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《65.どくりつ宣言》
まだ日が高く昇る前のダダン家では、何やらゴソゴソという音と一つの寝息。ようやく静かになったと思えば小さな声が名無しさんを揺り起こそうとしていた。
「おいっ、起きろよ名無しさん」
「ルフィ何してんだ、名無しさんは一緒には行かねえって言っただろ」
「けどよエース、おれやっぱり名無しさんも一緒がいい」
「ん〜...気持ちは分かるけどよ。でもなルフィ、名無しさんは暗いのとか虫とか苦手だろ?なのにいきなり外で暮らすってのは中々ハードルが高いと思うんだよな、危ねえしさ。...分かってくれるか?」
「サボ.....」
「サボの言う通りだ。何も今生の別れとかじゃねえんだ。会おうと思えばいつでも会えるだろ」
「.....分かった。おれ、もうワガママ言わねえよ」
俯くようにズボンをギュッと握ったまま、眠り続ける名無しさんの頭を撫でていくルフィ。そんな様子をエースとサボは見守りつつも名無しさんの枕元にそっと手紙を忍ばせ家を出た。夜が明けきる前の密行である。
それから何時間か経った頃だろうか、大きな叫び声が聞こえた気がしたらその後はけたたましい音を立てて部屋のドアが開けられた。
「名無しさんっ!!!」
「......、ん。....ん?」
「おいっ!起きな!お前ェは一緒に行かなかったのかい?!」
「んー、なに。何の話...」
寝起きなのもあり、目の前で肩を揺さぶるダダンさんが何を言っているのか理解が出来ない。暫くしてやっと頭が起きてきたかと思えばダダンさんの言わんとしてる事が少しばかり飲み込めてきて、視線をどれだけ動かそうとも姿の見えないエース達に違和感を覚えた。
どうやら事の顛末としては、ガープさんのしごきを逃れる為の独立宣言で置き手紙と共にこの家を出たようだった。今朝方起きた頃にはもう居なかったのだと言う。せめて一言ぐらい教えて欲しかったなと少しは思ったが、皆が決めた事だし仕方ないかとお布団を持ち上げれば、枕の下から紙切れが落ちてきた。
″いつものばしょでまつ ASL”
「は....ははっ」
きっと、思ったよりも嬉しかったのだと思う。
紙切れの言葉を見た途端ついつい笑ってしまったのだから、想像以上に当たり前になってきていた姿が見えないのが堪えていたらしい。不器用に連なる懸命な文字は、誰が書いたのだろうかとそっと字をなぞった。
申し訳無さは多少あったが、焦るダダンさん達はそのままで、まずは経緯を聞こうと場所へと向かう。何か理由があったにせよ、天気は悪くなる一方なので早くに事情を把握したかったのもあったのだと思う。
「.....あ、おった」
やっと辿り着いたいつもの木。あまりの豪雨に景色が変わって見えたから無事に辿り着いて良かったなと思えば、幹の穴には身を寄せ合うように3人が休んでいて、皆仲良く眠っていた。恐らく世が開ける前に飛び出したからだろうか、その寝顔が余りにも安らかで何だか起こすのに気がひけてしまう。
「ふふっ、可愛いなあ....」
いつまででも眺めていられる寝顔に後もう少しだけを繰り返し、雨何て気にせずに結構な時間を過ごしてしまっていた。このままじゃ風邪を引いてしまうなと念の為忍ばせておいた膝掛けを人数分かけてあげれば、表情が少し和らいだ気がしてついついまた眺めてしまう。
これじゃ永遠に離れられないなと、自分の気持ちを叱咤して雨が降り込まないようにと傘を差し込めば、風も凌げたからだろうか3人にかかる飛沫は止んだように思えた。
可愛い寝顔に何だか少し離れ難かったけど、地面には「またこんどあおう。名無しさん」と書き記す。
(とりあえず、皆の無事を見られて良かった。また近いうちに会えるといいな)
早く晴れたらいいのになと未だどんより顔の空を見て思いつつ、滑らないようにと踵を返した。まるで降り注ぐかのように止まない雨のせいなのか、いつも賑やかだった森の中は、物凄く静かに感じた。
まだ日が高く昇る前のダダン家では、何やらゴソゴソという音と一つの寝息。ようやく静かになったと思えば小さな声が名無しさんを揺り起こそうとしていた。
「おいっ、起きろよ名無しさん」
「ルフィ何してんだ、名無しさんは一緒には行かねえって言っただろ」
「けどよエース、おれやっぱり名無しさんも一緒がいい」
「ん〜...気持ちは分かるけどよ。でもなルフィ、名無しさんは暗いのとか虫とか苦手だろ?なのにいきなり外で暮らすってのは中々ハードルが高いと思うんだよな、危ねえしさ。...分かってくれるか?」
「サボ.....」
「サボの言う通りだ。何も今生の別れとかじゃねえんだ。会おうと思えばいつでも会えるだろ」
「.....分かった。おれ、もうワガママ言わねえよ」
俯くようにズボンをギュッと握ったまま、眠り続ける名無しさんの頭を撫でていくルフィ。そんな様子をエースとサボは見守りつつも名無しさんの枕元にそっと手紙を忍ばせ家を出た。夜が明けきる前の密行である。
それから何時間か経った頃だろうか、大きな叫び声が聞こえた気がしたらその後はけたたましい音を立てて部屋のドアが開けられた。
「名無しさんっ!!!」
「......、ん。....ん?」
「おいっ!起きな!お前ェは一緒に行かなかったのかい?!」
「んー、なに。何の話...」
寝起きなのもあり、目の前で肩を揺さぶるダダンさんが何を言っているのか理解が出来ない。暫くしてやっと頭が起きてきたかと思えばダダンさんの言わんとしてる事が少しばかり飲み込めてきて、視線をどれだけ動かそうとも姿の見えないエース達に違和感を覚えた。
どうやら事の顛末としては、ガープさんのしごきを逃れる為の独立宣言で置き手紙と共にこの家を出たようだった。今朝方起きた頃にはもう居なかったのだと言う。せめて一言ぐらい教えて欲しかったなと少しは思ったが、皆が決めた事だし仕方ないかとお布団を持ち上げれば、枕の下から紙切れが落ちてきた。
″いつものばしょでまつ ASL”
「は....ははっ」
きっと、思ったよりも嬉しかったのだと思う。
紙切れの言葉を見た途端ついつい笑ってしまったのだから、想像以上に当たり前になってきていた姿が見えないのが堪えていたらしい。不器用に連なる懸命な文字は、誰が書いたのだろうかとそっと字をなぞった。
申し訳無さは多少あったが、焦るダダンさん達はそのままで、まずは経緯を聞こうと場所へと向かう。何か理由があったにせよ、天気は悪くなる一方なので早くに事情を把握したかったのもあったのだと思う。
「.....あ、おった」
やっと辿り着いたいつもの木。あまりの豪雨に景色が変わって見えたから無事に辿り着いて良かったなと思えば、幹の穴には身を寄せ合うように3人が休んでいて、皆仲良く眠っていた。恐らく世が開ける前に飛び出したからだろうか、その寝顔が余りにも安らかで何だか起こすのに気がひけてしまう。
「ふふっ、可愛いなあ....」
いつまででも眺めていられる寝顔に後もう少しだけを繰り返し、雨何て気にせずに結構な時間を過ごしてしまっていた。このままじゃ風邪を引いてしまうなと念の為忍ばせておいた膝掛けを人数分かけてあげれば、表情が少し和らいだ気がしてついついまた眺めてしまう。
これじゃ永遠に離れられないなと、自分の気持ちを叱咤して雨が降り込まないようにと傘を差し込めば、風も凌げたからだろうか3人にかかる飛沫は止んだように思えた。
可愛い寝顔に何だか少し離れ難かったけど、地面には「またこんどあおう。名無しさん」と書き記す。
(とりあえず、皆の無事を見られて良かった。また近いうちに会えるといいな)
早く晴れたらいいのになと未だどんより顔の空を見て思いつつ、滑らないようにと踵を返した。まるで降り注ぐかのように止まない雨のせいなのか、いつも賑やかだった森の中は、物凄く静かに感じた。