと思うぜ」
「あのバカ....傘何て置いてきやがって、まさかあの雨の中濡れて帰ったんじゃねえだろうな」
「ははっ名無しさんならありえるかもなー。でも何にせよ無事に伝わってて良かったよ」
「まあな」
いつも笑顔で自分達を優先しようとする名無しさんを思い出して、小さく笑うエース。いい加減起きろとルフィを起こして名無しさんが来てくれていた事を伝えれば
「ぐぬぬぬぬ....おれも名無しさんと話したかった!」
「いやだから、おれら全員寝ちまってたんだって。おれとエースですら気がつかなかったからなあ」
「なんだ、そうなのか。ちぇっー」
いじけたように地面を蹴って名無しさんのメシが食いてえなあーとぼやくルフィ。各々が自由な時間を過ごしていればサボが少し大きめな声を上げて、広げられた紙を見るよう伝える。
「秘密基地を作ろうぜ!」
何かを発見したように、キラキラと目を輝かせていうサボにいい案かもなとエースは笑い秘密基地!とルフィも同じく目を輝かせていた。
「まずはおれらの基地を作り上げてから、名無しさんを呼んであっと驚かせてやろうぜ!」
「...いいなあそれ。名無しさんが来ても大丈夫なぐらい広めにしておけばあいつも気にせずに来られるだろ」
「賛成ー!おおお何かやる気出てきたぞー!でも、まずはメシだーー!」
「ルフィ、お前は...ったく(笑)」
「まあまずは朝メシ食べてからでもいいだろサボ。おれたちの、独立して初めての調達だ」
これから始まる冒険のような日々に思いを馳せて楽しそうにかけていく3人。それぞれが胸に名無しさんも居ればもっと楽しかったのかなと思いながらも、誰も言葉にする事はなく元気な一日を始めようとしていた。
所変わってダダン家では、昨日から帰ってこない名無しさんを心配して朝から探しに出かけている。
「名無しさんはまだ見つからねェのかい?」
「すみませんお頭っ...それが、名無しさんの靴はあったんですが、肝心な姿が見えなくて...」
「おいおい何だそりゃ。まさか猛獣にでも食われちまったって言いてェのか!」
「ち、違いますよお頭!靴が落ちてた周辺も辺り一体も探してみましたが、血の後みたいなもんは見つからなかったですし...」
「それかもしかしたらエース達と一緒にいるかもしれねえーでやんすよ」
「んな訳あるかいっ!あの名無しさんだよ?もしそうならあのバカ共とは違って、何か断りは入れてくだろうさ」
分かったらさっさと見つけてきなァ!と怒声を上げてそれを聞くや否や散り散りになる山賊達。はぁと、何度目かも分からないため息を吐き出したダダンは、落ち着かせるように地面に座った。
「ったく...お前まで居なくなる事ねぇーじゃねェか、名無しさん...」
溢れた言葉を拾うものは誰もおらず、静かに空気に溶けていく。