エンドライフ
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《66.突然の別れ》
「はぁっ....はぁ....」
エース達の無事を見やってから、気を張っていたのが抜けたからなのか異様に身体が重い。強い雨風は行きしよりも強くなっていて、時折岩陰で休みつつ帰ってはいるものの身体はどんどん重たくなるばかりだった。
(何やねん、これ....風邪、か?)
今まで感じた事がないくらいの寒気と身体の重さ。走ればまだ短く感じていた道のりは、伸びてしまったのではと思うほどに長い。何かがおかしいとは感じながらもとにかく今は家へと急ぐ。
これ以上苦しみが増すのは何だかあまり良く無い気がしていたからだ。
「はぁ....やっと、ここまできた...」
ダダン家が見えてきて、後もう数百mぐらいであろうその距離が今は凄く遠い。一歩一歩と踏みしめながら何歩か歩いた、その時だった
ードシャッ
(........あれ?)
突然視界が揺れたかと思うと体に痛みが走って目を瞑る。気がつけば地面が真下にあって自分は倒れてしまったのだという事に少し遅れてから気がついた。
(やべー、滑っちゃったのか。はは、早く立たな)
頭ではそう思うのに、身体は上手く動かない。いよいよこれはまずい事態だと思いながらも地面の冷たさがやけにリアルで雨に冷やされていくからだろうか、頭は変に冷静になっていた。
(こんな状態で見つかったら、ダダンさん達にそれこそ心配かけてまうし、今ここで体調を崩せばエース達にも迷惑をかけてまう....さて、どうしたものか)
未だ身体の重みは増していて、心無しか力が抜けていく気さえする。早く立ち上がりたいのに起き上がる為の腕は震えてしまっていて、踏んばる為の足は自分のものじゃないようだった。何度か気持ちで試みるものの、依然として状況に変わりはなくて体力だけが奪われていく。
...どのくらいの間、そうしていたのだろうか。
途切れ途切れとなってきた意識が不安を煽る。もしこのまま誰にも見つけて貰えず雨に打たれ続けていたら自分は最悪死んでしまうのではないか、猛獣の餌にもなってしまう可能性もあるななどと悪い方向へと思考が傾いてしまう。
何の因果か突然ONE PIECEという望んだ世界にこられて、失ったはずだった小さな命にも出会えた。それだけでもう、十分幸せだったはずなのに、今ここでその先が潰えるのはとてもじゃないが耐えられなかった。
エースが居る幸せを知ってしまった。
ルフィやサボがいる喜びを知ってしまった。
ダダンさん達やガープさん達の温かさを知ってしまった。
今、ここで、終わる訳にはいかない。自分はもう、エースが生き残る未来を見届けるまではこの世界を去れない、去りたくないのだ。
色んな出会いを重ねて日々を過ごしていくうちに、自分はこんなにも欲深くなってしまっていたのだと気がつく。叶うのならばエース助けたいという未来は、叶えるまでは終われないに変わっていた。
(ずいぶんと、よくぶかい人間に、なったな...)
以前生きていた生だって、ここまで強い意志はあったのだろうかと笑ってしまう程だった。
「いきたい......生きたい!!」
失われていく身体の自由とは裏腹に、そんな思いだけが募っていく。再度握りしめようとした掌を最早動かせなくなった頭はそのままに目線だけで確かめてみると、薄らと体が透けてきていて得も言われぬ恐怖が襲ってきた。
(イヤやイヤやイヤや...!まってくれ、まだ、うちはなにもっ...!)
拒絶する気持ちなど構いもしないかのように透けて見えなくなっていく体。
「いややっ、たのむ、エース!!」
無意識に助けを求めてしまうが、激しく鳴り止まない豪雨に全て飲み込まれてしまう名無しさんの声。どうしよう、どうする、待ってくれ。
そんな焦りを嘲笑うかのように、彼女の体は次第に色を無くしていき、そこには何も残らなかった。
「はぁっ....はぁ....」
エース達の無事を見やってから、気を張っていたのが抜けたからなのか異様に身体が重い。強い雨風は行きしよりも強くなっていて、時折岩陰で休みつつ帰ってはいるものの身体はどんどん重たくなるばかりだった。
(何やねん、これ....風邪、か?)
今まで感じた事がないくらいの寒気と身体の重さ。走ればまだ短く感じていた道のりは、伸びてしまったのではと思うほどに長い。何かがおかしいとは感じながらもとにかく今は家へと急ぐ。
これ以上苦しみが増すのは何だかあまり良く無い気がしていたからだ。
「はぁ....やっと、ここまできた...」
ダダン家が見えてきて、後もう数百mぐらいであろうその距離が今は凄く遠い。一歩一歩と踏みしめながら何歩か歩いた、その時だった
ードシャッ
(........あれ?)
突然視界が揺れたかと思うと体に痛みが走って目を瞑る。気がつけば地面が真下にあって自分は倒れてしまったのだという事に少し遅れてから気がついた。
(やべー、滑っちゃったのか。はは、早く立たな)
頭ではそう思うのに、身体は上手く動かない。いよいよこれはまずい事態だと思いながらも地面の冷たさがやけにリアルで雨に冷やされていくからだろうか、頭は変に冷静になっていた。
(こんな状態で見つかったら、ダダンさん達にそれこそ心配かけてまうし、今ここで体調を崩せばエース達にも迷惑をかけてまう....さて、どうしたものか)
未だ身体の重みは増していて、心無しか力が抜けていく気さえする。早く立ち上がりたいのに起き上がる為の腕は震えてしまっていて、踏んばる為の足は自分のものじゃないようだった。何度か気持ちで試みるものの、依然として状況に変わりはなくて体力だけが奪われていく。
...どのくらいの間、そうしていたのだろうか。
途切れ途切れとなってきた意識が不安を煽る。もしこのまま誰にも見つけて貰えず雨に打たれ続けていたら自分は最悪死んでしまうのではないか、猛獣の餌にもなってしまう可能性もあるななどと悪い方向へと思考が傾いてしまう。
何の因果か突然ONE PIECEという望んだ世界にこられて、失ったはずだった小さな命にも出会えた。それだけでもう、十分幸せだったはずなのに、今ここでその先が潰えるのはとてもじゃないが耐えられなかった。
エースが居る幸せを知ってしまった。
ルフィやサボがいる喜びを知ってしまった。
ダダンさん達やガープさん達の温かさを知ってしまった。
今、ここで、終わる訳にはいかない。自分はもう、エースが生き残る未来を見届けるまではこの世界を去れない、去りたくないのだ。
色んな出会いを重ねて日々を過ごしていくうちに、自分はこんなにも欲深くなってしまっていたのだと気がつく。叶うのならばエース助けたいという未来は、叶えるまでは終われないに変わっていた。
(ずいぶんと、よくぶかい人間に、なったな...)
以前生きていた生だって、ここまで強い意志はあったのだろうかと笑ってしまう程だった。
「いきたい......生きたい!!」
失われていく身体の自由とは裏腹に、そんな思いだけが募っていく。再度握りしめようとした掌を最早動かせなくなった頭はそのままに目線だけで確かめてみると、薄らと体が透けてきていて得も言われぬ恐怖が襲ってきた。
(イヤやイヤやイヤや...!まってくれ、まだ、うちはなにもっ...!)
拒絶する気持ちなど構いもしないかのように透けて見えなくなっていく体。
「いややっ、たのむ、エース!!」
無意識に助けを求めてしまうが、激しく鳴り止まない豪雨に全て飲み込まれてしまう名無しさんの声。どうしよう、どうする、待ってくれ。
そんな焦りを嘲笑うかのように、彼女の体は次第に色を無くしていき、そこには何も残らなかった。